ダッシュボードが透けてる!? 人間の感覚に訴えかける京セラのコンセプトカーがスゴイ!
MōTA / 2020年10月10日 8時20分
先進の運転支援装置をはじめとして、車は目を見張るスピードで進化している。その進化の先にある一つの目標が、ハンドルやペダルを持たない完全自動運転の車だ。今回京セラが発表したコンセプトカー「Moeye(モアイ)」は、そんな未来を京セラなりの発想で具現化した1台。これまでなかったような斬新なデザインや最新技術を詳しく見ていこう。
老舗電気機器メーカーが作ったこれまでにない未来の車
京セラは同社独自のデバイスを数多く搭載し、コンセプトカー「Moeye(モアイ)」を発表した。将来、自動運転やMaaS(マース)の普及が見込まれるなか、完全オリジナルの車両として未来のコックピットを表現。最先端の電子技術を扱う電気機器メーカーらしい発想で、これまでには無い驚きに満ちた車内空間を作り出している。
京セラがコンセプトカーを発表するのは初めてではない。2018年には電気自動車(EV)の開発、販売等を行うGLMと共同で開発した「トミーカイラZZ コンセプトカー」を発表しており、「Moeye(モアイ)」は第2弾ということになる。京セラによると、現段階でMoeyeの商品化の予定はないという。完全自動運転の実現は今すぐ無理だとしても、せめてこのデザインの電気自動車だけでも市販化を希望する声は多そうだ。
クラシカルでも新しい内外装のデザイン
モアイの特徴的なデザインを手掛けたのは、京都に本社を置くFortmarei(フォートマーレイ)の石丸竜平氏。クラシックカーのような面構成の中にも、幾何学的で未来的な造形が含まれ、車の歴史を駆け抜ける「時間」をテーマにデザインされている。ドアを開けると、落ち着いた色合いのファブリックが張られたシートとドアが日本の和を感じさせる一方、ヘッドレストはシートではなく車体側に固定。そして、操作ボタンどころかハンドルすらない究極にシンプルなインテリアを見れば分かるように、モアイは未来の完全自動運転を想定したコンセプトカーである。
視覚・触覚・聴覚・嗅覚に訴えかける最新技術
前方の視界が透けて見えるダッシュボード
モアイの目玉となるのが、コックピットの一部を透明化する「光学迷彩技術」だ。これは、東京大学 先端科学技術研究センター 稲見 昌彦教授との協働で実現したもの。フロント部に搭載された8つのカメラ映像をを、乗員の背後に備えたプロジェクターによって左右に大きく広がるダッシュボードに投影し、本来死角となる前方の景色を映し出す。さらに、スクリーンの役目を果たすダッシュボードには、入ってきた光を同じ方向に反射する再帰性反射材を採用し、いわゆる既存のディスプレイでは実現できない、よりリアルであたかも透明になったかのような映像が楽しめる。
裸眼で3D映像を楽しめる独自技術
京セラでは“ドライバー”と表現していたが、もちろんドライバーはハンドルやアクセルを操作するわけではない。振動することでボタン押下の触感を再現した京セラの独自技術HAPTIVITY (ハプティビティ)が採用されたタッチパネルで車に支持を出す。また、ダッシュボード上部には、オリジナルキャラクターの"モビすけ"が3Dで現れ、ドライバーと対話しながらナビゲート。ここにも、高性能な液晶ディスプレイからの投影映像を結像させ、裸眼でもリアルでクリアな3D映像を楽しめる京セラ独自の空中ディスプレイが採用される。
光で音で快適空間を演出
京セラ独自の技術であるLED照明 CERAPHIC(セラフィック)は、従来のLEDでは難しかった繊細な表現を可能にし、なんと朝夕の自然光まで表現するという。また、固定式ヘッドレストにも埋め込まれたピエゾ素子を用いた振動スピーカーで聴覚を、5種類の香りを使い分けることのできるアロマ芳香器は嗅覚に作用。このように、人間の5感のうち4つの感覚に訴えかけることで、これまでになかった快適でエンターテイメント性に溢れた車内空間を演出している。外部リンク
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