ルテニウムが第四の室温強磁性元素であることを実証 - ミネソタ大

マイナビニュース / 2018年6月5日 19時25分

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ミネソタ大学の研究チームは、ルテニウム(Ru)が室温で強磁性体になることを実験的に確認したと発表した。単一の元素で室温条件において強磁性を示す物質は、これまで鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)しか知られておらず、ルテニウムが第四の室温強磁性元素ということになる。研究論文は「Nature Communications」に掲載された。

磁場をかけられた物質がその磁場方向に強く磁化し、磁場を取り去った後も残留磁化を示す性質は強磁性と呼ばれる。身近な例では、磁石にくっつけておいた鉄がその後しばらくのあいだ磁石になる現象が強磁性である。

室温で強磁性を示す元素は数少なく、これまで鉄、コバルト、ニッケルの3種類しか知られていなかった。これ以外の元素では、ガドリニウム(Gd)が比較的高温で強磁性を示すと報告されているが、磁性を失う境界温度(キュリー点)が約293K(20℃)であり、室温強磁性体と呼ぶにはやや低温であった。

先行研究から、ルテニウム、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)といった通常は強磁性体ではない元素が、結晶構造を適切に調整することによって強磁性を示す可能性があることが理論的に予想されていた。ルテニウムの場合、通常は六方晶系の結晶構造をとるが、これを正方晶に変えることによって強磁性体になると考えられている。研究チームは今回、この理論予想を実験的に確かめた。

実験では、酸化アルミニウム(Al2O3)基板上にモリブデン(Mo)のシード層(膜厚20nm)を成長温度400℃で形成し、その上にスパッタリング法を用いて膜厚2.5nm、6nm、12nmのルテニウム薄膜を形成した。このとき下地の結晶面(110)に揃う形で成長した正方晶のルテニウム薄膜において室温(300K)での強磁性が観察されたという。

ルテニウムは酸化耐性に優れた材料であり、理論的には熱的安定性も高いと予想されることから、強磁性体として磁気メモリやスピントロニクスデバイスといった分野での応用が期待される。研究チームは今後、ルテニウム強磁性体薄膜で予想されている熱的安定性の高さについても検証していくとしている。
(荒井聡)

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