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東京ガス:世界初のガス燃焼式リチウムイオン電池電極材用連続焼成炉「C-SERT-RHK」を開発

MotorFan / 2020年8月28日 13時30分

東京ガス:世界初のガス燃焼式リチウムイオン電池電極材用連続焼成炉「C-SERT-RHK」を開発

東京ガス、東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)、およびノリタケカンパニーリミテドは、このたび、特殊セラミックラジアントチューブバーナを採用した世界初のガス燃焼式リチウムイオン電池(LiB)電極材用連続焼成炉※1「C-SERT-RHK ※2」を開発し、このたび販売を開始した。本製品はノリタケの焼成炉技術※3と東京ガス・TGESのガス燃焼技術※4の融合により生まれた製品で、最大40%のエネルギーコスト削減※5を実現する高効率な加熱装置。

 本製品は、近年需要が高まっているLiB電極材の製造工程で求められる高温度(1,000℃以上)での安定した熱処理を行う。ガス燃焼式による高温での焼成は、電気式よりエネルギーコストが低減できる一方、炉内温度・酸素濃度のバラツキ、耐久性などに課題があり、従来は電気式が用いられてきたが、3社の技術を合わせることでこれを解決し、商品化を実現した。

  東京ガス、TGES、ノリタケは、本製品の高効率な加熱技術を、LiB電極材に限らず、高温度での安定した熱処理が求められる自動車(ホットスタンプ等)や5G向け電子部品などの用途にも応用し、様々な製品の加熱工程のコスト削減、環境性向上に貢献する。


■ 本製品の特長
1.ガス燃焼式の採用によるエネルギーコストの大幅な削減
従来の電気加熱炉と比較し、最大40%のエネルギーコストの削減※5を実現。

2.特殊セラミックラジアントチューブバーナによる安定した加熱と高耐久性を実現
耐熱・耐蝕性能(耐アクティブ酸化※6・耐リチウムアタック性※7)の高い特殊セラミックを発熱体(ラジアントチューブ)としてバーナに採用し、ガス燃焼式の課題を解決した。温度分布の平準化やスムーズな温度追従性、酸素濃度の維持など安定加熱が可能となり、1,300℃で温度精度Δt=10℃以下を実現した。

3.その他の高温度での熱処理への応用が可能
・LiB:正極材、負極材、次世代電池材
・自動車:超高張力鋼板(ホットスタンプ)、焼結部品、プラグ、センサ、触媒、磁性材
・通信:5G向け電子部品、フェライト、セラミック基板、ターゲット材、など

※1 ローラー搬送により連続で、設定された温度環境の中を製品が通過することで高品質な熱処理を行う焼成炉
※2 C-SERT-RHK(シー・サート・アールエッチケイ)。C:セラミック、SERT:シングルエンドラジアントチューブバーナ、RHK:連続焼成炉
※3 ノリタケの焼成炉技術
・LiB電極材用焼成炉で世界屈指の実績
・食器製造で培った、ローラーハースキルンによる均一、高速、雰囲気制御加熱技術
・高品質、大量生産に欠かせない設備技術で、先端産業の発展に貢献
※4 東京ガス・TGESのガス燃焼技術
・日本における省エネバーナのパイオニアとして、リジェネバーナやセラミックラジアントチューブバーナ(C-SERT)などを開発。1,200本の販売実績
※5 従来の電気炉と比較したモデル炉におけるランニングコスト試算(エネルギー単価は国内の大口需要家向け標準単価を使用、炉長40m、炉内有効幅2,000mm、最高温度1,300℃)
※6 高温かつ極微量の酸素濃度環境下(負極材の生産環境)で発生する酸化現象。セラミックを構成する原子を消耗させるため、汎用セラミックの寿命は著しく短命化する
※7 正極材原料に含まれる浸食性の強いリチウムが溶融し、炉壁や加熱機器(ガスバーナや電気ヒーター)に付着し損傷させる現象

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