KEK、重力波を用いてダークマターの“起源”を探る革新的な手法を開発
マイナビニュース / 2024年9月24日 17時25分
そこで研究チームは今回、天体由来ブラックホール同士の合体など、遠方で放出される重力波に対し、PBHからの重力レンズによる回折現象による特異な変調パターンを見ることにより、PBH周辺のダークマターのハローを探索するという革新的なアプローチの確立を試みることにしたという。
今回提案された手法は、天体の合体時に発生する重力波がブラックホールを通過する際に、重力レンズによって振幅が周波数に依存してユニークに変化することを利用するというものだ。これが、ブラックホールを取り囲む拡がったダークマターハローの存在と分布に非常に敏感であることが示されたとする。
また今回の研究は、PBHの検出手法を提供するだけでなく、周囲にダークマターハローがある(服を着た)PBHと、それがない(裸の)PBHを明確に区別することを可能にするという。これまでに提案されてきた多くの検出アプローチでは、単独のPBHのハローの有無で決定的な違いが出る観測量を見つけることが目指されており、それがとても難しかったため、今回の手法は画期的としている。さらに今回の研究は、PBHが新粒子と共にダークマターとして共存する理論を、直接検証し、決定的に裏付けることができるとしている。仮に、上述したようにダークマターがマクロなPBHとミクロの新粒子から構成されているのであれば、今後の観測で決定的な発見につながる可能性があるとしている。
今回の発見は、ダークマターの組成に関する新しい視点を提供し、同物質を探求するための新しいツールを確立するものとする。宇宙に拡がるダークマターが単一の存在ではなく、マクロとミクロの構成要素の混合物として存在する状況を探求する道を開くものとした。実験的に確認されれば、宇宙初期の状況や、重力波望遠鏡によって検出された重力波事象から新情報も提供し、新たな発見への道を開くことになるとしている。
(波留久泉)
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