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佐野正弘のケータイ業界情報局 第134回 日本の5G、整備が加速しないのは“儲からない”から!?

マイナビニュース / 2024年8月21日 17時30分

そしてもう1つ、両社がともに収益化を進めるうえで非常に重要だとしているのが、スタンドアローン(SA)運用への移行です。現在のノンスタンドアローン(NSA)運用では、4Gと5Gを一体で整備する必要があるため、5Gの性能をフルに発揮できません。しかし、5Gの設備のみで運用するSAに移行すれば、5Gの特徴の1つでもある「ネットワークスライシング」という技術が使えるようになります。

これは、5Gのネットワークを仮想的に分割し、用途に応じた専用のネットワークを提供できるもので、ある意味、特定の人や企業が占有できる、品質が保証された「専用線」をモバイルで実現するような技術といえるでしょう。それゆえ、ネットワークスライシングで品質を保証したネットワークを提供して新たな付加価値を生み出すことが、携帯電話会社の新たな収益源につながるというわけです。

ですがSAへの移行、そしてネットワークスライシングを導入するうえでは、分割してもなお高速大容量通信を実現できる十分な帯域幅のネットワークが必要で、そのためには5Gらしい高速大容量通信を実現するネットワークの整備が不可欠です。そして、そのためには大規模な投資が必要なのですが、携帯電話会社が思い切った投資に踏み切れないので整備が進まず、SAへの移行が遅れ収益向上に結びつけられない……という悪循環に陥っていることこそが、最大の課題といえそうです。

佐野正弘 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。 この著者の記事一覧はこちら
(佐野正弘)



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