メディアから見た建設産業の近未来像とは
マイナビニュース / 2024年9月19日 10時0分
また、例えば人手不足だからこそプレキャスト化やデジタル活用といった生産性向上の動機付けが働くという側面もあると思います。私は雑誌を作っているので、問題提起というよりも、その問題を解決するための創意工夫を紹介したいと考えています
。
さらに言えば、そういった創意工夫により、新しい技術や他社との差別化を図り、受注額を維持や増加できると良いと思います。造形的に複雑な建物が増えている印象ですが、そういった造形に対応できる技術を持つ企業は価格交渉においても優位になるのではないでしょうか。
※2 エンボディドカーボン:建物やインフラの建設や改修に際して排出される温室効果ガス量を指す
※3 ZEB:Net Zero Energy Building/ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの略称。建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物
野原: 建設や設計には請負契約の場合が多くあります。今おっしゃったようなマーケティングをして、付加価値をエンドユーザーに伝えていくのはなかなか難しいと思われてきました。ただ、請負であっても戦略は立てられるし、できることはあるということですね。
●高まるDXへの関心が建設産業の課題を解消する
野原: 先ほど挙がった課題に対して、解決策として期待されているものにはどのようなものがありますか。「BIM」や「施工ロボット」「ICT(Information and Communication Technology・情報通信技術)建機」「VR(Virtual Reality・仮想現実)」「AR(Augmented Reality・拡張現実)」など、建設DXへの取り組みは、その一つだと思います。
特に「BIM」は2023年末の建築の先端技術展「JAPAN BUILD」でも、出展社数も来場者数も年々増えており、当社でもより注目が集まっていると感じています。メディアとして注目している分野、領域が具体的にあればそれも教えてください。
佐藤: 2009年は「BIM元年」と言われています。建設通信新聞では、その前年から特集を組むなど、積極的に取材をしてきました。また、日本建設業連合会や土木学会土木情報学委員会とのタイアップによるセミナーも開催しています。このように、特集、セミナー、ライブを継続できているのは、それだけ関心が高いということであり、それは生産性の向上、建設DXの必要性に迫られている証拠でしょう。
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