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真っ向勝負! オーナーだからこそわかる、メルセデス・ベンツ新型AクラスはVWゴルフ7と比べて、どうか?

MotorFan / 2018年11月13日 14時40分

真っ向勝負! オーナーだからこそわかる、メルセデス・ベンツ新型AクラスはVWゴルフ7と比べて、どうか?

マイカーとして、CセグのベンチマークたるVWゴルフを乗り継いできたジャーナリスト、世良耕太が、メルセデス・ベンツのエントリーカー、Aクラスに試乗。VWゴルフ(現行ゴルフ7)と新型Aクラスを比較した。新型Aクラスは、Cセグ標準器ゴルフに対して、どこが優れているのか? 
※試乗車は正式発売前にナンバーを取得した並行輸入モデルとなり、プロトタイプの位置づけ。今後、全方位的にアップデートされたものが日本仕様として導入される予定であり、本来の日本仕様とは細部が異なる可能性があることをご了承ください(MF編集部)

TEXT◎世良耕太(SERA Kota)

 気がつけば20年近くCセグメントのクルマに乗っているので、どうしても自分がふだん乗っているクルマとの対比で新型Aクラスを眺めてしまう。目の前にあるサンプルはA180スタイルだ。車両本体価格は362万円(税込)である。上級グレードであり、かつ、AMGレザーエクスクルーシブパッケージやレーダーセーフティパッケージ、ナビゲーションパッケージなど、5つのオプションが107万円分装着されている。

比較対象はVWゴルフ40thエディションだ。もっともベーシックなトレンドラインにインフォテインメントシステム「Discover Pro」やバイキセノンヘッドライト、オートライトシステムなどをセット装着した限定車である(2016年登録)。車両本体価格は276万円(税込)だ。

車検証に記載してある数値を列記しておこう。

メルセデス・ベンツA180スタイル


長さ×幅×高さ442×180×142cm 車両重量1440kg 前前軸重890kg 後後軸重550kg 総排気量1.33L

VWゴルフ40thエディション


長さ×幅×高さ426×180×148cm 車両重量1240kg 前前軸重770kg 後後軸重470kg 総排気量1.19L

 カタログ記載の数値も一部抜き出しておこう。

メルセデス・ベンツA180スタイル
エンジン最高出力/最大トルク100kW/200Nm 燃料タンク容量43L ホイールベース2729mm タイヤサイズ225/45R18

VWゴルフ40thエディション
エンジン最高出力/最大トルク77kW/175Nm 燃料タンク容量50L ホイールベース2635mm タイヤサイズ195/65R15

新型メルセデス・ベンツAクラスA80スタイル

VWゴルフ40thエディション

 比較対象のゴルフは極めてベーシックな仕様なのに対し、Aクラスは極めて豪華(先進安全技術も含めて)な仕様ということになる。新型Aクラスは現行ゴルフに対して16センチ長いが、初対面の際に「デカッ」という印象は受けなかった。この時点で、「取り回しに困りそう」という心理的なハードルは取り除かれたことになる。

 前後のドアとテールゲートを閉めたときの音は、ゴルフのほうが建て付けの良さと重厚感を感じさせる。といってAクラスのドア/ゲートが安っぽい音を立てるというわけではなく、音質を作り込む際の狙いの違いだろうか。

 運転席に収まる。旧Aクラスに乗り込んだ際も、フロントウインドウの天地が狭く、穴蔵にもぐり込んで狭い覗き穴から外を眺めるような感覚を覚えたものだが、新型Aクラスも似たような感じだ。といって、視界に不足はない。というより、全方位、よく見える。あくまで、もぐり込んだような感覚を味わうにすぎない。

 ステアリング右側に隠れているように配置されているボタンを押してエンジンを始動させる。さすがにEクラスやSクラスと同様というわけにはいかず、4気筒のエンジン音は容赦なく室内に侵入してくる。Cセグメントの標準といったところだろうか。アイドリングストップからの復帰は充分に速く、ドライバーをイラつかせることはない。

