ローム:業界初、赤色で完全銀レスを実現した高光度LED「SML-Y18U2T」を開発
MotorFan / 2018年3月14日 16時35分
ロームは、車載向けストップランプなど過酷な環境下で使用されるアプリケーションの信頼性向上に貢献する、赤色で業界初の完全銀レス高光度LED「SML-Y18U2T」を開発した。今回開発した製品は、従来銀が使用されていたダイボンディングペースト、フレームなどに金などの別材料を採用することで、完全銀レス化を実現。これにより、銀腐食が原因で起こるLEDの点灯不具合が解消され、アプリケーションの信頼性向上につながる。例えば、従来品と新製品をそれぞれ240時間(10日間)、硫化試験条件下で使用した場合、約40%光度残存率を改善することが可能。
近年LED化が進んでいる車載向けのストップランプでは、LEDの搭載数を減らすため、高光度製品に対するニーズが高まっている。一方、過酷な使用環境下で電子部品が使用される自動車や産業機器分野のアプリケーションにおいては、環境ストレスにより金属材料が腐食する硫化(銀などの金属の表面に、自動車や工場の排ガスにも含まれている空気中の硫黄水素が作用し、黒ずんでいくこと)が経年劣化の主な原因となっており、信頼性を確保するために硫化対策が必要不可欠となっている。
これまで、素子ダイボンディング(個々の半導体素子を装置でピックアップし、銀ペーストなどの接着剤を塗布して、その上に固着すること)に用いられるペースト部の黒変が、LEDの光度低下を招いていた。しかし、ロームは素子からパッケージングまでの一貫生産を強みに、ダイボンディングに金スズ(AuSu)、ワイヤーに金、そしてフレームに金パラジウム(AuPd)を採用し、完全銀レス化を実現。これにより、耐硫化性と高光度の両立が可能となる。
銀メッキフレームおよび銀ペーストを使用した従来品が、硫化試験において1サイクル(24時間)後に70%、10サイクル後に60%と時間が経つにつれて光度残存率が低下していくのに対し、新製品は10サイクル(240時間)後もほぼ100%の高い光度残存率を維持できる。
アプリケーションとしては、車載のエクステリアおよびインテリア、屋外表示機器、産業機器などを想定している。
なお、本製品は、2月よりサンプル出荷(サンプル価格 200円/個:税抜)を開始し、2019月4月より月産100万個の体制で量産を開始する予定。前工程はローム株式会社本社(京都市)、後工程はROHM Semiconductor (China) Co., Ltd.(中国)およびROHM-Wako Electronics(Malaysia) Sdn.Bhd.(マレーシア)。
また、3月6日(火)~9日(金)に東京ビッグサイトで開催される「LED NEXT STAGE」のロームブースでも展示する予定。
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