1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

スズキは隠れ名車を数多く輩出してきたが、現行車ではその筆頭にあるのかもしれない……!?

MotorFan / 2019年7月4日 13時0分

スズキは隠れ名車を数多く輩出してきたが、現行車ではその筆頭にあるのかもしれない……!?

150ccという日本の区分では中途半端になってしまう排気量は、インド生産でグローバルモデルとしている経緯があるから。海外で大ヒットし、2年前に国内ラインナップに名を連ねると、日本でも瞬く間に人気モデルに。小兵ながら実力者で、欠点など見当たりません。 REPORT●青木タカオ(AOKI Takao) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

ジクサー……321,840円


「ジクサー」の国内デビューは2017年1月から。その報道向け発表会では、生産国であるインドで13もの部門がある「バイク・オブ・ザ・イヤー」の賞を総なめにし、大ヒット中であることが明かされました。2014年からアジアや中南米を中心に輸出され、日本導入前の時点から各国ですでに人気者となっていたのです。




 アメリカで「GSX-R1000」や「GSX-R750」が“ジクサー”と呼ばれ親しまれ、そのGSX-RシリーズのDNAを受け継ぐことに、車名は由来します。足まわりは前後17インチ、つまり兄貴分らと同じ大きさ。エンジンは空冷4サイクル単気筒SOHC2バルブで、最高出力14PS/8,000rpm、最大トルク14Nm(1.4kg-m)/6,000rpmを発揮し、信頼性・実績も充分です。




 インドから国内への2輪車輸出はスズキとしては初で、321,840円というリーズナブルな価格を実現しました。今回の車両は赤(キャンディソノマレッド / ソニックシルバーメタリック)で、印象深かったブルー(グラススパークルブラック / トリトンブルーメタリック)とはまた違うイメージ。あまりメディアに露出されていないカラーで、赤もまた新鮮で好印象です。車体色は全3色で、もうひとつは黒(グラススパークルブラック)が設定されています。

グラススパークルブラック / トリトンブルーメタリック

グラススパークルブラック

抜群の足着き性とフィット感


 アップライトなハンドルがゆったりとしたライディングポジションをつくって、窮屈さは感じません。ステップも近すぎず、そして車体とのフィット感が素晴らしい。車体がスリムなうえ、タンクの両ひざが当たる部分がえぐれていてニーグリップがしやすく、シートも先端が絞り込まれています。


 それでいて足着き性が良く、シート高は785mmと低く設定されているから嬉しいかぎり。身長175cm、体重65kgの筆者の場合、両足を出してもカカトまで地面にベッタリです。



 車両重量は135kgと軽く、小柄なライダーや女性も取り回しに気をつかう必要はないと思います。この足着き性の良さと軽さは、ジクサーの大きな魅力になっているのではないでしょうか。

これぞライトウェイトスポーツ!!


 走りもキビキビし、予想を上回るスポーティさです。正立式フロントフォークはインナーチューブ径が41mmとしっかり太く、ハードブレーキを掛けても踏ん張りが効きますし、衝撃吸収性も上々。リアサスペンションも7段階のプリロード調節が可能なモノショックが採用され、段差に乗り上げて大きな衝撃を受けても持ちこたえ、過酷な使用環境で鍛え上げられた足まわりと車体であることがわかります。

 ライトウェイトスポーツらしい軽快なハンドリングで、エンジンパワーを使い切ってのスポーツライディングはエキサイティング。シフトチェンジを駆使して走らせるのが、もう楽しくて仕方ありません。細身のタイヤでヒラヒラと身のこなしが軽く、そのうえトラクションも前後輪から感じられます。


 エンジンはボア56.0mm ×ストローク62.9mmのロングストローク設計で、低中回転域で力強いトルク型。ワイドレンジで街乗りしやすく、加速も怠くありません。上り勾配でも元気にのぼっていくし、高回転域も粘り強くパワーを絞り出していきます。

