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電動ハーレー、全米でついに予約開始! もはやジャンルレスに250ccも! アドベンチャーも!!

MotorFan / 2019年1月10日 8時55分

電動ハーレー、全米でついに予約開始! もはやジャンルレスに250ccも! アドベンチャーも!!

1月7日(日本時間8日未明)にアメリカ・ラスベガスで開幕した世界最大級の家電・情報通信技術の見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」で、ハーレーダビッドソンは今秋に全米発売する電動モーターサイクル「LiveWire(ライブワイヤー)」を公開し、さらに2つの電動コンセプトモデルも披露しました。 REPORT●青木タカオ(AOKI Takao)

CES2019で発表された今秋発売予定のLiveWire。ビキニカウルを備えるなど細部の変更点は多い。

HARLEY-DAVIDSON LIVE WIRE……29,799USドル~(日本発売未定)


 いよいよ電動(EV)のハーレー(ライブワイヤー)が、アメリカで発売されようとしています。四輪自動車では増えつつあるEVですが、モーターサイクルではまだまだ普及していません。大手バイクメーカーでは、KYMCOが6速マニュアルトランスミッションを組み合わた「Super NEX」を昨秋の「EICMA2018(ミラノモーターサイクルショー)」で発表しましたが、発売済みなのはBMWやADIVAらが大型スクーターを、国内メーカー(ホンダ、ヤマハ、スズキ)では原付スクーターのみです。

スペインでは警察バイクにも採用されるBMW C evolution。日本でも2017年5月に発売済みです。

 ホンダが原付2種(定格出力0.6-1.0kW未満=125cc以下に相当)の「PCXエレクトリック」をリース販売し始めましたが、ほとんどが原付1種(定格出力0.6kW未満=50cc以下に相当)モデルです。

企業や個人事業主に向けて、2018年11月よりリース販売がスタートしたホンダ PCXエレクトリック。


 航続可能距離がバッテリー容量で決定されるEV車において、スペースに制約があるモーターサイクルは不利としか言いようがなく、既存のEVスクーターが想定しているのは都市内の近距離移動に過ぎません。
 そんななかハーレーダビッドソンは、郊外にも出掛けられるホビーユース向けのロードスポーツモデルとして電動マシンを発売するから驚きます。発表によると、1回のフル充電で推定110マイル(約177km)の走行が可能で、これはBMWの電動マキシスクーター「C evolution」の公表値約160kmを凌ぐ距離です。
 そしてワインディングでエキサイティングな走りも楽しめるよう軽快なハンドリングを開発段階から追求。コーナリングABSやトラクションコントロールといった先進電子制御も搭載しています。


「H-D Revelation」と名付けられた電動パワートレインは、スロットルを開けた途端に最大トルクを発揮し、時速60マイル(約96km/h)までの加速を3.5秒以内で実現。驚異的ともいえるダッシュが味わえそうです。

4年前の時点で、走りはかなりスポーティ!

2015年春、LIVEWIREのプロトタイプをマレーシア・セパンサーキットの広大な敷地内にて試乗した筆者。

 じつはワタクシ、2015年春にマレーシアにて開催された招待制試乗会にて、ライブワイヤーのプロトタイプに乗らせていただきました。このときハーレーダビッドソンは、アメリカやヨーロッパで一般ユーザー向けにも試乗会を積極的に実施し、筆者がテストライドしたときもジャーナリストだけでなく既存ユーザーらも参加。日本からも30名ものH.O.G.メンバー(公式オーナー会員)が試乗し、意見を求められたのです。


 この時点で走行可能距離100km以上、最高速92マイル(約147km/h)、0→60マイル加速4秒以下の動力性能があり、その鋭い加速性能、回生ブレーキによるエンジンブレーキの再現、違和感のないハンドリングに舌を巻いたことを記憶しています。

アメリカやヨーロッパに続き、アジアではマレーシアにて招待制の試乗会が開催されたのでした。

「電動ながらサウンドにもこだわった」と、現地で説明を受けたのも衝撃的でした。たしかに無音ではなく、電気モーターとギヤの組み合わせによる共鳴からジェットエンジンのようなサウンドを演出していたのです。スピードを上げるにつれ甲高い音がし、エキサイティングな気分になるのでした。

