YouTube『友近サスペンス劇場』が異例のヒット 各局のテレビマンが頭を抱えて悔しがる理由とは
マイナビニュース / 2024年9月25日 11時0分
●地上波は2時間ドラマレギュラー枠が消滅
YouTubeで公開されている『友近サスペンス劇場 外湯巡りミステリー・道後ストリップ嬢連続殺人』がネット上で話題を集めている。
この動画は、主に昭和時代の映像を再現したYouTubeチャンネル『フィルムエストTV』で、9月13日に公開されたサスペンスドラマ。25日時点で250万再生を超えるヒットとなったほか、21日に大阪で上映会&トークイベントが開催され、東京でも10月1日に予定されている。
そのタイトルから、サスペンス好きの芸人・友近が手がけたものであることは一目瞭然だが、パロディとしての目新しさはないだけに、なぜここまでのヒットにつながったのか。テレビ業界に与える何らかの影響はあるのか。テレビ解説者の木村隆志が掘り下げていく。
○コントに走らず再現性を追求
同作が「よくあるパロディ」に留まらず、大きな反響につながったのは、突き抜けた再現度の高さにほかならない。
「懐かしさまで感じさせてくれるほどガチの再現クオリティでビックリ。昔っぽい台詞の言い回しとか、親世代のファッション…涙が出てくる」
「『あの頃』のクオリティ高すぎてもはや感動」
「二時間サスペンスファンの皆さんに是非見て頂きたい。 平成初期の香りが芳しいCMも完璧に作ってある」
「服装に髪型に小道具 役者の喋り方とか演出とか 画質もCMも 見事な再現っぷりでひたすら感心しきり」
「友近→片平なぎさ、芝→船越 に似せて演じてるな 私には分かる めちゃくちゃおもろい」
「まさかのリアルドラマの長さ。完璧に昭和でした。すごい」
ネット上はこれらのような絶賛で埋め尽くされている。サスペンスに限らず単にドラマの「あるある」を集めたバラエティ企画はしばしばあり、今年4月3日に『くりぃむしちゅーのベタドラマ』(日本テレビ)が18年ぶりに復活したことを覚えている人もいるだろう。ただ、これらのバラエティは視聴率対策やスポンサー配慮を踏まえて制作されるため、スタジオゲストのトークやクイズパートなどが挟まれ、『友近サスペンス劇場』ほどディテールを突き詰められない。
その点、『友近サスペンス劇場』は、画質、物語、カット割り、カメラワーク 演技、音楽、テロップ、ナレーション、クレジット、CMまで「スルーしたところは1つもない」と思わせるほどの妥協なきスタンスで再現。「往年の『火曜サスペンス劇場』(日テレ)そのもの」と言っていいレベルだけに、レギュラーの2時間ドラマ枠が消滅した令和の今、なおさら希少価値を感じた人は多かったのではないか。
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