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東大など、皮膚に貼り体内の生化学情報を連続で取得可能なセンサを開発

マイナビニュース / 2024年9月24日 17時27分

画像提供:マイナビニュース

東京大学(東大)、三洋化成工業、本田技術研究所、大阪大学(阪大)の4者は9月20日、体にやさしく長持ちする最先端のハイドロゲルを使い、皮膚に貼って用いる中空型針状センサを開発したことを共同で発表した。

同成果は、東大大学院 工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻の高井まどか教授、同・三宅亮特任教授、同・笠間敏博特任准教授、同・周詩承大学院生、同・栾奕男大学院生、三洋化成工業 バイオ・メディカル事業本部 医薬品研究グループの千野裕太郎主任、本田技術研究所 先進技術研究所 安全安心・人研究領域の光澤茂信チーフエンジニア、阪大大学院 医学系研究科 統合薬理学の日比野浩教授(日本医療研究開発機構 革新的先端研究開発支援事業 兼任)、同・Norzahirah Binti Ahmad大学院生らの共同研究チームによるもの。詳細は、米国化学会が刊行するナノサイエンス/テクノロジーに関する全般を扱う学術誌「ACS Nano」に掲載された。

多彩な生体情報をリアルタイムで計測可能な、生体装着型の小型ウェアラブルデバイスのニーズが高まりつつあり、健康状態などを把握するためのバイオマーカーとなるような、グルコース(ブドウ糖)やイオンといった生体内の生化学物質を低侵襲にモニタリングするデバイスが求められているが、その実現にはまだ数多くの解決すべき課題があるという。

その課題の1つが、どのように体内の生化学物質をモニタリングするのかという点。生化学物質は血液を筆頭に、汗、唾液、涙などに含まれているが、現在の医療では血液中から採取されるのが一般的だ。しかし、血液は、ある程度の太さの針を皮膚に刺して採取する必要があり、痛みを伴う。それを考慮すると、できるだけ痛みを伴わない方法を用いつつ、それでいて正確なバイオマーカー情報を取得できる手法が求められている。

そうした中で注目されているのが、最近になって、「細胞間質液」中の成分が、血液にとても近く、良い相関があることが報告された点。皮膚のすぐ下に存在する体液も細胞間質液なので、それを対象とするのであれば、通常の注射針よりも細く短い針を利用できるという。また、針にセンサを組み込むことで、バイオマーカーをリアルタイムで連続的にモニタリングすることも可能とした。そこで研究チームは今回、皮膚に貼って間質液中のバイオマーカーを連続的に検出する針状センサの開発に取り組むことにしたという。

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