「3000万貯めて7000万のマンションを売って住み替えたい」アラフォー夫婦の計画は叶う?

MONEYPLUS / 2020年10月28日 18時30分

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「3000万貯めて7000万のマンションを売って住み替えたい」アラフォー夫婦の計画は叶う?

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ
今回の相談者は、35歳、会社員の男性。マンションの買い替えを計画しているという相談者。教育費や老後資金のことも考慮した、家計とライフプランの見直しポイントは? FPの秋山芳生氏がお答えします。

家の買い替えや老後の備えのため、10年後に貯蓄(資産総額)を3,000万円にしたいが、住居費が重く、なかなか貯められない。どちらも退職金がないため、夫婦でiDeCo、つみたてNISAは上限まで投資し、不動産投資なども考えていきたいと思っているが、頭金にすることで貯蓄を減らすことに不安がある。子どもの教育費はジュニアNISAで上限の320万円ずつ、計640万円を4年かけて投入しようと思っている。

【相談者プロフィール】
・男性、35歳、会社員、既婚
・同居家族について:
 妻38歳、ともに会社員。月収は夫50万円、妻は育休中で20万円
 こども2人(0歳、3歳)
・住居の形態:持ち家(マンション・集合住宅)
・毎月の世帯の手取り金額:75万円
・毎月の世帯の支出の目安:55万円

【毎月の支出の内訳】
・住居費:20万円
・食費:14万円
・水道光熱費:2万5,000円
・教育費:2万5,000円
・保険料:5,000円
・通信費:7,000円
・車両費:1万5,000円
・お小遣い:5万円
・その他:奨学金2.5(無利子0.5万円、2万円は金利0.5%で残り3年程度)

【資産状況】
・毎月の貯蓄額:5~15万円
・ボーナスからの年間貯蓄額:0円
・現在の貯蓄総額:1,400万円
・現在の投資総額:500万円
・現在の負債総額:6,300万円
・住宅ローン:(都心マンション)物件購入額7,000万円、借入額7,000万円、金利0.48%、返済期間35年、残債6,300万円

秋山:ご相談いただきありがとうございます。ファイナンシャルプランナー兼FP YouTuberの秋山芳生です。しっかりと貯蓄や投資もできていると思いますし、改善点もそれほどないように思いますよ。とはいえ、住宅ローンの返済額はかなり大きいと思います。そんな中でも、後10年に資産を3,000万円にしていきたいのですね。実現に向けて一緒に考えていければと思います。

目標達成には毎月いくら貯金すればよいか?

現在、貯蓄は1,400万円とのことですが、貯蓄(資産総額)とご相談者さまの記載があったので、投資の500万円は貯蓄1,400万円に含まれているものとして計算をしていきます。

1,400万円を3,000万円にするには10年で1,600万円を貯めたいということですね。毎月10万円ずつを複利で5%で運用できたら1,552万円になるので、近いところまで到達するかもしれないですね。投資でなく、貯蓄で貯めようとすると、毎月13.3万円ずつ貯蓄が必要になります。税制優遇の枠をご夫婦ともに満額使い切っているとのことですので、つみたてNISAで毎月3万3,333円×2、iDeCoで2万3,000円×2を投資に回しているので11万2,666円ということと思います。

現在「毎月5万円から15万円資産が増えている」と情報を頂いてますが、「75万円の手取りに支出が55万円」とも記載があり、多少整合性がとれないのですが、「iDeCoは年金」と割り切っておられて資産としてみていないのであれば、つみたてNISAでで6万6,666円+現金貯蓄が、貯まるときと貯まらないときがあるということでしょうか。この辺が曖昧なので、計算がぶれることはご了承ください。

どちらにせよ、目標達成には、前述の通り少なくとも毎月10万円以上はフリーキャッシュフロー(自由に使うことができるお金)が必要でしょう。奥様が復職されると5万円ほど手取りが増えるかと思いますし、また、奨学金の返済が終われば少し家計が楽になってくると思います。その時まで、少しでも改善ポイントがないか見ていきたいと思います。

家計の無駄はあるか?