18年夏、ミルウォーキーにて走行する姿を披露


 メディアへ先行するだけでなく、一般ライダー向けにも試乗会を開くことを考えても、発売はもう間近だろうとマレーシアにて感じましたが、その後、LIVEWIREとの再会を果たしたのは、3年が過ぎた昨夏のアメリカ・ミルウォーキーでした。
 創業115周年のセレブレーションイベントの公式会場で実車がディプレイされ、さらにイベントを締めくくるパレードで走行したのです。


 欧州のファンには、その2ヶ月後の「EICMA 2018」で披露。そしてさらに2ヶ月後の「CES 2019」にて、詳細スペックと発売時期、価格(29,799USドル~)も発表に至りました。より高性能となり、満を持しての発売ということでしょう。ついにアメリカでは、予約の受付がスタートです。
 4年前には備わっていなかったビキニカウルがセットされ、メーターディスプレイもよりスマートに。パナソニックのコネクテッドシステムが採用され、専用アプリによってスマートフォンとの通信・接続が可能となっています。

パナソニックが通信ユニット(TCU)およびクラウドサービスを活用したシステムソリューションを提供します。

パナソニックのシステムソリューションにより、車両情報がスマートフォンで確認でき、盗難時の追跡も可能となりました。

 スマートフォンでバッテリー残量や航続距離、充電完了までの時間、充電ステーションの位置情報などを知ることができるほか、駐車時には車両位置が確かめられ、衝撃を受けたり盗難された場合は警告で知らせてくれ、GPSによる追跡も可能となりました。


2つの軽量電動コンセプトモデルも公開!!


「CES 2019」ではさらに2つのコンセプトモデルも発表されました。BMXのように軽快でスポーティなモデルは、ブロックパターンのタイヤを履き、倒立フォークとモノショックの前後サスペンションを備えています。灯火器類やライセンスホルダーはなく、新たなモータースポーツも予感せずにはいられません。


また、スクーターのようにも見える、リアサスペンションのないモデルも斬新としか言いようがありません。バッテリーやモーターが低い位置に搭載され、ボディはスカスカです。ガソリンエンジン車ではあり得ないスタイルが、衝撃的でさえあります。


 両車とも見るからに手軽で、ほとんど自転車感覚。重厚なハイエンドクルーザーが主軸だったハーレーダビッドソンが、新たなジャンルに挑戦していこうとしていることが見てわかり、それはガソリンエンジン搭載車もまた同様です。

2020年に登場予定の「ストリートファイター」。日本導入未定。

同じく2020年に発売予定の「パンアメリカ1250」。日本導入未定。

 2018年7月に発表した中期経営計画「More Roads to Harley-Davidson」では、ストリートファイターやアドベンチャーモデルを発売予定であることも明らかにし、アジア市場には250〜500ccのモデルを投入するとのこと。250ccのハーレーって今は想像できませんが、考えただけでワクワクしてきます。

じつはスクーターもあった!! Topper(トッパー)は1960年に発売されました。

 電動モデルや新ジャンルへのニューモデル投入は、コンサバなオールドファンから否定的な意見も聞こえてきそうですが、歴史を遡ればハーレーダビッドソンもさまざまなカテゴリーに挑戦したことがあり、これまでもチャレンジ精神に満ちあふれていたことがわかります。
 ほんの一例に過ぎませんが、60年代には「Topper(トッパー)」というスクーターもありましたし、「ショートスター」という65ccのミニバイク、市販モトクロスマシンや公道向けオフロード車を発売したこともあるのです。

可愛すぎるハーレーダビッドソン、SHORTSTER(1972年)。

オフロードバイクもありました。写真はSS250(1975年)です。

 歴史はまた繰り返すのでしょうか。ハーレーダビッドソンの新しいチャレンジに、しばらくは目が離せそうにありません!! じつに楽しみです。

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