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ドイツで大規模ハイブリッド蓄電池システムを完成、11月に実証運転開始

MotorFan / 2018年11月6日 11時50分

ドイツで大規模ハイブリッド蓄電池システムを完成、11月に実証運転開始

NEDOと日立化成、日立パワーソリューションズ、日本ガイシは、ドイツのニーダーザクセン州ファーレル市で大規模ハイブリッド蓄電池システムを完成させ、2018年11月1日より実証運転を開始する。

 本システムは、特性の異なる2種類の蓄電池(リチウムイオン電池とナトリウム硫黄電池、合計容量11.5MW/22.5MWh)から構成される。高出力・大容量で充電・放電が可能なシステムとすることで、電力需給バランスの調整をより経済的に実現し、再生可能エネルギーの大量導入が進んだ電力系統の安定化に貢献することを目指す。 実証運転は、近年、風力発電の導入量が拡大しているニーダーザクセン州で行い、本システムの効果を検証する。また、本システムを用いた新しい電力取引の事業モデルも検証する。

 実証運転では、高出力の充電・放電が可能な日立化成のリチウムイオン電池(容量7.5MW/2.5MWh)、大容量で長時間の充電・放電が可能な日本ガイシのナトリウム硫黄電池「NAS電池」(容量4MW/20MWh)の2種類の電池、日立パワーソリューションズの系統情報制御システム*1を用いて構築した大規模ハイブリッド蓄電池システムが、電力安定化に有効であることを検証する。系統情報制御システムは、両電池の運用管理に加え、EWE AGの電力取引システムと連携して電力需給情報をやりとりすることで、各機能の効率的な運用を可能にする。

 また、本システムを稼働し、従来の火力発電代替機能としての需給調整(Primary Control Reserve*2供給、Secondary Control Reserve*3供給)、バランシング・グループ*4内でのバランシング*5、ローカルな電圧安定化に寄与する無効電力供給*6の各機能を実現し、EWE AGグループの電力取引システムを通じた電力取引を行う。さらにeneraプロジェクト*7と連携し、ドイツ側の需給リソースと組み合わせたVirtual Power Plant(VPP)*8を構成することで、その電源も電力取引に活用する。 本システムにより、電力需給バランスの調整をより経済的に実現し、再生可能エネルギーの大量導入が進んだ電力系統の安定化に貢献することを目指す。

*1 系統情報制御システム
電力系統からの電力の需給バランスの情報を解析し、蓄電池の充電・放電を制御するシステム
*2 Primary Control Reserve
需給状況の変化に応じ、需給調整のために計画的に確保される電力で、自動応答30秒以内で発動する機能
*3 Secondary Control Reserve
需給状況の変化に応じ、需給調整のために計画的に確保される電力で、送電事業者の指示により5分以内で発動する機能
*4 バランシング・グループ
ドイツには発電事業者や電力需要家で構成される電力需給調整を行うグループが複数存在し、グループごとの需給調整責任者は電力の需要と供給が一致するよう調整している。このグループをバランシング・グループという。
*5 バランシング
事前の電力需給計画に対し、実際の需給バランスとの偏差を低減し、バランシング・グループ内のインバランス電力を低減する機能。インバランス電力とは需要量と供給量の差で、この差にペナルティーが課せられる。
*6 無効電力供給
電力系統の周波数および電圧安定化などの代表的な系統安定化サービスのうち、ローカルな電圧安定化を行う機能
*7 eneraプロジェクト
EWE AGが代表幹事を務めるニーダーザクセン州におけるドイツ・エネルギー政策に取り組む大規模再生エネルギー導入対策プロジェクト(ドイツ連邦経済エネルギー助成プロジェクト)
*8 Virtual Power Plant(VPP)
各地に分散している発電システム、蓄電システム、省エネシステムなどを、IoTを活用して統合制御し、あたかも一つの発電所のように機能させること

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