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コンパクトSUVの先駆者エスクードよ、がんばれ! 再ヒットするにはハイブリッドが必要?

MōTA / 2021年3月31日 11時0分

スズキ エスクード

コンパクトSUVの人気が留まることを知らない。トヨタでいえばヤリスクロスやライズ兄弟、ホンダのヴェゼルなど国産勢だけでもあまた存在し、輸入車だって数多く乱立している。実はこの市場を開拓したのはスズキ エスクードなのだが、今や国内市場においてその存在感は薄い。 だが決して台数は多くないものの、じつは堅調に売り上げを伸ばしているのだ。今回は、4代目となる現行型スズキ エスクードの知られざる魅力と、ヒットに繋がらない要因について考えてみよう。実はかなりおすすめのクルマなんです。

スズキ エスクード

大ヒット中のコンパクトSUV! その市場を開拓したのはエスクードだった

三菱 初代パジェロ, トヨタ ランドクルーザー60系

三菱 初代パジェロ, トヨタ ランドクルーザー60系

そもそもスズキ エスクードは、まだSUVという言葉すら誕生していない1988年にデビュー。当時、この手のモデルはトヨタ ランドクルーザーや三菱 パジェロ、日産 サファリに代表される本格クロカンが市場を牛耳っており、エスクードのような小さく、そして都会的なデザインのモデルは皆無であった。

しかも、RV市場を席巻していた大型の本格クロカンモデル同様に、強い骨格のラダーフレームを採用。悪路走破性を担保するなど、都会的な外観とは裏腹に本格派の四輪駆動車でもあったのだ。

当時のRV車はパジェロのような大型モデルがほとんどでエスクードのようなコンパクトモデルは皆無であった

もっといえば価格設定も見事で、若年層でも手の届きやすい136万4000円〜とあって、絶大なる支持を得た名車である。ちなみに今爆発的ヒットを飛ばしているトヨタ RAV4が誕生したのもエスクードの影響がデカく、それほど人気のモデルだったのだ。現行エスクードは4代目にあたり、製造はハンガリーで行われており、いわば輸入車である。

2016年に国内投入された4代目エスクードはフルモノコックボディを採用し、軽量化に成功するなど時代に即した進化を遂げているのだ

メカニズムの話を簡単にすると、3代目モデルまではラダーフレームを採用していたが、現行モデルからはセダンや軽自動車などと同じフルモノコックボディを採用。従来モデルよりも軽量化を図り、文字通り今流行りの都会派コンパクトSUVへと生まれ変わっている。

じつは売れる要素満載! グレード展開に問題アリ!?

エスクードの年間販売目標台数は1200台でありながら月平均150台を売り上げている。決して大きな数ではないものの堅調に売り上げを伸ばしているのだ

先にも述べた通り、エスクードはコンパクトSUV市場を作り上げたパイオニア的存在である。残念なことに現行モデルは決して売れているクルマではない。その理由は一体なんであろうか?

もう少し安価なグレードを!

エスクードがいまひとつパッとしないもっとも大きな理由は、グレード展開と価格設定にあると筆者は考える。というのも現行モデルは1グレードのみで、価格は270万8200円とこのクラスにしては挑戦的な価格設定である。

ちなみに今売れに売れているトヨタ ヤリスクロスは179万8000円〜と実に100万円近くの差がある。とはいうものの、ヤリスクロスやヴェゼルはハイブリッドモデルが販売の大半を占めており、その観点でいくと価格帯はほとんど同じなのだ。

エスクードは初代モデルから一貫して悪路走破性をひとつのウリにしており、4WDモデルのみの展開となっている。だが、ライバルたちは軒並みFFモデルをラインアップしているため、エスクードよりも価格を抑えられているのだ。

もっとも現行モデルを国内投入した際はFFモデルもあったが、ひっそりと販売を終えている。もし今も200万円台前半のグレードがあれば、もっと台数を稼げる可能性も捨てきれないのだ。

エスクードのアダプティブクルーズコントロールの作動域は40km/h〜であり、低速域には解除されてしまうのは残念

というのもエスクードとライバル車を比べると大きな装備の違いは存在しない。ライバル車同様に衝突被害軽減ブレーキはもちろんアダプティブクルーズコントロールなど先進安全装備も標準となっており、十分な内容なのだ。

細かいことを言えば、ライバルたちは電気式パーキングブレーキを採用しいるのに対してエスクードは古典的なレバー式のサイドブレーキとしている点など、少々古臭い部分もあるのだが。

ハイブリッド追加すればヒットする可能性も

ではなぜヒットに結びつかないのか? もうひとつ考えられるのはハイブリッドモデルの有無である。

先のヤリスクロスやヴェゼルなどは軒並みハイブリッドモデルをラインアップしているが、当のエスクードはターボモデルのみ。今や20km/Lは当たり前の時代にWLTCモードで16km/Lと悪くはないものの、もう少し燃費を伸ばして欲しいところ。

例えばスイフトやソリオに搭載しているマイルドハイブリッドの技術を搭載したモデルを追加するなど、先ほどの内容と被ってしまうが、グレード展開などを見直すべきである。

ここまでエスクードを推す理由は何? 知られざる魅力とは

現行エスクードの主戦場は欧州である。普段から頻繁にアウトバーンなどの高速道路で使用する機会が多いため、高速域での安定性はクラストップレベルだ。

燃料代などのランニングコストを抑えられるハイブリッドはたしかに魅力的だが、それ以上にエスクードを選ぶ価値は十二分にある。

ひとつは走りの良さだ。なにを言っているのだ? と思うなかれ、個人的には走りに定評のあるスイフトよりも機敏に走ってくれると感じている。通常SUVは車高が高いため、高速道路などで揺れが生じてしまう場合が多いが、エスクードはセダン並に安定するイメージなのだ。ヤリスクロスやヴェゼルなど今をときめくモデルたちを圧倒するほどの実力を兼ね備えているのである。

加えて、アダプティブクルーズコントロールの動きも超自然である。40km/h〜と機能をアクティブにできる速度域は限られているものの、減速・加速がライバルよりも抜きん出ていると感じるほどなのだ。

車内はブラックで統一されており、シートに至っては本革&スウェードを用いた上質な仕上がりなのだ

さらに言えば後席の足元空間の広さも見逃せない。ホンダ ヴェゼルほどではないものの、大人が乗っても決して窮屈ではない十分な広さを確保しているのだ。

装備内容などを見てもライバルに引けを取らない完成度なだけに、現状は非常に残念である。かつて大ヒットを飛ばした初代エスクードのように、現行モデルも再び注目が集まることを期待するばかりだ。

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】

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