約25年の歴史に幕! 後継車が存在しない最後のオデッセイ、“条件付き”だがいまだに買いの1台だ
MōTA / 2021年10月5日 18時0分
ホンダの上級ミニバン「オデッセイ」が2021年12月をもって生産を終了する。1994年10月登場の初代から27年。既に販売店では一部ガソリングレードのメーカーへの注文を終了。ハイブリッドe:HEV車についても間もなくオーダーストップとなり、在庫販売のみとなる模様。期待された後継モデルについて、ホンダからの公式発表はなし。5世代に渡り続いた老舗ミニバンブランドも、静かな終焉となりそうだ。 果たしてモデル末期のホンダ オデッセイは買いなのか。改めて検証してみよう。
ホンダ狭山工場閉鎖に伴い、レジェンドなどと同時に生産終了となるオデッセイ
ホンダは2021年6月、同社埼玉製作所 狭山工場の2021年度中の四輪車生産終了に伴い「レジェンド」「クラリティ」「オデッセイ」を2021年いっぱいで販売終了すると発表した。ホンダの公式Webサイト上でも、クラリティは2021年9月で販売を終了済みと記載。レジェンドやオデッセイについても、メーカーの工場出荷目処の記載欄には『一部タイプ・カラーがお選びいただけない場合がございます。』と表記(2021年10月4日時点)。
このようにホンダでは、既に各モデルの“終活”が動き出していることがわかる。
デビュー7年で内外装を刷新する大規模なマイナーチェンジを実施し、まだまだ現役のオデッセイを廃止する不思議
クラリティやレジェンドは、月に数十台レベルの販売だったから、正直なところ大勢に影響はない。ただしオデッセイについては、2020年11月に内外装のデザインを刷新する大規模なマイナーチェンジを実施したばかりというタイミング。2013年のデビューから8年が経過したとはいえ、2021年1月~8月の8ヶ月で1万4290台(月平均1786台)を販売し、まだまだ現役で活躍中のモデルだった。
アルファードにはない「低床レイアウト」という美点を持つオデッセイ
トヨタ アルファードなど他社のLクラスミニバンにはないオデッセイの特徴は「低床レイアウト」という素性の良さにある。床が低いから乗降がしやすく、重心高も下がるから走行安定性も高い。背高出ない分、車体も軽く出来るから燃費の面でも大きなメリットが得られるなど、低床レイアウトは良い事尽くめなのだ。
2020年11月のマイナーチェンジは、そうした価値をさらに持続するための刷新だった。それからわずか1年あまりでの廃止決定には誰もが驚いた。生産工場の移管コストなどを検討したうえでの決断だったというが、ホンダを代表する老舗ミニバンブランド車種の廃止という事実と相まって、その衝撃度も大きかった。
“絶版車”というリスクを承知した上なら、現行型オデッセイが買いであることに変わりはない
以前オデッセイの記事で筆者は『後継モデルの存続が確認出来るのならば、現行型オデッセイは“買い”に値する推奨モデル』だと記した。後を継ぐモデルがない“絶版車”となると、車両自体の将来的な人気にも影響することが多いからだ。 もちろんS660やNSXのように希少価値が出る車種もあるが、それはレアなケース。基本的にはメーカー自ら「人気がないのでやめました」と宣言しているようなものでもある。数年後の中古車相場やリセールバリュー(再販価値)も大きく左右する。そうした将来が予測しづらい面も含め、全面的に推奨しづらい面があるのだ。しかし残念ながらホンダには、25年近い歴史あるオデッセイというブランドを尊重し、将来的にもその価値を繋いでいごうとする意志はないようだ。せめて『次期オデッセイ』もしくは実質的な後継モデルの存在を表明してくれれば良いのだが、2021年10月4日時点でそのような発表も一切ないのが悲しい。
いずれにせよオデッセイを新車で手に入れるラストチャンスだ
上で記した通り、クルマ自体には罪はない。デビュー8年を迎えてもなお、低重心レイアウトならではの乗降性や走行性能は他メーカーが真似出来ないオデッセイの美点だ。将来的なリセールバリューの面ではやや不安が残るものの、他に真のライバルがいない存在だけに、現行型を手に入れ長く乗るという選択も十分にアリだろう。実際、モデル終了の知らせを聞いたファンの駆け込み需要もあり、オデッセイ人気の根強さを証明しているとも言える。その意味で将来的な人気(リセールバリュー)の不安も少し払しょくされる。
ともあれ10月に入り、メーカーのオーダーストップがいつかかってもおかしくない状況にある。オデッセイが気になる方は迷っている暇はない。一刻も早く販売店に出向き、試乗や見積りを取得するなどして検討してみるのが良いだろう。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:和田 清志・Honda]
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