三菱重工業:自動運転機能を備えた消防ロボットの "実戦" 配備型機を開発
MotorFan / 2019年3月22日 16時45分
三菱重工業は、石油コンビナートなど消防隊員の接近が困難な火災現場での活躍が期待される消防ロボットとして「放水砲ロボット」と「ホース延長ロボット」の "実戦" 配備型機を開発した。
放水砲ロボットは、人が近づけない場所で消火冷却を効果的に行い、ホース延長ロボットは、最大300mまで消防用ホースを自動敷設して放水砲ロボットに効率良く水を供給する。これら2機種は、「偵察・監視ロボット」(飛行型および走行型2機種)ならびに「指令システム」との組み合わせにより「消防ロボットシステム」を構成し、専用の運搬車両1台に搭載されて現場に移動することができる設計になっている。
本消防ロボットシステムは、消防庁消防大学校消防研究センターが平成26年度(2014年度)から5年計画で進めている「エネルギー・産業基盤災害対応のための消防ロボットシステムの研究開発」プロジェクトに参画して開発を手掛けてきたもので、専用の搬送車両1台に搭載されて現場に移動することができる設計。2019年3月22日、消防庁消防大学校消防研究センター(東京都調布市)において、同プロジェクトの5年の成果として完成した実戦配備型ロボットの性能を実証する実演公開が実施された。
同プロジェクトのロボットのうち、三菱重工業の2機種は、堅牢な足回りで高い走破性を持つ農業用小型バギーを改造した専用車体にGPS(全地球測位システム)やレーザーセンサーを搭載し自律制御可能な移動台車としたもの。
2台のロボットは、お互いがを消防用ホースで接続された状態で自動運転により火元へ向けて走行する高度な技術を搭載している。
火元到着後は放水砲ロボットをその場に残し、ホース延長ロボットがポンプ車や消火栓等の水源までホースを地面に敷設しながら走行する。敷設されるホースは、内径150mm(呼び径150A)の硬くて重い(2kg/m)消防用ホースで、最長300m搭載可能。曲がり角を含む目的の経路上に同ホースを適切に敷設できるよう、ロボットの走行に合わせて自動でホースの送り出しと巻き取りを実現している。
放水砲ロボットは、放水または泡放射を行う放水砲を備え、1.0メガパスカル(MPa)の圧力で1分間に4,000リットルの放水をすることができる。
■放水砲ロボットの主な仕様
寸法(外形):長さ2,170mm、 幅1,460mm、 高さ2,070mm
質量:1,600kg
移動方式:4輪駆動前輪操舵方式
移動速度:7.2km/h(2m/sec)
搭載センサー:RTK-GPS、 RIDAR、 IMU、 オドメトリ
機能性能:地図上の指定位置まで自律で走行、20kW/m2の輻射熱環境での活動を想定した設計。消火冷却のための水および泡放射(1MPaの圧力で4,000リットル/分)。
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