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新型ルノー・メガーヌR.S. コンベンショナルな技術を磨き上げたからこそ手に入る動きの素晴らしさ

MotorFan / 2018年9月9日 9時55分

新型ルノー・メガーヌR.S. コンベンショナルな技術を磨き上げたからこそ手に入る動きの素晴らしさ

第3世代となる新型ルノー・メガーヌ ルノースポール(R.S.)。メガーヌR.S.といえば、FF世界最速を狙う本気のスポーツモデルだ。ニュルブルクリンク北コースで、ホンダ・シビック タイプRとFF最速ラップを競い合う好敵手なのだ。ルノーの(ルノースポールの)本気が詰まったメガーヌR.S.をジャーナリストの世良耕太氏が、箱根で試乗した。 TEXT & PHOTO●世良耕太(SERA Kota)


 ルノー・メガーヌR.S.と初めて対面したのは2017年のIAA(フランクフルトモーターショー)だった。ひと目惚れだった(特段めずらしいことではない)。動力性能も運動性能もベース車に対して高められてはいるが、それをこれ見よがしにしていないところがいい。車幅はフロントがベース車に対して+60mm、リヤは+45mm拡幅されているが、何かを付け足してワイドにしてはいない。オリジナルのフォルムになじませた拡幅である。

IAAフランクフルト・モーターショーで初対面したルノー・メガーヌR.S.


 着ているスーツは同じだが、それを身にまとっているのがフツーの人ではなく、鍛え上げたアスリートになったようなものだ。二の腕部分の張りから服の下の筋肉の盛り上がりが想像できてしまうような感じ、といえばいいか。



 シートは上半身を包み込むような形状だ。緊張を強いるような圧力は感じないが、ただのハッチバックではないぞ、というメッセージを接触部分からドライバーに伝えてくる。スタートボタンを押すと、戦意を高揚させるようなリズムでもってエンジンが息をし始める。もうこの時点で「参りました」という感じだ。

「おや?」と思ったのは、Dレンジに入れ、クルマを転がすような感じで発進させた直後のことである。剛性の高い構造体に包まれている感じは動き出しの一瞬から伝わってくるのだが、覚悟したほどの強い硬さは感じない。


 おすすめにしたがい、伊豆スカイラインに進路をとった。この有料道路にはコーナーのところどころに特殊な舗装が施してある。洗濯板のような処理になっており、要するに「飛ばすな」ということだ。この洗濯板ゾーンに差し掛かると、ダダダダという音と振動が車体と乗員を襲う。メガーヌR.S.のようなハイトの低いスポーツタイヤ(前後245/35R19)を履き、脚を固めたクルマの場合、「食後はちょっと勘弁して」となるだろうなきっと、という予測が立つ。

 ところが、なんともないのである。ダダダダという音はするが、胃の内容物が逆流するようなショックはなく、ただ、突起を乗り越えているインフォメーションを乗員に伝えるのみだ。スバラシイ。

 聞けば、メガーヌR.S.は日本の道を走り、そこで得た知見を足腰のチューニングにフィードバックしたのだという。先代メガーヌR.S.では行なっておらず、初めての取り組みだった。日本のマーケットを重視している証拠で、それだけ先代メガーヌR.S.は日本で売れたということだ。我々は新型メガーヌR.Sのスバラシイ乗り味に関し、先代メガーヌR.Sのオーナーに感謝しなければならない。ありがとうございます。






 開発陣は首都高を走り、東名や新東名を走り、富士スピードウェイや鈴鹿サーキットや袖ケ浦フォレストレースウェイを走り、箱根周辺を走った。彼らの印象に残ったのは、首都高の段差や高速道路のうねり、そして、日本のカントリーロードはヨーロッパに比べて法定速度が低く設定されていることなどだったという。そうした、日本ならではの環境も考慮に入れて、サスペンションはチューニングされている。ありがたい話で、だから、メガーヌR.S.と箱根はとても相性がいい(東名・新東名や首都高もぜひ確かめてみたい)。

 フロントサスペンションはストラット式で、リヤはトーションビームアクスル(TBA)だ。Cセグメントのハッチバック車としてはごく一般的な構成で、ベース車と同じ。顕著な違いはダンパーで、メガーヌR.S.は4輪ハイドローリック・コンプレッション・コントロール(HCC)を搭載している点だ。

 HCCはダンパー底部にセカンダリーダンパーを内蔵しているのが特徴。ダンパーが縮んで(バウンドして)ストローク終端部に近づくと、セカンダリーダンパーのピストンが減衰力を発生し、のストロークを制限する。バンプストッパー領域もきっちり変位を制御しようとする発想で、ピストンの先にある突起がストローク終端部の筒に入っていくと、行き場を失ったオイルが筒の表面にある微細な穴を通して外側に漏れていく。オイルが外側に漏れていく動きが減衰力になる。

 ストロークにまだ余裕がある領域では穴が大きく、(メインの領域よりは強いが)減衰力は弱め。ピストンが終端部に近づくにしたがって穴は小さくなってオイルは通りにくくなり、減衰力は強くなる仕組み。しっかりストロークを使いながら、大きな荷重が掛かった際のコントロール性を確保しようというわけだ。その意図は伊豆スカイラインで確かめることができたような気がする(攻め切れていない気もするが、それだけクルマの懐が深いという言い方もできるような……)。

 ちなみに、HCCはKYB製。ルノーの要求するスペック(性能だけではなくコスト面も含めて)を満たすことができたのがKYBだったということのよう。電子制御で減衰力を可変制御する技術も世の中にはあるが、メガーヌR.S.のようなクラスで採用するにはコスト面でハードルは高い。でも、車両運動性能は高めたいという欲求を、電子制御に頼らず成立させたのがHCCというわけだ。


 TBAよりマルチリンク、コンベンショナルなダンパーより電子制御ダンパーのほうが上位だと思いがちだが、そうとは言い切れない。要は何を求め、どう到達させるかだ。コンベンショナルな技術を磨き上げたからこそ手に入る動きの素晴らしさを、メガーヌR.S.は味わわせてくれる。


ルノー・メガーヌR.S.
全長×全幅×全高:4410×1875×1435mm ホイールベース:2670mm 車両重量:1480kg エンジン形式:直列4気筒DOHCターボチャージャー 総排気量:1798cc ボア×ストローク:79.7×90.1mm 最高出力:205kW(279ps)/6000rpm 最大トルク:390Nm/2400rpm トランスミッション:6速DCT タイヤサイズ:245/35R19 車両価格:440万円

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