 重量的にはかなり不利となるセンタースタンドを備え、実用性も重視。きらびやかなところはないかもしれませんが、質実剛健とはこれを言うのでしょう。かなり“お得”で、かなり“使える”というスズキらしいモデルといえるのではないでしょうか。非の打ち所がありません、高く評価されるべきだと思います。

ジクサー ディテール解説


シャープでスポーティなムードを演出する逆三角形のフロントマスクは、異径ヘッドライトとバイザーの組み合わせから成り立つ。ウインカーにはクリアレンズが採用され、スタイリッシュです。


インナーチューブ径41mmの正立式フロントフォークに、ブレーキは片押しピンスライドの2ポットキャリパーと266mmディスクの組み合わせ。安定した制動力を発揮します。


フル液晶デジタルメーターもスポーティさを演出しています。速度をデジタル表示し、タコメーターはバーグラフ式に左から右へ流れるように。ギヤポジションや燃料計、時計なども一目瞭然で機能的です。イグニッションキーをオンにすると、オープニングメッセージとしてREADY GOの文字が表示されます。




アップライトなハンドルで、ライディングポジションは150ccモデルにしてはゆったりとしています。メーター回りやスイッチまわり、配線の処理などにもチープさは感じられません。




スリムなシートが、車体との良好なフィット感を生み出します。前後の座面は段差で分けられ、スポーティです。


リンクレス式のモノショックは、プリロードを7段階で調整可能。しっかりとストロークし、衝撃吸収性も充分です。


マフラーはスタイリッシュなデザイン。エンド部をデュアル構造とすることで、高い排気効率と優れたデザイン性を両立しています。リアブレーキのディスク径は220mm。ダンロップ製のラジアルタイヤはワンクラス上の140サイズとしています。


テールライトにはLEDが採用され、リヤセクションもスリムでスタイリッシュに仕上げられています。

■主要諸元
型式 2BK-NG4BG
全長 / 全幅 / 全高 2,005mm / 785mm / 1,030mm
軸間距離 / 最低地上高 1,330mm / 160mm
シート高 785mm
装備重量 ※1 135kg
燃料消費率 ※2
 国土交通省届出値:定地燃費値 ※3 58.8km/L(60km/h) 2名乗車時
 WMTCモード値 ※4 51.0km/L(クラス2、サブクラス2-1) 1名乗車時
最小回転半径 2.5 m
エンジン型式 / 弁方式 BGA1・空冷・4サイクル・単気筒 / SOHC・2バルブ
総排気量 154cm3
内径×行程 / 圧縮比 56.0mm × 62.9mm / 9.8
最高出力 ※5 10kW〈14PS〉 / 8,000rpm
最大トルク ※5 14N・m〈1.4kgf・m〉 / 6,000rpm
燃料供給装置 フューエルインジェクションシステム
始動方式 セルフ式
点火方式 フルトランジスタ式
潤滑方式 ウェットサンプ式
潤滑油容量 1.1L
燃料タンク容量 12L
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング
変速機形式 常時噛合式5段リターン
変速比
 1速 2.750
 2速 1.750
 3速 1.300
 4速 1.045
 5速 0.875
減速比(1次 / 2次) 3.181 / 3.000
フレーム形式 ダイヤモンド
キャスター / トレール 25゜45' / 105mm
ブレーキ形式(前 / 後) 油圧式シングルディスク / 油圧式シングルディスク
タイヤサイズ(前 / 後) 100/80-17M/C 52S / 140/60R17M/C 63H
舵取り角左右 38°
乗車定員 2名
排出ガス基準 平成28年国内排出ガス規制に対応

※1 :装備重量は、燃料・潤滑油・冷却水・バッテリー液を含む総重量となります。※2 :燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。※3 :定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。※4 :WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。※5 :エンジン出力表示は「PS/rpm」から「kW/rpm」へ、トルク表示は、「kgf・m/rpm」から「N・m/rpm」へ切り替わりました。〈 〉内は、旧単位での参考値です。■車体色はモニター表示のため、実物とは異なる場合があります。■この仕様は改良のため予告なく変更する場合があります。■掲載写真には、合成または、特別に許可を得て撮影したものが含まれます。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください