セダン不遇の時代にスバル WRX S4はなぜ売れた!? その答えは価格と装備を考えるとバーゲンプライスだったから
MōTA / 2021年10月17日 9時30分
スバル 新型WRX S4は2021年冬にも日本で発売される見込みだ。じつは初代WRX S4はセダン不遇の現在において、非常に好調なセールスを記録したモデルでもある。そこで今回はインプレッサ WRXの歴史を振り返りながら、なぜ初代WRX S4はビジネス的に成功を収められたのか? という理由を考えてみたい。
SUV全盛の今、現行WRX S4は大ヒット!
北米で2021年9月10日にスバル 新型WRXが発表され、近いうちに日本にも新型WRX S4として導入される予定だ。2014年に登場した初代WRX S4は日本ではクラウンですらセダンが売れない時代にも関わらず堅調なセールスを記録したのだ。今回はその理由を考えてみた。
WRX S4の歴史は長い! 元祖モデルは2000年にデビュー
初代WRX S4が売れた理由を考える前に、1992年登場の初代インプレッサから始まったWRXを振り返ってみたい。WRXは当時スバルが初代レガシィで参戦していたWRC制覇のため、ザックリ言えばレガシィを小型化したボディに2リッターターボ+4WDというパワートレーンを移植したモデルである。2代目インプレッサ WRXからATモデルを設定
初代インプレッサWRXはWRCにおいて1995〜97年のマニュファクチャラーズ(製造者、メーカー)タイトル三連覇をはじめ大活躍し、2000年に2代目モデルに移行。WRXは初代モデルにATモデルが設定されていたが、ほとんどのユーザーがMTとなるスパルタンなモデルであり、ユーザー層も限られていたのも事実だった。そのため2代目モデルの最後には間口を広げるためWRX STIの大型リアスポイラーを小さなリップスポイラーとし、ゴールド塗装だったブレンボのブレーキキャリパーをブラック塗装とするなどシックな雰囲気にしたWRX STI Aラインを設定。
3代目モデルは豪華装備ながらもリーズナブルな価格設定だった
WRX STI Aラインは2007年登場の3代目モデルにも09年に追加された。3代目モデルのWRX STI Aラインは5速ATと組み合わされる2.5リッターターボを搭載し、ブレンボのブレーキキャリパーなどが標準装備されない代わりに価格は315万円〜とリーズナブルな魅力あるモデルだった。>>
現行WRX S4からインプレッサと決別! 新世代スポーツセダンに生まれ変わった
そして3代目モデルで本格化したAラインの後継車的となったのが、初代WRX S4である。WRXは3代目モデルの途中からWRX STIとなり、インプレッサから独立したモデルとなった。2014年登場のVA系から4ドアセダンのみとなる初代WRXに移行したのだ。エンジンはレヴォーグで実績のある2リッターターボを搭載
初代WRX STIはモータースポーツで即戦力となる必要もあった。そのため、パワートレーンは実績のあるEJ型2リッターターボ+DCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)付6速MTを踏襲。
またこの時点で初代レヴォーグにも採用されていた新開発のFA型2リッターターボ+CVTというパワートレーンが存在していた。このパワートレーンを積み、アイサイトも付くモデルとしてWRX S4が生まれたのだ。
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初代WRX S4はコスパ最強モデルだった! 新型モデルも良さを生かしつつも進化に期待
初代WRX S4は全回転域でパワフルなFA型2リッターターボとCVTの組み合わせにより楽で速く、乗って楽しいモデルでもあった。サーキットでのスポーツ走行でCVTの油温がオーバーヒートする以外走りは文句なしだったのだ。それでいて巡行燃費は良好、4WDとアイサイトによりスバル車らしくグランドツーリング性能や快適性も高かった。加えて登場時の価格は約335万円〜というリーズナブルなうえに商品力が高く、堅調に売れたのもよく分かる。
それだけに筆者の周りには筆者のボスで初代WRX S4をラリー車にした国沢光宏氏をはじめ、周りにオーナーが3人ほど浮かぶくらい初代WRX S4は魅力あるクルマだった。
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新型WRX S4はアイサイトも大幅進化へ
というようにDNAを初代モデルで確立したWRX S4。だからこそ新型WRX S4にも初代、もっといえば歴代モデルの魅力を保ち続けてほしいところ。そしてレヴォーグや新型レガシィ アウトバックなどに採用されている予防安全技術「アイサイトX」を採用するなど、スバルが持つ最新の技術を搭載することに期待したい!【筆者:永田 恵一】
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