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東大など、皮膚に貼り体内の生化学情報を連続で取得可能なセンサを開発

マイナビニュース / 2024年9月24日 17時27分

今回の研究では、皮下細胞間質液に含まれるバイオマーカーを検出するため、生体適合性に優れた中空型針状センサが開発された。同センサは、従来の針よりもはるかに小さく、長さが約1mm、先端の穴の直径が50マイクロメートルであるため、皮膚を貫通しても神経末端や毛細血管を避けることができ、痛みを劇的に低減できるとする。

現在報告されている、細胞間質液からのグルコース計測を行うことのできる針状センサの多くは、穿刺(せんし)用の針へ単にグルコースに応答する感応膜を重ね合わせるだけの単純な構造だという。それに対して今回のセンサは、中空の針の先端に穴が開いており、その内部がセンサとして用いられることが大きな特徴だとする。なお、針の材料には、生体に安全なポリ乳酸が使われている。またセンサの電極には、体に負担のない金めっきが施された。そして、グルコースなどのバイオマーカーを検出する物質を練り込んだハイドロゲル感応層が、中空の穴に埋め込まれた針状センサが作製された。中空の針状電極にハイドロゲル感応層を埋め込むという設計は、従来に無いものとしている。

この新型センサの性能について、これまでにあった針の外側にハイドロゲル感応層を張り合わせたものとの比較検証が、数値シミュレーションと実験を組み合わせて行われると、ポリマーを用いたハイドロゲルの水環境が酵素の活性を維持する仕組みにより、今回の新型センサは応答性、感度において大きな向上が認められたとした。

次に、この新型センサを、動物(今回の研究ではラット)に装着し、リアルタイムで正確に血糖値をモニタリングできるかがテストされた。その結果、血液中のグルコース濃度と、センサで検出された細胞間質液のグルコース濃度の高い相関が得られたという。さらに、生物学的安全性試験により、ヒトとマウスの細胞に対する毒性がないことも確認されたとした。

研究チームは今後、センサの機能を拡張し、複数のバイオマーカーを同時にモニタリングできるようにすることで、さらなる個別化医療の拡充を目指すという。具体的には、今回の針状センサに無線信号伝送システムを組み合わせ、遠隔かつリアルタイムで健康をモニタリングできるようにしたいとしている。
(波留久泉)



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