朗報! 偽物まで存在した、名門スクーターブランド「ランブレッタ」が大復活!
MotorFan / 2018年3月8日 12時10分
ベスパを筆頭とした外国製スクーターを得意分野としている筆者にとって、個性的なスクーターはやはり食指が動く。そんなだから歴史やヒストリーまで兼ね備えたメーカー/ブランドなら、なおさら生唾ゴックンものだ。そんなだからEICMA2017でのランブレッタ大復活劇は青天の霹靂級の出来事だった……。(REPORT:大家伝)
1947年に生産が開始したランブレッタ
かつて一世を風靡したイタリアンスクーターブランドであるランブレッタをご存知だろうか? モッズファションに身を包み、スタイリッシュにキメたスクータリスト御用達のイタリアンスクーターである。
ランブレッタの製造メーカーは1933年に金属加工工場として創業したイタリアのイノチェンティ社で、ランブレッタスクーターの製造販売は1947年のモデルAという機種から。そして順次改良を施したり、バリエーションを増やし、現在でも人気が高いTVシリーズやLiシリーズなどをリリースしていく。人気が高いと言ってもイノチェンティ社としては1971年を最後にランブレッタの生産を終え、スクーター製造業からも撤退しているので、TVシリーズにしてもLiシリーズにしても新車は手に入らない。
話は少し前後するが、イノチェンティ社はイギリスの自動車メーカーブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)と提携、オースチンA40という4輪車のライセンス生産を開始する。それが1960年あたりのことだったが、イタリアンブランドでありながらランブレッタがイギリスで認知されるようになったのもこうした背景があったから。しかもこの頃にイギリスを発祥とするモッズカルチャーが一大ムーブメントとなったこともあり、このムーブメントに乗っかるかのようにランブレッタはモッドたちから支持され、一気に世界的な人気スクーターへと上り詰めたのだ。
モッズブームとの相乗効果もあって、一躍人気スクーターの座を射止めたランブレッタ。しかし前項で触れているように、イノチェンティ社としては1971年を最後にランブレッタの生産を終えてしまっている。ただ全盛期には世界各地でライセンス契約を結んだメーカーがランブレッタスクーターを生産していた事実があり、イノチェンティ社がスクーター製造から撤退した後も一部で生産が継続されていた時代があった。とくにインド・SIL社(スクーターズ・インディア・リミテッド社)は1990年代まで残余部品による組み立てを続けていたが、それも終了した後にはランブレッタの正しいブランドを継承する商品が途絶えてしまっていた。
なお2010年に復活したかのように喧伝されたランブレッタは、商標とブランドを無断使用した全く関係のない偽物だったためイノチェンティ社から訴訟を起こされ敗訴している。
……とまあ、ここまでが前時代のランブレッタヒストリーといったことになるのだが、なんと(!)2017年のEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)でランブレッタが新型モデルを引っさげて復活を果たしたというではないか。このニュースには正直心が踊った。そしてなぜこのタイミングなのかという疑問もあった。
じつはランブレッタ・ブランドを所有するイノチェンティ家はその資産管理会社をスイスに置き、世界のランブレッタ類似商品の製造および名称使用の差し止めに着手していたのだという。それがようやくブランドの一本化を完成させ、オーストリアのKSR Group GmbHと共同出資することで改めてLambretta GmbH(ランブレッタ有限会社)を2017年に設立するに至った。
そう、こうした理由で2017年の復活となったワケだ。この新生ランブレッタこそ本家筋となり、正当なランブレッタ・ブランドを引き継ぐ唯一のメーカーだ。そんなだからニューモデルとしてお披露目されたVスペシャルシリーズにも興味が湧くというもの。
しかもEICMAでの発表直後には欧州圏はもとよりオーストラリア、ニュージーランド、韓国、シンガポール、タイ、ブラジルなど、約50カ国で契約交渉が完了しているというアナウンスも流れたため「日本でのデリバリーはあるのか?」というところも気になっていた。
◎EICMA2017の新生ランブレッタブース
