新型エクストレイルに先行試乗! 2022年初春登場が噂される新型は、初代や2代目を彷彿とさせる名車の予感
MōTA / 2021年7月19日 20時0分
フルモデルチェンジが待たれる日産の人気SUV「エクストレイル」だが、発売前の直3 1.5リッターVCターボエンジンを搭載する北米仕様の新型“ローグ”をベースにした先行テスト車両に乗る貴重な機会を得た。前回はVCターボの機構などをご紹介したが、今回は実際乗って走ってみてどうだったか、その印象を中心にカーライフジャーナリスト、渡辺 陽一郎氏がレポート。新型エクストレイルについて徹底解説する!
日本より先行してフルモデルチェンジを実施済みの北米向け新型エクストレイル(米国名「ローグ」)と初対面!
北米向けの新型「日産 ローグ」と対面する機会を得た。ローグの日本名は「エクストレイル」だが、実は日本よりひと足お先に、2020年フルモデルチェンジを実施済み。北米では直列4気筒2.5リッターエンジンを搭載した2021年モデルを、2020年秋より発売している。 しかし今回乗ることが出来たのは、そのローグに新開発の直列3気筒1.5リッター・VCターボを搭載したプロトタイプ仕様だ。テストコース上で試乗することが出来たので、詳しく紹介する。なお、低燃費とハイパワーを両立できるという新開発VCターボの機構や、走行した際のエンジンフィーリングといった話は、前回のレポートで詳しくご紹介しているので、そちらも併せてご一読いただきたい。
ボディサイズなどは現行型エクストレイルと大きく変わらないが、内装や視界の良さは大きく改善されていた
新型ローグ(以下、新型エクストレイルと表記)のボディサイズと取りまわし性は、現行型のエクストレイルに近い。全長4680mm、全幅1840mm、全高1700mmとされ、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2705mmで現行型と等しい。外観は、丸みを伴う現行型に比べると、水平基調を強めて先代型(2代目や初代エクストレイル)の雰囲気に近付いた。そのために視界が良く、ボディの四隅は現行型よりも分かりやすい。 新型エクストレイルのインパネは、外観同様に水平基調のデザインで統一されている。現行型(3代目エクストレイル)は囲まれ感が重視されてスポーティだが、新型エクストレイルには開放感があり、リラックスできる雰囲気を感じさせる。ATレバーやエアコンのスイッチも、適度な位置に装着されて扱いやすい。
前席の座り心地は、トヨタ RAV4やマツダ CX-5、スバル フォレスターといったSUVカテゴリーの同クラスライバル車に比べ、サイドサポートが少し大きめに張り出した形状だ。肩の周辺まで含めて乗員の体をしっかりと支える。体がシートに収まる感覚も伴う。後席は現行型と同様に足元空間が広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシ2つ半の余裕がある。これだけ広ければファミリーカーとしても使いやすい。荷室の床面積も広く、リヤゲートの角度を比較的立てた影響もあり、背の高い荷物も積みやすい。
新型エクストレイルは、ファミリーカー用途やアウトドア・レジャー用途といったSUVとして求められる実用性の面で、ライバル各車に比べても十分に優れていることを確認出来た。
新型エクストレイルの乗り味はどう変わった!? テストコースで実力をチェック
前置きが長くなったが、さっそく直列3気筒1.5リッター・VCターボを搭載した「日産 新型エクストレイル)」プロトタイプ仕様を、テストコース上で試乗してみよう。テストコースのタイトなカーブを曲がる時、新型エクストレイルは操舵に対する車両の反応が機敏で、比較的素早く向きを変える。旋回軌跡も拡大させにくく、峠道などをスポーティに走りやすい。
その代わり危険を避けるために慌てて車線を変えたりすると、ボディが大きめに揺り返して、後輪の接地性が削がれやすい傾向にあった。これは試乗車が北米向けのローグをベースに造られ、スポーティ感覚を強調した足まわりになっているからだろう。
新型エクストレイルのプラットフォームは、次期三菱アウトランダーと共通の新しいタイプだ。日本仕様は国内での使われ方を考え、操舵感をもう少し穏やかに仕上げるくるだろう。後輪の接地性を高めることで、走行安定性を向上させる狙いだ。
乗り心地については、低い速度域では路上の細かなデコボコを伝えやすいが、大きな段差を乗り越えた時の突き上げ感は抑えている。こちらも北米仕様のスポーティな足回りの設定が影響している事も考えられる。新型エクストレイルの日本仕様の試乗が叶った際に、乗り心地や操縦安定性といった話も改めて詳しくレポートしたい。今回の試乗車に搭載される1.5リッター VCターボエンジンは、単体でも成立するが、新たなハイブリッド車として、同エンジンを活用した新型「エクストレイル e-POWER」が登場する可能性も高い。こちらもかなりの低燃費が期待できそうだ。そのあたりの可能性については、次回のレポートで改めて詳しくお伝えしたい。
[筆者:渡辺 陽一郎(カーライフジャーナリスト)/撮影:NISSAN]
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