老後の住まいをリフォームするのに1000万円かけても大丈夫?

MONEYPLUS / 2019年9月14日 18時0分

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老後の住まいをリフォームするのに1000万円かけても大丈夫?

アラフィフ世代であれば、子どもが独立した人も多いのではないでしょうか。夫婦2人の暮らしになったので、リフォームしようかと考えることはありませんか?

実はリフォームの潜在需要が最も高いのは50代であることが住宅リフォーム推進協会の調査結果でわかっています。


マンションのリフォームに1,000万円は高すぎる?

筆者はファイナンシャル・プランナーとして主に40代・50代の会社員世帯からご相談をいただくことが多いのですが、今回リフォームをするか悩まれているAさんご夫婦の例をお話したいと思います。

Aさんご夫婦は都内在住、最寄りの駅は私鉄沿線から徒歩10分ほどの住宅街にあり、住環境にも満足されています。最近、末子が社会人となり家を出たため夫婦2人の暮らしが始まりました。

23年前に購入した中古マンションは、まもなく築35年です。子育て中は、教育費の支出もあり、室内の多少の傷みにも目をつぶってきました。しかし、元々インテリアに興味があったAさんですので、間取り変更も含め快適に暮らせるようリフォームをしたいと考えるようになりました。ところが業者に見積もりを依頼したところ金額が約1,000万円と聞いて驚いたそうです。早速、筆者の元に相談にいらっしゃいました。

そのマンション、ずっと住み続けられる?

リフォームの費用については、個人の価値観もありますので、高いか高くないかをここで論じることはやめておきます。今回は、1,000万円をかけてリフォームをするかについて判断材料となるポイントを2つAさんにお伝えしました。

一つ目は今後も住み続けることに問題はないかです。Aさんのマンションは、4階建ての3階部分になりますがエレベーターはありません。ご夫婦ともに登山が趣味とのことで、いままでは問題なく暮らしてきました。

Aさんは現在55歳、夫は56歳です。もちろん健脚と思いますが、この先何が起こるかわかりません。夫婦のどちらか歩行が困難になった場合、住み続けるのは難しくなることは想像に難くありません。未確定な将来のことを考えても答えは出ないかもしれませんが、最悪の事態を想定しておくことも大事なポイントです。

2つ目のポイントは、万が一売却したいと思った時に「売却できるのか?」「いくらで売却できそうか?」です。Aさんが暮らすマンションは築35年です。このまま住み続ける予定ですが、前述の通り万が一住み替えが必要になる可能性もゼロではありません。

その時がいつかはわかりませんが、実は築35年を超えた物件には住宅ローンの借入年数が短くなるなど、利用に制限がつく可能性が高いのです。つまり、購入者にとって買いやすい物件であるかという視点も大事なことと言えます。

なお、立地条件が同じようなマンションで築年数が古い物件価格を調べておくことも一つの参考にはなるでしょう。

それでもリフォームしたい!支援制度やローン利用も調べること

色々考えながらも、予算を減らしてリフォームすることに気持ちが傾いているAさんご夫婦です。リフォームをすると決心されたのであれば、支援制度やローン利用の検討もしていただきたいところです。

リフォームに関する補助金・減税・優遇制度はインターネットで手軽に調べることができます。また、居住する市町村独自の制度も調べてみることをお伝えしました。

自己資金を使ってリフォームを考えていたAさんですが、家計のキャッシュフローを見ておくことも重要です。というのも、Aさんの夫は現在56歳で会社員ですが、年収が下がっていくとお聞きしています。

老後のことを考えると、手元資金を出してしまうのは避けたほうがいいかもしれません。それには家計のキャッシュフロー表で将来の家計収支を確認しておかれた方が良いことをお伝えしました。リフォームローンは金融機関によりますが、固定あるいは変動の金利で2%台からありますので検討の余地はありそうです。

老後暮らす理想の居住地、何が重視されている?

最後になりますが、老後暮らす理想の居住地についてどのような場所であることを重視するのか?を参考までにお伝えします。内閣府が行った2015年(平成27年)10月「住生活に関する世論調査」から上位7項目までを抜粋します 。

高齢期(65歳以上)における理想の居住地

順位 理想の居住地 回答割合
1位 医療・介護・福祉施設へのアクセスの良い場所 78.7%
2位 日常的な買い物などを行う生活関連施設などへのアクセスの良い場所 68.0%
3位 公共交通機関へのアクセスの良い場所 65.0%
4位 地震、台風などの自然災害に対して安全な場所 44.2%
5位 犯罪、交通事故などに対して安全な場所 41.5%
6位 騒音・振動、大気汚染などが少ない場所 37.8%
7位 近隣住民や地域との交流・つながりが持てる場所 31.8%

※複数回答
※資料:内閣府「住生活に関する世論調査(平成27年10月調査)」を元に執筆者作成

1位の「医療・介護・福祉施設へのアクセスの良い場所」については高齢期に重要視されるのは納得ですね。2位以下についてはマイホームを持つ時に重視することと重なる部分ではないでしょうか。つまり、立地・利便が良い物件であれば需要も見込まれるので将来売却できる価値がある不動産と考えることができます。

これからリフォームを考える人は将来夫婦どちらかが一人になった時にも住み続けたいのか?もしも売却するとしたら価値はどのくらいか?も考えておくことも必要と言えます。

そこまで考えておくことで、リフォームにいくらかけたらいいのか?ではなくて、ここまでなら出せる、と冷静に考えることができるのではないでしょうか。

(三原由紀)

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