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富士通セミコンダクター:EEPROMの高性能互換となる不揮発性メモリ、 4Mビット シリアルFRAMを開発

MotorFan / 2018年9月10日 15時30分

富士通セミコンダクター:EEPROMの高性能互換となる不揮発性メモリ、 4Mビット シリアルFRAMを開発

富士通セミコンダクターは、シリアルインターフェースの最大メモリ容量である4MビットFRAM(注)「MB85RS4MT」を開発し、9月から量産品を提供している。MB85RS4MTは、エッジコンピューティングの拡大、センサー情報のデータ量の増大という環境の変化により、既存のEEPROMを使用している顧客からの「書換え回数を増やしたい」「書換え時間を短くしたい」「メモリ容量を増やしたい」という要求に応えて開発された。本FRAMは、ドライブレコーダ/運行レコーダ、ロボット、工作機械、計測装置、メーター、民生機器などリアルタイムでの頻繁なデータログが必要とされる、あらゆるアプリケーションに最適だ。

 富士通セミコンダクターはシリアルインターフェースのFRAMファミリーでは最大メモリ容量である4Mビット品「MB85RS4MT」を開発し、ラインナップに追加した。同社の不揮発性メモリ「FRAM」は、高書換え耐性、高速書込み、低消費電力の特長をもち、約20年の量産実績がある信頼性が高いメモリ。本製品の書換え保証回数は、同じ不揮発性メモリのEEPROMと比較すると約1,000万倍の10兆回のため、書換え回数が設計のボトルネックになることはない(図1)。今般のエッジコンピューティングにおけるセンサー情報を、頻繁に記録するためのメモリとして最適だ。

 また、データ書込み動作では、EEPROMやフラッシュメモリは書込み時間に加えてセクターの消去時間が必要になるが、FRAMは消去をせずに上書きのみとなるため、高速書込みを実現している。これにより、データ書込み中に瞬断などの電圧低下が発生した場合でも、FRAMは書込み中のデータを保護できる(図2)

(左)図1:書換え回数比較、(右)図2:書込み時間比較(電圧低下時)

 さらに、本FRAMの動作電圧は1.8Vから3.6Vまでのワイドレンジのため、顧客製品に内蔵されているメモリ周辺の電子部品が1.8V、または3.6V動作品のどちらでも対応できる。動作電流は、1MHz動作時が最大250μA、スタンバイ電流は最大50μAと非常に少なく、低消費電力化を実現している。

 パッケージは、既存のEEPROMと置き換え可能な8ピンSOPのため、顧客製品の設計を大幅に変更することなく本新製品に切り替えられる。

【主な仕様】
製品名:MB85RS4MT
容量(メモリ構成):4Mビット(512K x 8ビット)
インターフェース:SPI(シリアル・ペリフェラル・インターフェース)
動作周波数:最大40MHz
動作電源電圧:1.8V~3.6V
動作温度範囲:-40℃~+85℃
書込み/読出し保証回数:10兆回(1013 回)
パッケージ:8ピンSOP

 富士通セミコンダクターは2018年4月に「-55℃動作のFRAM」、6月に「8MビットパラレルFRAM」、そして今回「4MビットシリアルFRAM」を開発して、市場に投入してきた。今後とも同社では、顧客の課題を解決するため、さまざまなアプリケーションに最適化したメモリ製品の開発を継続し、ラインナップの充実を進めていく。

FRAM: Ferroelectric Random Access Memory
強誘電体メモリ。強誘電体膜をデータ保持のキャパシタに利用したメモリ。電源を切っても内容を保持する。データの高速な書込み動作、低消費電力、書換え回数が多いといったROMとRAMの長所をあわせ持つ。FeRAMとも呼ばれる。同社では、1999年より量産開始。

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