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生活習慣の改善で認知症リスク低減を目指す脳ドック用サービスの提供が開始

マイナビニュース / 2021年4月14日 13時35分

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画像提供:マイナビニュース

フィリップスは東北大学発のスタートアップ企業CogSmartが開発した認知症リスクの低減を目的とした脳ドッグ用オプションサービス「BrainSuite(ブレーンスイート)」の提供を開始することを発表した。

CogSmartは、東北大学 加齢医学研究所 機能画像医学研究分野の瀧靖之 教授をはじめとするメンバーが2019年に創業したベンチャー企業。東北大学で行っている脳発達・加齢に関する研究成果を社会に届けることを目的に創業したという。

フィリップスが提供することとなるBrainSuiteは、「高齢者の4人に1人が認知症の時代がくる」と言われている日本において、認知症の予防を目的とした脳健康レベルの可視化と認知症リスク低減を目的とした生活習慣の改善を促すプログラムだとしている。

この“生活習慣の改善を促す”というのが今回のプログラムの要となるという。なぜなら、認知症の発症で1番多いとされるアルツハイマー型認知症の発症や記憶をつかさどる脳の部位「海馬」の萎縮には、睡眠不足や運動不足、喫煙などといった生活習慣が深くかかわっているということが近年の研究から分かってきたからだ。

そして、海馬は脳の中でも神経新生(神経細胞が新しく生まれる)部位であり、有酸素運動などの生活習慣は神経新生を促す効果があるとされている。

瀧教授は「BrainSuiteは海馬に注目して開発を行った。認知症を診断するのではなく、今の脳の健康状態を可視化し、将来の認知症リスクを割り出し、どうやったらそのリスクを低減できるのかまでアドバイスを行うプログラムだ」と説明する。

プログラムの具体的な内容は、MR画像を用いた画像診断、リスク要因を調べるための問診と心理テスト、アメリカ食品医薬品局(FDA)が承認した認知機能機能テスト「CANTAB」の結果から、認知症リスクを低減するアドバイスを含めた結果レポートを対象者に提供しようというもの。

MR画像を用いた脳の健康状態の可視化には東北大が開発した「脳画像解析AI Hippodeep」ならびに「健常人データベース」が用いられるという。
○従来の測定時間を大幅に削減する「脳画像解析AI Hippodeep」

これまでの研究から、海馬は脳の中で最も早く変化が現れる部位であり、認知症発症に先行して海馬体積に変化が現れるということが分かっている。そのため同プログラムでは、認知症リスクの把握のひとつとして海馬体積の測定を行うとしている。

海馬体積の測定には、東北大学加齢医学研究所が約25,000例の脳MR画像データをもとに開発した脳MR画像解析AIである「Hippodeep」が使用される。Hippodeepの使用により、従来の解析方法では8~10時間かかっていた海馬体積の測定時間を1分弱に短縮できるという。

従来、海馬は複雑な構造をしているため、AIによる診断は難しかったが、同研究所では独自技術を活用することで高い精度で検出することに成功したとしている。

○認知症早期予防に必要な若い世代も含めたデータベースを活用

また、健康脳維持の指標として、東北大学で収集した健常な脳の横断データ約3,300例、縦断データ(8年)約650例と生活習慣情報を紐づけた「健常人データセット」が用いられる。これにより、個人の属性・生活習慣などによって脳にどのような変化をもたらすのかを評価することが可能だという。

これらの技術を活用して解析を行うことで、脳の健康状態の可視化が可能となり、それを踏まえたアドバイスを含めた結果レポートが利用者に提供されることとなる。

なお、同プログラムの導入に際して、医療機関側はMR画像を専用サイトを通してアップロードするだけで、結果レポートまでを提出可能だという。また、フィリップスが同プログラムの販売を担当するが、フィリップス以外の装置でも画像の条件を満たせば対応が可能だという。

フィリップスとCogSmartは、今後も”予防”という観点から健康のための行動変容を起こしやすくなるようなサービスの提供・開発で連携していきたいとしている。
(和根﨑友梨子)

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