そんな折り、ついに日本国内へのデリバリーを担当するというアナウンスがサイン・ハウスより流れたのである。サイン・ハウスといえばインカムのB+COMを始めとし、バイクパーツ&バイク用品を扱っているので輸入品の扱いには慣れているといえる。ひとまずは今春の東京モーターサイクルショーへの出展を予定しているというので、新生ランブレッタ・Vスペシャルシリーズが気になるという向きはチェックすることをオススメする。
以下は輸入元となるサイン・ハウスによるアナウンス全文。
(株)サイン・ハウスではこの歴史あるスクーター・ブランドの個性、美しくしかし合理的なデザイン、先進的な技術、何よりもこれだけリッチなブランドでありながら日本では手付かずの状態であったことに注目し、Lambretta GmbHと直接交渉。日本における総代理権並びにブランド使用権を独占することに成功しました。Lambretta GmbH社では、昨年のEICMAで発表されたニューモデル、V50/V125/V200の3機種の生産を2018年2月下旬より開始。㈱サイン・ハウスでは、3月23日から開催される東京モーターサイクルショーでこれらをいち早く入手し展示・発表する予定です。すなわちこの場が日本市場におけるランブレッタ・スクーターの復活の日となり、日本のプレミアム・スクーター・マーケットの全く新しい1ページがめくられる日となるのです。
(株)サイン・ハウスにとって、車両の取り扱いはその30年を超える社歴の中でまったく初めてというわけではありません。とはいえ、特に近年はオートバイを愛するお客様のためのオリジナル商品、なかでもモーターサイクル・インターコム市場の占有率50%を超えるブランドとして愛され選ばれてきたB+COM(ビーコム)をはじめとする商品群を企画、製造する「マニファクチャラ(メーカー)」として成長してまいりました。今回のランブレッタ社との契約は、こうしたアクセサリー・メーカーとしての生い立ちに、全く新しい車両インポーターとしての側面を加える、新しいチャレンジとなります。これまで培ってきたサインハウスならではの手厚いライダーサポート、質感の高い商品、類似するもののないデザインを大切にしながら、ほかの車両インポーターにはまねのできない新しいスクーターの扱い方を提案していく予定です。ぜひご期待ください。
以上、次回の後編ではV50/V125/V200をそろえる新生ランブレッタ・Vスペシャルシリーズについて詳しく紹介する予定だ。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
イタルジェット「ドラッグスター300」日本導入最大排気量の“羽付き”モデルを日本初公開【東京MCS2024】
バイクのニュース / 2024年3月27日 6時10分
-
カワサキはネオクラシックで勝負 !東京モーターサイクルショーで「メグロS1」と「W230」を正面に展示
よろず~ニュース / 2024年3月25日 18時40分
-
往年の名車が復活、ホンダ『CB1000ホーネット』日本上陸…東京モーターサイクルショー2024
レスポンス / 2024年3月22日 16時46分
-
ノスタルジーを感じたい! ネオレトロなフォルムを持った原付二種モデル5選
バイクのニュース / 2024年3月21日 9時10分
-
カワサキ「Z7 Hybrid」2機種目のストロングハイブリッドモデルを6月に発売
バイクのニュース / 2024年3月20日 7時10分
ランキング
-
1朝食の有無で「人生の収支」が変わる…東北大の調査でわかった「朝食と年収&就職先」の驚きの相関関係
プレジデントオンライン / 2024年3月28日 7時15分
-
2「友だちの輪」誕生のきっかけにあの世界的巨匠 ハプニングの宝庫「笑っていいとも!」の魅力
東洋経済オンライン / 2024年3月28日 14時0分
-
3「回転寿司」でよく食べているネタは? ハマチ・ブリ、マグロを上回った第1位は?
オトナンサー / 2024年3月28日 8時10分
-
4「アメリカの最悪の事態はこれから訪れる」世界最高の知性による未来予測。超富裕層が「人を買い」、裁判や司法制度における不平等が経済主体に
集英社オンライン / 2024年3月28日 8時0分
-
5【ダニまくら】「3週間以上カバーを洗濯していない枕」で寝ている人の割合は?
マイナビニュース / 2024年3月28日 15時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください