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メディアから見た建設産業の近未来像とは

マイナビニュース / 2024年9月19日 10時0分

●より良い仕事を選ぶ際にCCUSが武器になる
野原: 働き方改革も建設産業で求められているところですが、建設現場はいわゆる「3K」(キツイ・キタナイ・キケン)と言われてきました。高齢化もあり優秀な技能工の数が減る、あるいは技術継承がされないことについて、どのようにお考えでしょうか。

例えばCCUS(※7)は、「職人の賃金を上げる」ことを目的として始まり、業界団体も登録を呼びかけています。一方で建設現場からは登録したものの、実際に賃金アップにつながっている実感がないという声もあり、ギャップが生じています。

新・担い手3法など政府の姿勢も変わりつつあり、今後、高齢化で労働の需給がタイトになると自然と賃金が上がるという見方もありますが、こうした問題を乗り越えるために、国や業界団体の打ち手として、どのようなことがあると思われますか。

※7 CCUS:建設キャリアアップシステム。技能者が、技能・経験に応じて適切に処遇される建設業を目指して、技能者の資格や現場での就業履歴等を登録・蓄積し、能力評価につなげる仕組みのこと

牧野: CCUSに対していろいろな意見があることは事実です。とはいえ登録者数は間違いなく増えていますし、規模のインパクトは確実にあります。

働く方たちが処遇の良い職場を選んでいくためには、どういう現場でどういう経験をしてきたのかをしっかりと説明する必要があります。それがあるからこそ、「こういう報酬をもらうべきだ」と言えると思うのですが、今まではなかなか難しかったはずです。これまでの経験を客観的に見える化するCCUSは大きな力になるはずです。

昔から優秀な職人は、良い相手や良い仕事を選んできたでしょうし、これからも同様でしょう。現状は生みの苦しみの時期かもしれませんが、専門紙としてCCUSをプラスに活用していくプレイヤーをしっかり情報発信していきたいと思っています。

佐藤: 2024年2月末時点におけるCCUSの技能者登録数は約140万人。技能者全体が約320万人と推計される中、登録率は4割を超えています。大手ゼネコンから聞いたところによると、現場への入場者の約
75%が登録しているとのことなので、大手ゼネコンが手掛ける現場ではほぼ目標に達しています。

片や住宅工事や、地域の建設現場で働く方の多くは未登録と見られます。また、就業履歴(カードタッチ)数はまだ十分に増えておらず、本来の目標には道半ばです。

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