岡安学の「eスポーツ観戦記」 第18回 2年目に突入したeBASEBALL、プロ野球オフシーズンの楽しみとして定着なるか

マイナビニュース / 2019年11月10日 14時31分

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日本野球機構(NPB)とコナミデジタルエンタテインメントが共催する、野球ゲーム『実況パワフルプロ野球』のeスポーツリーグ「eBASEBALL プロリーグ」が、11月3日に開幕しました。各球団に所属する4人ずつのプロeスポーツ選手が、球団のユニフォームを身にまとい、ペナントレースを戦います。2年目に突入した2019年は、「セ・パ交流戦」なども予定されており、プロ野球の形により近づいたといえるでしょう。

ペナントレースでは、1日に同じチームと3試合行います。プロ野球でいうところの同一カードと同じです。1試合ごとにプレイヤーは交代しますが、ゲーム内のキャラクター選手の疲れ具合は引き継がれるため、采配の重要性はリアルのプロ野球と近いものがあるでしょう。選手名がプレイヤーネームから本名に代わったことも、eスポーツながらプロ野球に合わせてきた印象がありました。

また、同一カードの3試合目のみ、往年の名選手「レジェンドOB選手」を起用する必要があります。レジェンド選手は能力の高い選手ばかりですが、現在のレギュラー選手と守備位置の調整をしなければならず、調子も「ふつう」で固定されるので、使い方が難しそうなシステムだと感じました。

そのほか、2019年から変更になったレギュレーションでは、1試合が5イニング制になった点も挙げられます。延長やタイブレーク制もないので、2018年以上に早い試合展開が求められます。
○会場はフジテレビ! プロ野球ニュースとのコラボも

2019年シーズンの会場は、フジテレビの1階と22階に用意された特設ステージです。2018年の会場はベルサール渋谷ガーデンで、観戦は無料でしたが、2019年からグッズ付きの有料チケット制。立ち見の無料観戦エリアも用意されていますが、プロ野球の外野席と同じ程度の観戦チケット代なので、個人的には有料チケットでの観戦がオススメです。開幕戦は、前売り券の段階で完売だったこともあり、多くのファンが有料でもいい席で観戦したいと思っているのではないでしょうか。

また、フジテレビは会場の協力をしているだけでなく、CS放送「フジテレビONE TWO NEXT」で放送している「プロ野球ニュース」ともコラボしており、試合があった翌週月曜日深夜0時から「eプロ野球ニュース」の放送も行っています。「プロ野球といえばプロ野球ニュース」というほど、いち時代を築いた番組でeBASEBALLの結果が放送されるのは、プロ野球ニュースを地上波で見ていた層にとって驚きを隠せないところです。

○プロ野球でペナントを制した2チームは明暗が分かれた

開幕戦の結果として、セ・リーグは、巨人が3勝、横浜DeNAと阪神が2勝1敗、広島と中日が1勝2敗、ヤクルトが3敗。パ・リーグは、ソフトバンクが2勝1分け、オリックスが1勝2分け、千葉ロッテと北海道日ハムが1勝1敗1分け、西武が1敗2分け、東北楽天が2敗1分けでした。

注目は、日本シリーズでソフトバンクに4連敗を喫した読売ジャイアンツ。キャプテンの舘野選手は、先頭打者ホームランから4本連続ホームランを放ち、1試合で計6本のホームランを叩き出すなど、2018年の西武ライオンズを彷彿させる圧倒的な打撃力をみせていました。リアルでの雪辱に燃えます。また、2019年からeBASEBALLに参加した新人選手で、本職は「読売ジャイアンツの球団職員」という経歴を持つ坂東選手もジャイアンツに所属します。

そして、2018年の王者である西武ライオンズは、eBASEBALLの前身である「パワプロチャンピオンシップ2017」の王者である前田選手を獲得し、万全の体制で挑んだかに思われましたが、結果は1敗2分けと勝利を飾れず。2019年、プロ野球でペナントレースを制した2チームですが、eBASEBALLでは明暗が分かれる結果となりました。

○会場では球団応援歌が飛び出すシーンも

開幕戦を見ていて思ったのは、プロ野球ファンにも認知されはじめたということ。プロ野球の各球団ファンがそれぞれのチームを応援するだけでなく、プレイヤーを応援している姿から、eBASEBALLを応援する対象として見ているのがわかりました。また、ジャイアンツなど一部の球団では、応援歌を歌ったり、かけ声をかけたりと、プロ野球さながらの熱がありました。そこには、同じ球団を応援する点に関して、eスポーツとリアルスポーツが地続きになっていることを感じます。

また、プロ野球にはあまりない「eBASEBALLならではの楽しみ」といえば、各球団のマスコットが一堂に会することです。開幕戦では12球団すべてのマスコットが勢ぞろい。試合の合間にはマスコット撮影会があり、試合中には応援席にフラッと訪れることもあります。不定期に会場をうろついているので、マスコットファンには堪らない機会といえるでしょう。

そのほか、2019年シーズンからは、選手が「プロ野球カード的な名刺」をファンに手渡していました。選手とファンの距離が近いeスポーツならではの試みではないでしょうか。ただ、惜しむらくは、2018年ほど、試合後、もしくは試合前の選手を会場でみかけることがなかったこと。試合が終わった選手はユニフォームから私服に着替えており、まだ選手を覚え切れていないファンにとっては、探すのが難しかったでしょう。

マスコットがそこかしこに登場していても、会場では混乱は起きませんでした。なので、ユニフォーム姿の選手がいても問題は起きないと思います。試合会場がファンミーティングのような場になることがeスポーツの魅力の1つだと思うので、今後はそのあたり修正してほしいところです。

チームやキャラクターのパラメーターという観点でいうと、実際のプロ野球の成績が良かったチームがeBASEBALLでも有利なのは確かですが、必ずしもプロ野球と同じ結果になるとは限りません。なので、2019年のプロ野球の結果に満足がいかなかったチームのファンは、eBASEBALLの試合を観にいき、応援し、プロ野球の雪辱を果たすことこそが、オフシーズンでの使命ではないでしょうか。地方のファンは動画配信サイトで生中継を見られるので、そちらで応援してはいかがでしょうか。

(C)Nippon Professional Baseball / (C)Konami Digital Entertainment
(岡安学)

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