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【インディアン・スカウトボバー】骨太なフォルムと個性的な存在感に魅せられる【試乗レポート】

MotorFan / 2019年2月7日 17時0分

【インディアン・スカウトボバー】骨太なフォルムと個性的な存在感に魅せられる【試乗レポート】

覚えているだろうか?  2018年3月に発表されたスカウトボバー Jack Daniel's エディションの存在を。アメリカモノ好きマニアなら見逃せない話題となったが、今回試乗するのはスカウトボバーらしい“素”を追求したモデル。余計な物を装備することなく、シンプルを極めるデザインに個性的な魅力がある。低く身構える長いフォルムはアメリカンカスタムの世界でカテゴライズされたディガーにも似た雰囲気だが、それとも異なる。フロントフォークは寝ていないし全体に骨太でマッチョな印象である。 REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru) PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)


インディアン・スカウトボバー・・・・・・1,990,000円〜







こちらは限定モデルのジャックダニエルエディション。見るからにゴージャス。

2019年モデルはこんな感じ。ハンドル周りがスッキリ。写真はホワイトスモークカラー。

 冒頭に記したジャックダニエルエディションは世界限定177台のプレミアムモデル。ウイスキーブランドとのコラボというのもユニークだが同社従業員有志による消防隊カラーをモチーフにしたゴールドのグラフィックや、純金を採用したエンブレム等、いかにもアメリカらしい歴史や消防士に対するリスペクトが感じられる仕上がり。価格は289万円と高価だったが、アメリカ好きにはたまらないコレクターズアイテムとして注目された。

 さて今回のスカウトボバー。試乗撮影車は2018年モデルだったが、細部が熟成された2019年モデルも登場している。メーター脇にUSB充電ポートを新設。マット系を中心としたカラーバリエーションは4種類に。そしてバックミラーがバーエンドタイプとなり、ハンドルまわりのデザインがスッキリと仕上げられたのが特徴である。
 スカウトと言えばインディアンのブランドを一躍有名にした存在。筆者が生まれる前の話なので、資料からの受け売りではあるが、1900年代当初から先進性を披露した同社はレースの世界でも輝かし戦績を記録。中でも1937年の第1回デイトナ200でモーターサイクル初のツインキャブ車であるスポーツスカウトで優勝を飾るなど実に輝かしい。そして一気に現在へ飛ぶとアメリカンフラットトラックで2年連続チャンピオンを獲得している事実が見逃せない。そんな背景を背負っているのがスカウトであり同ボバー、そしてFTR のリリースへと繋がっている。

地面が近いローダウンならではの乗り味が新鮮

 贅沢なシングルシートに腰を下ろしてバーハンドルに手を伸ばすとやはり基本設計として大きなサイズ感を覚えるが、フォワードステップもハンドル位置も遠過ぎるわけではなく、筆者の体格でも許容範囲。背筋を伸ばしてハンドルを持つと、ちょうど幼児がストライダーで地面を蹴って進むイメージと似た感覚を覚えたが、重心の低い落ち着きはらった乗り味は悠然たる快適な走りを堪能させてくれた。
 重く大きなバイクだから挙動はゆったりと穏やか。しかしエンジンのトルクは十二分に太く柔軟で、とっても力持ち。右手の操作ひとつで、何不自由のない加速性を柔軟に発揮でき、そんなマイペースで心地よい時間を独り占めできる感覚に魅力を覚えた。

 バンク角は浅く(29度)旋回時にはすぐにステップが地面に擦れてしまうため、コーナーを攻める気分にはなれず、自然と優雅な走りに終始するが、それが嫌じゃない。商店街等を抜ける時はガラスに写っている自分の姿をチラ見したくなる気分になったのも不思議。ライディングファッションにも拘り、ちょっと格好付けて乗る感じだろうか、イイ意味で自己満足な時間に浸るのにうってつけな独特の雰囲気と快適性が魅力だ。
 ちなみに低く太い排気音を轟かせる(決して煩くない)アイドリング時のエンジン回転数は1050rpm程度。加速時にアクセルをワイドオープンすると7500rpmあたりまでは難なく回るが実用的にはせいぜい6000rpm未満で使うのが正解。市街地では2000~3000rpm当たりが快適ゾーンでとても扱いやすかった。6速トップギヤなら高速道路100km/hも 3000rpm程度でクルージングできるのである。


