航空機の技術とメカニズムの裏側 (73) STOL/VTOL(10)無人機(UAV)の短距離/垂直離着陸

マイナビニュース / 2017年6月20日 9時39分

写真

前回、米国防高等研究計画局(DARPA : Defense Advanced Research Projects Agency)で開発を進めている技術実証機「VTOL X-Plane」を紹介した。この種の技術実証機は、機体をコンパクトにまとめてコストを下げるとともに、リスクを回避するために無人の機体として製作する事例が多い。つまり「VTOL機の実証機を無人で作った」というケースだ。

○中・小型のUAVは滑走路なしで済ませたい

それとは逆の、まず「無人機(UAV : Unmanned Aerial Vehicle)を開発する」という目的が先行する事例ではどうか。

実はこちらでも、VTOL(Vertical Take-Off and Landing)やSTOL(Short Take-Off and Landing)の能力が求められる場面が意外と多い。陸上では滑走路がない場所から運用しなければならない場面があるし、洋上の艦艇から運用する際に「空母並みの大型艦が必要」ということでは仕事にならない。

軍用のUAVには複数の分類がある。大型で高価なほうから順番に並べると、こうなる。

HALE (High-Altitude, Long-Endurance) UAV
MALE (Medium-Altitude, Long-Endurance) UAV
戦術UAV (Tactical UAV)
ミニUAV
マイクロUAV
ナノUAV

これらのうち、滑走路による離着陸が許容されるのは、せいぜい戦術UAV以上のクラス。

ミニUAV、マイクロUAV、ナノUAVは、例えば陸軍の最前線で任務に就く小規模な歩兵部隊が、近所の状況を偵察するような場面で使用するUAVだ。

だから、個人で持ち運べるように機体を小型軽量化するのはもちろんだが、滑走路がないと離着陸できないような機体では使い物にならない。よって、VTOLあるいはSTOLが可能でないと困る。

○ダクテッドファンとティルトローター

VTOLが可能なUAVとしてハネウェル社やSTエアロスペース社が開発したのが、ダクテッドファン型のUAV。要するに、F-35Bのリフトファンだけ切り出してきたようなもので、円筒形の「機体」の中にファンが入っている。そして、そのファンを回転させることで浮揚力を生み出し、ファンの下に設けた舵を動かすことで操縦を行う。

○Take a Look at the T-Hawk!

マイナビニュース

トピックスRSS

ランキング