通信費や保険なども低く抑えられており家計の無駄はそれほどないかと思いますが、食費が14万円というのは少し改善できるように思います。奥様が産まれたてのお子さんのケアでなかなか自炊が難しいかもしれませんが、ご主人が自炊に協力するなども方法としてはあるかもしれません。また、日用品、医療費、交通費、レジャー費、衣服美容などの費目を管理されておらず使途不明金になっているように思います。不明な支出がなくなるよう、細かく家計簿アプリなどで確認する習慣ができると良いと思います。

上記から、大きな改善ポイントはないですが、家計のコントロール力を高めていくことで10年で合計3,000万円の貯蓄の実現可能性は高まると思います。

続いて、教育費についてと、不動産投資、住宅の買い替えを考えた場合のポイントをお伝えしていきます。

ジュニアNISAだけに頼った教育費は危険

ジュニアNISAは、制度変更に伴い、2024年以降いつでも引き出すことができるようになったので使い勝手もよく、お子さんが小さいうちは教育費をつくるのに向いている制度と言えると思います。以前は、子どもが18歳になる年の前年の年末まで引き出すと税金が発生するという仕組みでしたが、ジュニアNISA制度が延長しないことが決まったため、2024年以降はいつ引き出しても増加分に税金がかからない制度になりました。この辺も学ばれているので、できる限り税額控除が受けられる制度を利用しようと考えていることと思います。

ただ、ジュニアNISAだけで教育資金を作ろうとすると、いざ必要なときに不況になっていると予定の学費に満たなくなることもあり得るので、現金で貯める部分と運用とのバランスを取られると良いと思います。

不動産投資をおすすめしない理由

現在は、家の買い替えを目標に置かれていますので、それまでは不動産投資はやめておいた方がよいでしょう。10年後に家を買い換える場合、相談者様は45歳ですので、現在のマンションを売却して、足りない部分は住宅ローンを借りることになるかと思います。その際、不動産投資によって借入の信用残高を使ってしまっていたり、空室リスクや家賃の減額などでキャッシュフローが悪くなっていたりすると、住宅ローンの審査が厳しくなる可能性もあります。

また、不動産投資は、「大家業」になりますので、一つの事業として事業計画を立てることや、出口戦略、メンテナンスコスト、空室リスク、税金など複合的な視点で考えることが必要になります。成功すれば資産になっていくこともありますが、負債になってしまうこともあり得ますので、住宅を買い換えることを重要視しているようであれば、あまりおすすめできません。

住宅の買い替えで気をつけるべきポイント

現在のマンションは都内の高級マンションということになると思います。マンションの場合、修繕費と管理費は築年数が経つほどに高くなる可能性があります。また、戸数が少ないマンションの場合は1戸あたりの負担も大きくなりがちです。老後を見据えたときにランニングコストが大きくなることがあるので、ご相談者さまのように買い替えを考えられる方もいると思います。買い替えの際は、住宅ローンの残高以上に高く売却できたらOKと考えがちです。

しかし、住宅ローンが残っている状態で、次の家を買うことは現金一括で買う以外はダブルローンになってしまい、審査が降りないことも多いのです。また、現在の住宅を売ってから、スムーズに新たな不動産を買って途切れなく住み替えるということは意外と難しいので、一度賃貸物件を借りることも視野に入れて動かれると良いと思います。その際、売却の際の仲介手数料や、新たな賃貸の仲介手数料が発生しますし、引っ越し回数も増えるので、この辺のコストも視野にいれて売却価格が納得行くものになるかを考えられると良いでしょう。

住宅の売却は、不動産仲介会社を通じて行うことになると思いますが、最初は専任媒介契約は避けたほうがよいでしょう。どうしても一社の専任になってしまうと、情報がコントロールされてしまい相場より安く売ってしまう場合があります。一般媒介契約で複数社と契約することで、情報戦で優位に立つことができますし、3社ほどの一般媒介契約を結び、売却価格の相場や引き合いを見て、実際にいくらで売却できそうかの感覚がつかめたら、その中で動きの良い1社と専任媒介契約に切り替えて交渉していく手もあると思います。

不安を減らすためには

収支はご夫婦で力をあわせて高い状態だと思いますし、住宅以外の固定費は低く抑えられているので問題は少ないと思います。制度改定したジュニアNISAについても学ばれて取り入れていこうという視点も非常に良いと思います。

お金は、いくら良い状態でも不安はつきものです。不安を減らすには、ご自身を知り、より精緻にライフプランを立てることです。使途不明金を減らし、家計把握をしっかり継続できる状態をつくることが一番効くアドバイスになるかなと思いました。以上、ご参考になれば幸いです。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

(秋山芳生)

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