⚫️足つきチェック(ライダー身長170cm)



ご覧の通り、両足は膝にも大きなゆとりを持って、ベッタリと地面を捉えることができる。シート高は649mm。一般レベルと比較すると100〜150mmは低いだけに、安心感は抜群だ。乗車時の目線の位置も低めで、地面に近い感覚の乗り味が新鮮。

⚫️ディテール解説

φ298mmのシングルディスクローターには2ピストンのピンスライド式キャリパーをマッチ。

94馬力を発揮する水冷Vツインエンジンは、1130cc。アメリカ流に表現すると69キュービックインチだ。

ストレートに伸びた右出しツインマフラーもマット系でブラックアウトされている。マフラーがある右サイドビューはロング&ローなフォルムがより強調されて見える

後輪は左側のベルトドライブ方式で駆動される。したがって走行騒音も静かだ。

スカウトがベースだが、ご覧の通り、リヤフェンダーも大胆にカットされているのがボバーらしいところ。

写真は2018年モデルの試乗車。2019年最新モデルではバーエンドミラーが標準装備となる。両グリップエンドからドロップした丸型ミラーがマッチされる。
ハンドル右側は赤いキルスイッチと黒いセルボタン(スタータースイッチ)のみ。
人差し指で操作する前側スイッチは、メーターの液晶ディスプレイ部分をコントロールするモード切り替え用。

シンプルなシングルメーター。しかし実は機能多彩なマルチディスプレイを搭載。液晶表示部は切り替えることで回転計やトリップ等を選択可能。アナログ表示のスピードメーターは200km/hスケールだが、常用域となるであろう120km/h迄が大きな文字で見やすく描かれている。

丁寧にステッチ仕上げされたツートーンのレザーシートは、愛着を持って手入れしていきたい大切なところ

テールエライトと併用するウインカー。マルチLED方式のライトが採用されており、左右2分割方式で内側が赤いテール&ストップライト。外側がオレンジのウインカー機能を果たす

⚫️主要諸元

●エンジン
 エンジン型式 水冷Vツイン
 排気量 1133 cc/69 CU IN
 電子制御燃料噴射装置
 (クローズドループ式フューエルインジェクション / 口径 60mm)
●パフォーマンス
 最高出力 94 馬力 (74.7 kW)
 最大トルク 97.6 Nm / 6,000 rpm
●ドライブトレイン
 プライマリードライブ ギアドライブ湿式クラッチ
●ギア比
 1st 10.926 : 1
 2nd 7.427 : 1
 3rd 5.918 : 1
 4th 5.022 : 1
 5th 4.439:1
 6th 4.087:1
 ファイナル 2.357 : 1
●サスペンション
 フロント テレスコピックフォーク / ストローク120 mm [カートリッジタイプ]
 リア デュアルショック / ストローク50 mm
●ブレーキ
 フロント シングル/ φ298mmローター / 2ピストンキャリパー
 リア シングル / φ298mmローター / 1ピストンキャリパー
●ホイール
 フロント 16" x 3.5" inch
 リア 16" x 3.5" inch
●タイヤ
 フロント 130/90-16 73H
 リア 150/80-16 71H
●エグゾースト
 スプリットデュアルエグゾースト / クロスオーバー
●ボディサイズ
 全長 2229 mm
 全幅 926 mm
 全高 1154 mm
 車両重量 251 kg
 シート高 649 mm
 ホイールベース 1562 mm
 最低地上高 123 mm
 レイク角 29°
 リーンアングル 29°
 トレール長 119.9 mm
 燃料タンク容量 12.5 L
●エレクトロニクス
 灯火装置 ヘッドライト、テール/ブレーキランプ、ウィンカーランプ、ナンバー灯、
 メーター灯、警告灯、メーターパネル デジタルタコメーター、
 オドメーター、トリップメーター、水温計、燃料警告灯

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