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書くことを選び、作家デビューしたラランド ニシダに聞いた「指針になっている本」とは

マイナビニュース / 2024年8月30日 9時0分

芸人として一定の評価を得たニシダさんが、なぜ書くことに、ひいては芥川賞にこだわっているのか? その裏側の気持ちには、結構共感ポイントがあります。
■文章の「指針になっている本」

今まで読んだなかで「一番気高い本」とするのは、近藤康太郎さんが書いた『三行で撃つ』(CCCメディアハウス)。ニシダさんが小説を書くための方法論を探す過程で見つけた、文章を書くうえでの「指針になっている本」です。近藤さんの文章はとにかく「文章がうますぎて良くないなって思うぐらい」だとか。

近藤さんは新聞記者として海外支社などでも働いたのち、突然長崎に畑を買い、朝は畑仕事や狩猟、昼から新聞記者の仕事、という一風変わった生活を始めます。文章の技術と、人とは違う境遇が掛け合わされるので、とにかく書いたものがおもしろい。

『三行で撃つ』のなかでニシダさんが参考にしていることの例としてまず挙げたのが、本当に大切なことは「ユーモアを交えて書け」「苦い薬ほどチョコで包め」ということ。結構真面目なところがあるニシダさんだからこそ、このアドバイスが刺さった理由には納得です。
■書くことは「自己否定」

『三行で撃つ』のなかで、もうひとつ挙げてくれた参考ポイントは、「常套句を書くな」。常套句を使うことは、自分の視点を捨てることにつながるからです。

たとえば「抜けるような青空」。ほかに自分なりの表現が見つからなかったら、単に「青空」としたほうがまだいい。小説であれば、登場人物がどのような状況、感情でその空を見ているのかをまず考える。この後に何か素晴らしいことが起きることを予感させるのか。

こうした「ハウツー」には哲学を感じます。答えがわかっていることではなく、自分のなかで解決できない問題をなんとか言語化しすることでその問いに応えようとするのが、「書くこと」の本質。だからこそニシダさんは、自分でも何なのかよくわかっていないことを書こうと心がけているそうです。

その観点で考えると、芸人と小説を書く仕事はニシダさんにとって「すごく食い合わせが悪い」。芸人は明るく楽しく、つねに「自己肯定」である一方、ものを書く作業は「ずっと自己否定」。その矛盾の解決策も、なかなかにニシダさんらしいです。

いかがでしたか? これらの内容を、ラランド ニシダさんの声と表情付きで受け取れば、より強い納得感を得られるはずです。ご興味のある方はぜひ、本編動画をお楽しみいただけますと幸いです。

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