メルセデス・ベンツ新型A180の1.4ℓ直4直噴ターボ

VWゴルフ40thエディション

A180はルノーと共同開発した新しい1.4ℓ・直4直噴ターボエンジンを横置きに搭載し、7速DCTを組み合わせる。一方、比較対象のゴルフは1.2ℓ・直4直噴ターボエンジンと7速DCTの組み合わせだ。ゴルフのほうが非力(−23kW)だが、200kg軽い。逆にいえば、A180のほうがパワフルだが、200kg重い。

 非過給で走らざるを得ない発進〜微低速のもたもたした感じは似たり寄ったりだ。そこから市街地での巡航スピードに至るまでの力加減も似たり寄ったりで、ややA180に分があるかなという印象だった。高速道路への流入や、高速走行中の急な上り坂で加速するようなシーンでは、明らかにA180のパワーとトルクの絶対値の高さを認識した。充分にスポーティな走り(加速の面で)に対応する。

 横置きのパワートレーンが前車軸より前方に大きくオーバーハングしているのを見たからではないが、ステアリングを切り込んだ際の頭の入りはゴルフとの相対比較として、やや鈍い印象だ。ゴルフは第7世代になってステアリングが軽くなったせいもあるのだが、そのゴルフVIIと比較してみると、Aクラスのステアリングは動かしでのある感触である(重いというほどではない)。

 A180の100km/h走行時のエンジン回転数は1800rpm前後だった。ゴルフは2100rpm前後である。今回の短い夜の試乗では、新宿の東の外れから横浜の大黒PAまで行って、戻って来た。約80km走って平均燃費は19km/ℓ台。往路の首都高走行中に20.0km/ℓに達したのを目視した。フィーリング的には、比較対象のゴルフといい勝負である(200kgも重いのに)。


メルセデス・ベンツ新型A180スタイルの前席

VWゴルフ40thエディションの前席

メルセデス・ベンツ新型A180スタイルの後席

VWゴルフ40thエディションの後席

 身長184cmの筆者が運転席に座ってポジションを合わせ、その状態で後席に乗り込んだときの膝前スペースは、ゴルフに分がある印象。Aクラスは許容範囲ぎりぎりといったところだ(ま、サンプルの乗員が規格外ではあるが)。頭や肩回りは窮屈に感じないし、閉塞感も感じず、乗り心地は試していないのでなんともいえないが、居住性面では苦言を呈すべき材料は見あたらない。

 気になるのはラゲッジスペースの使い勝手である。なぜかというと、年に数回は20kg級の大型スーツケースを積み込んで移動するからだ。開口部の下端は低いほうがいいし、開口部とラゲッジスペースの段差はない(あっても小さい)ほうがいい。積み降ろしが楽だからだ。

A180スタイルのラゲッジスペース

VWゴルフ40thエディションのラゲッジスペース

 その点、新型Aクラスは合格! 雑に測ってみたところ、開口部下端の高さは65cmでゴルフ(66cm)と同等。ラゲッジスペースの平らな部分の奥行きは80cm(75cm)、幅は105cm(102cm)で、ゴルフより広い。これなら、大型スーツケースも気兼ねせず放り込めそうである。もちろん、スーパーマーケットで買い込んだ1週間分の食材も、難なく飲み込んでしまうだろう。

 新型Aクラスは生活のためのクルマ、の視点で捉えてもよくできている。


Specifications
メルセデス・ベンツA180スタイル
■全長×全幅×全高:4419×1796×1440mm ■ホイールベース:2729mm ■車両重量:1440kg ■エンジン形式:直列4気筒DOHC4バルブ直噴ターボ 排気量:1332cc ボア×ストローク:72.2×81.4mm 圧縮比:10.6 最高出力:100kW(136ps)/5500rpm 最大トルク:200Nm(20.4kgm)/1460rpm ■トランスミッション:7速DCT ■駆動方式:FWD ■車両価格:362万円(テスト車両はオプション含め469万円)

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