「子どもは2人欲しい」婚活男性が知っておくべき「35歳」の壁

MONEYPLUS / 2020年10月30日 18時0分

写真

「子どもは2人欲しい」婚活男性が知っておくべき「35歳」の壁

20代前半の知人カップルがお付き合いをはじめて1年、そろそろ結婚を見据えた話し合いが増えてきました。彼と出会うまでは結婚も子どもも特に強い希望がなかった女性なのですが、彼の方が「子どもが欲しい」という強い希望があるといいます。

筆者のような中年期の男女には少々意外な会話に見えるかもしれません。


でも、これは意外な話ではなく、イマドキの結婚支援の現場からも非常に聞くパターンです。女性よりも男性の方が、自分がいくつであろうと結婚の希望条件に「子どもが欲しい」があがってきます。

筆者はいくつかのマッチング関係のビッグデータ分析を行っていますが、女性はアラフォーあたりになると「子どもは希望していません」「さみしい老後は嫌なのでパートナーが欲しいです」「産期を考えると最後の段階ですので婚活をなんとか頑張りたい」など、子どもをもつことについては男性よりも多様性のある意見がみられるようになる傾向があります。

子どもが欲しい、という年齢を問わず男性側に多く見られる婚活理由そのものについては、あくまで子を持つ・持たないは個人の自由ですので、干渉するところではありません。

しかし、全国の結婚支援団体・マッチングデータ企業からは、男性会員が自分の年齢にかかわらず70代あたりまで、

「子どもが欲しいから34歳までの女性を紹介してほしい」
「2人は欲しいから出産間隔を考えると20代の女性を」
「そんな年齢の女性では子どもが持てないと思うので若い女性を」

などと希望する男性が多く、その条件にマッチングする女性会員がほとんどいないことから、気分を害し退会する男性、マッチング希望が叶わないことについて男性からのクレームが多くなる、という相談の声が多くあがります。

このように自分の年齢を問わず女性の年齢に希望がある男性には、おそらく「女性には35歳の高齢出産の壁があるが、男性は関係ないのだ」という考えがあるように思います。

そこで今回は、この「女性には35歳の高齢出産の壁があるが、男性は関係ないのだ」という考えについて、果たして統計的なエビデンスがどうであるか、皆さんと確認したいと思います。

2人目、3人目の子どもが授かった「お父さんたちのデータ」が示すこと

今回使用するデータは、厚生労働省の人口動態調査の1975年から2018年の43年の推移データです。全出生についてのデータですので、母集団がおかしいということはなく、まさに「日本の出産の真実の姿」といえます。
下のグラフをご覧ください。

1_子供の出生順位と父母の平均年齢

よくメディア・行政情報などでは、グラフの中の女性だけの「第一子平均出産年齢」情報が取り上げられ、日本の女性は1975年では25歳で産んでいたが、今は31歳まで6歳も出産年齢が上昇した、晩産化したものだ、という情報が報じられます。目にしたことがある読者も多いのではないでしょうか。

問題なのは、この情報だけをみても、男性の年齢が欲しい子どもの数と関係があるか、お父さんの年齢について何か統計的なエビデンスがあるかどうかということが全くわからないということなのです。

「今の女性は平均31歳で産んでいるのだから、アラサー女性と結婚すれば、まず1人目の子どもは授かるってことだ」といったイメージだけを男性がもつことになります。

それ自体は間違った情報ではないのですが、これは単に「子どもが1人欲しいなら、お母さんの年齢はそうかもしれない」というデータです。

女性ではなく男性が子どもを欲しいと思っている場合には、何をベンチマークに結婚年齢を設定したらよいかは何もわからない情報といえますので、男性の婚活の情報としては不十分です。

ここまでを読んでもうお分かりの方も多いかもしれませんが、子どもが欲しい男性が得るべき統計情報は、グラフにある父親の「平均出産年齢」データなのです。

子どもが欲しい男性に立ちはだかる「35歳」の壁

43年の推移データからわかることは、お父さんであっても「授かり年齢の天井」が見て取れるということです。

また、第1子ほどは第2子・第3子の父親の平均出産(授かり)年齢の上昇が起こっていない、ということもわかります。

グラフからは、1子、2子、3子と43年推移の右肩上がりの角度がどんどん横に水平に近づいているのがわかります。

この情報から統計的にいえることは、「1子だけ欲しいなら半世紀前に比べて男性の年齢が5歳くらい遅れても大丈夫な確率が高いが、2子、3子もほしいとなると、半世紀前のお父さんたちに比べてもそんなに悠長に構えることは許されなさそうだ」ということです。

2018年においてのお父さんの平均授かり年齢をみてみると、
2_お父さんの平均授かり年齢

です。2番目の子どもをだいたい、お父さんが35歳、3番目の子どもをお父さんが36歳、で平均的に授かっていることが示されています。

ここで、1子と2子、2子と3子の平均年齢の差に注目してみてください。ともに1歳あるかないかです。これは現実的な子どもの授かり間隔とすると考えにくい間隔です。同じ男性の推移として読んでしまうと、33歳スタートで毎年授かるライフデザインとなっているからです。

つまり、こういう場合の数字の見方としては、1人目を授かった父親グループより2人目を授かった父親グループの1子目の授かり年齢が若い傾向がある、という見方が有力となります。また3子目を授かった父親グループではさらに1子目スタートが若い傾向にある、ということになります。

結局、たとえ男性であっても子どもが欲しい、ましてや多くの子どもが欲しい場合は、統計的に見ればスタートが遅れた場合はその影響で子どもを持つ希望が実現しにくくなる可能性が高くなる、ということが示されているといえます。

「いや、俺の親戚には42歳でパパになったやつがいる」
「僕は39歳で2子目を授かりました」

という方も当然います。統計的にはほぼあらゆる現象において「ばらつき」が必ず出ます。ですので、確率が低くても、この年齢以降は授からないという話をしているわけでは決してありません。

ただし、統計的な発生事実でみるならば、子どもが欲しい男性が子どもを持てなくなるリスクは、女性同様、意外と早い年齢で訪れていることが統計的に指摘できます。

男性がもし「どうしても子どもがほしい」というのであれば、女性の第一子平均出産年齢をベンチマークに結婚相手の年齢ばかりにフォーカスするのではなく、父親の平均授かり年齢をベンチマークに逆算して(授かり間隔から考えて不自然にならないように)自分の年齢を客観的に考えることが大切です。少なくともエビデンスを踏まえた節度ある婚活をした方がマナー違反と思われない、ということがいえそうです。

40代男性の結婚市場における発生確率は7.6%

そうはいっても自分は特別ではないか、という気持ちは私自身を含めて誰しも持つものです。

これは未婚男性に限る話にはなりますが、2018年の全婚姻届の分析からは、男性の授かり年齢に直結するといえる「男性の婚期」が明確に示唆されています。

2018年に婚姻届を出し結婚生活に入った34万人の初婚男性のうち、年齢別の割合を算出してみると、

10代男性1.1% 20代男性52.6% 
30代男性37.8% 40代男性7.6% 
50代男性0.7% 60代男性0.1% 
70代以上男性0.0%

となりました。

日本は授かり婚も含めて婚外子ではなく生まれている子どもが98%にのぼります。このデータを考慮すると、子どもを持つにはまずは結婚、ということになりますが、上のデータからは男性にも授かり年齢以前に、明確な婚期があります。

結婚も子どもを持つ希望も、やはりエビデンス(発生事実)に基づいたリクエストを相手にすることが、相手の女性に対して何より「知的な」「思いやりある」男性のイメージを与え、何よりアピールになるのではないかと思います。

(天野馨南子)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング