「ThinkPadの父」に聞く、現在過去そして未来 その1

マイナビニュース / 2017年10月13日 5時0分

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ThinkPadが2017年の10月5日で25周年を迎えた。今回はそれを記念して日本IBM時代からThinkPad開発に携わり、「ThinkPadの父」とも呼ばれる内藤在正氏(現レノボジャパン取締役副社長研究開発担当。以下敬称略)のインタビューをお届けする。無線技術や入力デバイスといったさまざまな技術的観点から、これまでの歩みとこれからの「PCの行く末」を語ってもらった。第1回は無線技術について聞く。

○無線技術とThinkPad

――振り返るとThinkPadはIrDAやBluetooth、無線LAN、LTEモデムといった無線技術を比較的早い時期に搭載していました。無線技術を率先して搭載したのはどうしてでしょう?

内藤:ThinkPadをはじめとしてノートPCは、バッテリを搭載することで電源ケーブルから自由になり、どこへでも持ち歩けるようになりましたが、まだネットワークは有線接続でした。"次の課題はネットワークだ"ということははっきりしていました。ただ、ネットワークは相手が必要なものなので、規格の成立やインフラの普及を待つ必要がありました。

※筆者注:最初のThinkPad 700は1992年。現在の無線LANにつながる最初の規格IEEE802.11の成立は1997年。IEEE 802.11bの規格成立と市販開始は1999年。

はじめは会社にいけば高速なネットワークが利用できました。やがて一般家庭にもADSL(国内では1999年にサービス開始)のような高速インターネットが入ると、自宅と会社といった「島」でネットワークが使えるようになった。まだ「島」と「島」の間では、ネットワークに繋がっていなくても可能な仕事を行うという使い方でした。

次第にコーヒーショップや空港など、通信が利用できる「島」は増えていきましたが、無線LANは、そうした「島」に対して「最後の10メートル」を接続する重要な役割があり、ThinkPadにとっては搭載すべきものだったのです。

○無線LANを搭載しはじめたころの苦労

――無線技術を搭載しはじめた時期は、どういうところに苦労されたのでしょうか? 発表会などではアンテナの重要性がよく語られるようですが。

内藤:アンテナはもちろん重要ですが、初期のころに問題だったのは無線LANを正しく制御する「アルゴリズム」でした。この分野に関しては、研究が進んでいたわけではなく、さまざまな実験を繰り返しながらアルゴリズムを修正していく必要がありました。

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