H-IIAロケット35号機現地取材 - ヘリウム系統の問題により打ち上げは延期、原因究明後の再挑戦へ

マイナビニュース / 2017年8月13日 12時6分

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三菱重工業(MHI)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月12日、同日13時40分に予定していたH-IIAロケット35号機の打ち上げを直前に中止、延期を発表した。理由は「ロケットの推進系統に確認を必要とする事項が生じた」ため。対策に日数を要する見込みで、現時点で新たな打ち上げ日は決まっておらず、早くても17日以降になる模様だ。

35号機は、準天頂衛星「みちびき3号機」を搭載。当日0時ころ、VAB(大型ロケット組立棟)から姿を現した同機は、25分ほどかけて第1射点への移動を完了。打ち上げに向け、順調に準備作業が進んでいた。しかし上記の問題が発生したため、12時22分頃に手順を止め、打ち上げ時刻をずらして対応しようとしたが、16時前に打ち上げの中止が決まった。

MHIとJAXAは同日17時より記者会見を開催し、中止の原因や今後の見通しなどについて説明した。出席者は、MHIの二村幸基氏(防衛・宇宙セグメント技師長)と、JAXAの藤田猛氏(鹿児島宇宙センター長)。

今回、問題となったのは、第1段に搭載されたヘリウム系統において、通常よりも大きな圧力の低下が見られたこと。最終点検で確認した降下量は0.96MPa/hと、要求値の1.0MPa/hを下回っていたものの、過去の号機の平均は0.58MPa/hで、それよりはかなり大きい。35号機でも、これまでの点検ではそれと同程度だったという。

最初から大きめの降下量であれば、それは"クセ"のようなものと捉えることもできるが、今回は急に増えた。原因としては、ヘリウムの漏洩が考えられ、そのまま打ち上げた場合、フライト中に漏洩量が増加する恐れもある。規定の圧力を割れば、エンジン関連のバルブを正常に開け閉めできなくなる。仕様内の数値でも打ち上げを中止したのは、それが理由だ。

近年、H-IIAロケットは運用が非常に安定しており、天候以外の問題で打ち上げが遅れることがほとんど無かった。機体側の原因による延期となると、2011年8月の19号機以来、じつに6年ぶりだ。

このオンタイム打ち上げ率の高さがH-IIAロケットの大きなセールスポイントではあるが、二村氏は「我々は衛星を所定の軌道に運搬し、正常に分離するのが仕事。一点の疑義もないロケットに仕上げた状態で打ち上げることが、我々のベストエフォート(最善の努力)だと思っている」とコメント。「残念ながら今日打ち上げることはできなかったが、原因の追及、処置を淡々と進め、確実に打ち上げたい」と述べた。

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