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進む若者のクレカ離れ‐後払い決済サービス「atone」の新戦略とは?

マイナビニュース / 2021年9月17日 13時0分

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画像提供:マイナビニュース

ネットプロテクションズは9月16日、オンライン記者発表会を開き、同社が提供する後払い決済サービス「atone」に関する事業戦略を発表した。あえてクレジットカードを使わない日本人特有の心理を考慮し、透明性の高い後払い決済サービスを展開する。

同発表会に登壇したネットプロテクション マーケティング 兼 atoneシニア・プロデューサーの長谷川智之氏は冒頭、後払い決済サービス市場の現状について説明した。

昨今、後払い決済(BNPL:Buy Now Pay Later)が、クレジットカードに代わる決済方法として世界中で注目されている。米金融企業のFISの調査によると、世界のBNPL市場は2020年時点で約10兆6000億円に達している。また矢野経済研究所によると、国内規模でも2021年に1兆円を超える見込みだ。

9月7日には米決済大手のペイパルが、BNPLサービス「ペイディ」を提供するPaidyを約3000億円で買収すると発表した。世界中で成長が加速している同市場の裏側には、利用者のクレジットカードによる金利を避けたいというニーズが存在する。

欧米豪では、若年層を中心に「クレジットカードの手数料が高い、でも分割払いはしたい」といったニーズから、BNPLが支持され始めている。スウェーデンの「Klarna(クラーナ)」、オーストラリアの「afterpay」、米国の「affirm(アファーム)」はいずれも分割払いに対応しており、4回の分割までなら手数料無料で利用できる。

【関連記事】
≪ペイパル、3000億で後払いサービスのPaidyを買収‐国内決済機能を拡充≫

一方で、事業年数が21年目となり、BNPL企業のパイオニアといえるネットプロテクションズは、2020年に年間取扱高4300億円を超えた。国内業界シェアは約40%。しかし、同社の提供するすべての後払い決済サービスが無利子の分割払いには対応していない。その理由は、「クレジットカードや分割リボ払いを好まない日本特有の消費者が増えているからだ」と、長谷川氏は話す。

同社が日本の消費者を対象にして行った調査によると、クレジットカードを利用したくない理由として、「セキュリティが心配」が70%が一番多く、「利用額が分かりにくく使いすぎが心配」が62.5%と、「支払いの仕組みや金利が怖い」の61.8%よりも多い。日本市場では、分割払いに対応していなくても、十分に後払い決済の需要があることが考えられる。

ネットプロテクションズが提供する「atone」は、上限5万円までの後払いが可能で、翌月にコンビニで一括で支払える会員サービスだ。利用額の0.5%がポイントとして貯まり、次回利用時の値引きに使える。利用分はアプリでいつでも確認することが可能で、コンビニ現金支払いにも対応している。

同社はatone以外にも、消費者向けBNPLサービス「NP後払い」を提供しているが、同サービスは会員登録なしで利用することが可能。「NP後払いは初回の利用に適している。継続的な利用により快適に対応できるのはatone。両サービスで消費者全体の広いニーズを満たすことができる」と、長谷川は強調した。

NP後払いの年間流通総額は3200億円。今後、NP後払いのポイント会員サービス「NPポイントクラブ」とatoneの会員基盤を統合し、両サービスの事業強化を図る。年間1580万人のユーザーをポイント制度で会員化し、継続的な収益を狙う。

それに加えて、同社はatoneの加盟店・ユーザーを増加させ、適切な流通を促すために、さまざまな戦略を打つ。まずは注文フローを簡略化させる。atoneを用いたログイン機能により、ユーザーの情報入力の手間やミスを削減し、事業者に対しては、ユーザーのカゴ落ち(ECサイトでユーザーが商品をカートに入れたものの、離脱してしまうこと)の削減を実現させる方針だ。

さらに、月内の最大利用金額をユーザー自身で設定できる仕様にする。これにより、ユーザーの利用金額の自己管理を促し、「使いすぎないか心配」といった日本特有の消費者心理に対応。

そのほか、健全な販売促進キャンペーンの強化や、API接続方式の追加、NP後払いとのインターフェース統合を行い、加盟店増加を狙う。「購入者に無理を強いない。不明瞭さなく不要な購買を増進しないシンプルな後払い決済サービス事業者を目指す」(長谷川氏)
(早川竜太)

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