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吉川明日論の半導体放談 第313回 AMDやIntelと深いかかわりあいのあるPlayStationの半導体

マイナビニュース / 2024年9月24日 14時44分

画像提供:マイナビニュース

PlayStation 5 Pro(PS5 Pro)が発表された。GPUの演算ユニット数のPlayStation 5(PS5)比で67%の増加とメモリーの28%高速化させることで実現したハードウェアの性能向上に見合う強気な値段設定は、PlayStationとしての新製品に懸ける意気込みを感じる。これまでの主力であったPS5と比較して遥かに高いグラフィック性能は、シーンに応じたダイナミックな光の反射や屈折を表現し、私のような門外漢にもレイトレーシング性能の段違いな進化が感じられる。演算エンジンに使用されているGPUはPS5同様AMDが設計したAPUだ。

PS5 Proの発表から間もなく、ロイター通信が「PlayStaion 6(PS6)のエンジン競争でIntelが敗れる」と指摘した興味深い記事を掲載した。関係者への聞き取りをベースにしたこの記事によると、次世代機種のPS6には再びAMDのAPUが搭載されることになったらしい。
PlayStationのエンジンの歴史

ゲームコンソールの歴史において初代PlayStation(PS)の登場は劇的だった。もともと“NEWS”というワークステーションを手掛けていたソニーの技術陣はグラフィクス性能にはとりわけこだわっていた。ワークステーションの性能を遊びに持ち込もうという思いを込めて開発された初代PlayStationのエンジンにはグラフィクス性能に長けるRISC(Reduced Instruction Set Computer)型CPUを検討していて、AMD、Intel、Motorolaを含むRISCプロセッサーを評価した結果、NEWSワークステーションにも使用されていたMIPS系が選抜され、R3000コアをカスタマイズしたCPUが選ばれた。このカスタムチップにはポリゴン高速処理用のベクタープロセッサーが含まれており、グラフィクス性能は格段に高まった。その後に登場したPlayStasion 2(PS2)はやはりMIPS系のR5900コア128ビットのカスタムチップが採用された。ソニーと東芝の共同開発による“Emotion Engine”と呼ばれ、このプロセッサーは急速にデジタル化する家電への応用も視野に入れたものであった。その後のPlayStasion 3(PS3)ではIBMが開発に加わり、ソニーと東芝の2社にIBMを加えた3社による共同開発で“CELL”と呼ばれるカスタムチップが開発された。ゲームコンソール黄金時代となるこのころからは、総出荷台数は1億5000万台を超えるようになり、MicrosoftのXboxと並び大きな半導体市場セグメントとなっていった。

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