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今のホンダ車で最上のハンドリング! クラリティPHEVのシャシーをじっくり研究

MotorFan / 2018年9月20日 15時0分

今のホンダ車で最上のハンドリング! クラリティPHEVのシャシーをじっくり研究

ホンダの他車との共用を考えることなく、燃料電池車、EV、PHEVのクラリティ3モデルのためだけに用意されたプラットフォームには独自の制約もあった。それを逆手に取り、ハンドリングを磨き上げることに成功したシャシー周りのコンセプトを見る。

 電動パワートレーンを搭載したホンダのクリーンカー「クラリティ」シリーズは燃料電池車、PHEV、アメリカ市場に投入されているEVの3モデルが共通のプラットフォームを使う。水素タンクや複雑な電気系を守るために、フロントからリヤまで一直線に伸びるストレートフレームが特徴で、基本骨格はこのクラリティシリーズ専用という、現在の量産乗用車としては非常に贅沢な仕様となっている。

床下に搭載されるリチウムイオン電池などを保護するための太いフレームが特徴。

 大容量の駆動用バッテリーを積むために、車両重量もPHEVで1850kgと重い。そこで開発陣はハンドリングに関して「ネガティブをポジティブに」というコンセプトを掲げた。重量物のバッテリーは可能な限り低くレイアウトすることで車両の重心高を下げることにも利用。強化されたボディはサスペンションの支持剛性を高めるためにも有効に利用する設計としたのだ。



上の図版で青で示した部品がアルミ鍛造製となっている。

 ハンドリングのイメージは「フライングカーペットライド」を狙ったという。車体の姿勢変化が少ない、ドライバーと一体感ある乗り味だ。まず前後のサスペンションはクラリティ専用に新開発されたもので、形式こそフロントがストラット、リヤがマルチリンクという他車でも見られるタイプだが、各部の軽量化を重視し贅沢な構成としている。フロントのロワアームとタイロッド、リヤのすべてのアームをアルミ鍛造製とし、大幅な軽量化を実現。リヤは独特の長いアーム配置により高い支持剛性と、穏やかなアライメント変化も得た。


高級スポーツカーのようなフロントサスペンション。
リヤサスのアーム後端にはスキッドプレートが。

 フロントサスペンションを車体下部から見ると、厚みも確保されたロワアームの形状は、いかにも剛性が高そうな印象。アルミ鍛造パーツの美しさも目を惹く。リヤサスペンションの下側、後方のアームはタイヤの外周よりも後ろに配置されているため、後退時に駐車場の輪止めなどにタイヤより先にアームが接触してしまう可能性を考慮し、スキッドプレートを装着している。


リヤサスペンションを真上から見た図版。
真横から見ると、アームがタイヤの後ろに位置する。

 リヤサスペンションのアーム配置は、燃料電池車の大きな水素タンクやPHEVのIPU(インテリジェントパワーユニット)などを避けるために後部のロワアームが後方に下がっている。この構成を取るためにロワアームの前後の支持スパンが広がり、トー剛性は従来の構造のものより約1.6倍に向上したという。


アルミ製のフロントサブフレーム。

 フロントのサブフレームは、ホンダが二輪車用フレーム製造で培ってきたアルミ中空ダイキャスト製法の技術を活用したもので接合レスの中空閉断面構造によって薄肉化し、従来工法比で約20%の軽量化を達成した。リヤサブフレームも大型の井桁形状を持つアルミ製として、高い横剛性を確保しつつ軽量化している。



 このような設計により、クラリティPHEVのハンドリングはある意味、パワートレーン以上に新世代の乗用車を感じさせるものだ。路面の変化をばね下がスムーズに吸収しつつ、高い後輪の接地性により直進安定性も高い。それでいてステアリング操作に対し俊敏にノーズが反応し、ドライビングファンも十分なもの。588万600円という車両価格から購入リストに載せにくいかもしれないが、ぜひ一度、試乗することをお勧めしたい。

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