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メディアから見た建設産業の近未来像とは

マイナビニュース / 2024年9月19日 10時0分

要因の一つは能力評価制度(レベル判定)の申請が低調であるということ。レベル1から最高4まで段階的に上がる仕組みですが、登録しただけで能力評価の申請をしないのでレベル1のままというケースが多いようです。2023年2月時点の登録者111万人のうちレベル1は93%を占め、レベル2以上は7%にとどまっています。

国土交通省は、2024年4月以降はワンストップで登録とレベル判定ができるよう仕組みを変更する予定です。CCUSが普及し、本来の目的を達成できると、賃金アップにつながると思います。

野原: 2023年夏の登録者数は90万人程度だったので、着実に増えているようですね。

橋戸: 大規模言語モデルやチュートリアルの充実などが役立つのではないでしょうか。例えば、RC工事のポイントや注意点を教えてくれる大規模言語モデルがあれば、そこに質問を投げ込むことで回答が得られ、それに付随するチュートリアルの動画が見られるといったサービスは増えてくると思います。

また、VRやMRなどを使ったチュートリアルが体験できる仕組みができれば面白いですよね。もちろん、大規模言語モデルからの回答やチュートリアル動画だけでは完全な技術継承は達成できないと思いますが、ある程度は役に立つのではないでしょうか。

また、標準化も有効ではないかと思います。建築は一品生産品なので、全てを標準化することは難しいと思いますが、生産性向上や品質確保の点から考えても標準化を進めることは意味があると思います。

野原: チュートリアルの話は面白く、個人的にはそういう方法は有効だと思いました。一方で標準化については、例えば、標準詳細図がない現場があまりにも多いのは、建設産業の課題です。多くのことをその場で決めて、一品生産で作れば間違いだって起きやすくなります。標準を決めておくことでトラブルの解消につながりますから、海外でも標準化が増えてきていると理解をしています。

橋戸: おそらくですが、ゼネコンの利益の源泉が一品生産に由来する部分があるのかもしれません。

●地道な情報発信や労働環境の整備が魅力向上につながる
野原: かつて大工などは稼げる仕事であり、子どもたちの憧れの職業でしたが、最近は残念ながら人気の職業とは呼べなくなっています。

加えて建設産業は、他の産業と比較しても、従事者の高齢化が顕著ですが、一方で入職者、特に「若手の新規入職」の取り組みには苦労をしています。若手に、建設産業での働き甲斐や魅力が伝わっていないのでしょうか? この点について、皆さんの所感や取材先での声があればお教えください。

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