今期はほぼ全業種で業績悪化、上場企業は16%営業減益に - 「会社四季報」

マイナビニュース / 2020年7月1日 12時18分

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東洋経済新報社では、「会社四季報」(以下、四季報)の業界担当記者が全上場企業に対して取材を実施し、今期および来期の業績予想を独自に見直した。

上場会社全体の約7割を占める3月期決算会社の2020年3月期決算が出そろった。新型コロナウイルスの影響度が不透明などとして、3月期決算会社の6割近くが業績予想を「未定」または非開示とするという異常事態の中、同社では独自の予想を実施し、結果を公表した。

四季報予想を集計した結果、上場企業の今期(20年4月期〜21年3月期、対象3360社)営業利益は16.0%減と、前期の23.7%減に続き2期連続で2桁減益の見通しとなった。四季報では、企業活動は7月以降に徐々に回復に向かうとの前提を置いている。実際、3月決算企業では、下期に業績回復を見込めそうな企業が多いのだが、それでも上場企業全体として業績が本格回復といえるのは営業利益が36.2%増加と予想される来期に持ち越しとなりそうだ。

幅広い業種に一挙に悪影響が及んだことが、今回のコロナ禍の特徴。前期は製造業の減益率が非製造業を上回ったが、今期は逆に製造業の11.6%減益に対して、非製造業の減益率が20.5%と大きくなりそうだ。ソフトバンクグループの大幅赤字縮小などを理由に30.7%の増益見込みとなる情報・通信業を除けば、非製造業の落ち込みはさらに深いものとなる。

銀行、保険を除く31業種をみると、今期予想が営業増益となるのは情報・通信業、医薬品、証券業の3業種で、黒字転換は石油・石炭製品のみ。一方、空運業が赤字転落となるほか、鉱業、輸送用機器、陸運、小売り、サービスなど2桁減益が20業種に上る見通しとなる。

一方、コロナを機に伸びる需要を捉えて健闘する企業も目につく。デジタル化、5G投資や通信量の増加は、IT大手、システム会社、半導体製造装置などに追い風となるほか、半導体パッケージ、ネット接続サービスなど関連企業の業績を押し上げる。

またEC(電子商取引)の拡大は、保管搬送システムや決済・セキュリティなどネットのインフラ企業にも商機となる。衛生意識の高まりは、トイレタリー需要を拡大させており、ドラッグストア大手の業績は最高益を更新する勢いとなっている。食料品業界では巣ごもり消費で袋麺が、健康意識の高まりでヨーグルト類などが伸びる見通し。またゲームも巣ごもり消費の恩恵を受ける業界といえる。

決算実績および業績予想を市場別に集計した。IT関連企業が比較的多い新興市場が8.8%の増益予想と健闘している。業績予想の伸び率の高い企業を並べると、新興市場、JASDAQに上場する企業が数多く上位にランクインする。

なお、業種別、市場別の調査結果の詳細、また集計の基礎となる個々の会社の業績見通しは6月26日発売の「会社四季報2020年3集夏号」に掲載している。
(エボル)

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