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DXの本質とは何か

マイナビニュース / 2024年9月27日 10時0分

野原: 専任の人材や専門のチームも必要になります。

長谷部: そうですね。教科書的に言われるのは、DXの戦略を策定しロードマップを作ると必要なDX人材が明確になるので、DX人材育成はその後にするという流れで考えることです。

もっとも、実態として、DXを理解したり、スキルアップする前に戦略やロードマップを描ける人はあまりいません。よって、人材育成である程度の経営層や推進リーダー層が正しくDXを理解し、その後に外部の力を借りながら戦略を策定する流れが多いと思います。

野原: なるほど。そうした専任人材は「IT人材」や「DX人材」と言われます。彼ら、彼女らに必要なマインドセットやスキルは何でしょうか?

長谷部: 経済産業省とIPA(独立行政法人情報処理推進機構)は、DXを推進する人材を、「ビジネスアーキテクト」「データサイエンティスト」「サイバーセキュリティ」「ソフトウェアエンジニア」「デザイナー」といった5つの人材類型に分けています(下図参照)。そして、彼らに限らず「全社員がDXリテラシーを身につけておく必要がある」と述べています。

長谷部: 「ビジネスアーキテクト」はDXの戦略立案や全体設計を行う人材のことです。デジタルが浸透する前においても、新しいビジネスモデルを作れる人材はそう多くなく、さらにそこからハードルが上がった感はあるでしょう。

あるいは専門的なスキルである「デザイナー」も単にビジュアルをデザインするのではなく、UI(ユーザーインタフェース)・UX(ユーザーエクスペリエンス)(※9)のデザインもそうですし、課題解決や価値創造の仕組みをデザインすることも含んでいます。こういった点を理解する必要もあるでしょう。

いずれにしても、私なりにかみ砕いたDX人材の狭義の意味は、先に挙げた5つの人材タイプで、DXを推進するコアな人たちです。ただし、広義の意味でのDX人材は経営層から現場に至るまでの全社員です。

※9 UI/UX:UIはユーザーがデバイスやソフトウェアとやりとりするインタフェースを指し、UXはそのインタフェースを使用する際に得るユーザーの全体的な体験を指す

野原: 専任人材を特別視してしまうと、やはり他人事になってしまうのかもしれませんね。また5つの人材類型のうち「サイバーセキュリティ」「ソフトウェアエンジニア」「デザイナー」は専門的なITスキルを指しますが、それ以外の二つ、「ビジネスアーキテクト」と「データサイエンティスト」はまた違うビジネスの視座や感覚が必要に思えます。そうした全社員的なDX人材の中から生み出すのが良さそうに思えます。

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