QualcommがIntelに買収を打診か? 背景にある半導体業界の変化
マイナビニュース / 2024年9月24日 16時35分
QualcommがIntelに買収を打診している模様であると米国の経済紙Wall Street Journalが9月20日付で報じて以降、多くのメディアも後追いの形で続々報道している。
QualcommもIntelもこの件について公式には認めていないが、実現すれば半導体業界における過去最大規模の買収となる可能性が高い。
Qualcommの時価総額は1880億ドル、それに対してIntelの時価総額は950億ドルほどで、時価総額の規模で見れば、QualcommがIntelを買収することは不自然ではない。この報道以来、株式市場においては、Intelの株価は上昇したが、リスクを背負うこととなるQualcommの株価は下落した。
ただし、IntelがQualcommによる買収提案を受け入れるかどうかは極めて不透明なうえに、仮に両社が合意に達したとしても、各国の規制当局の承認を得るのは難しそうだ。2016年、QualcommはNXP Semiconductorsに対する買収を発表したが、中国規制当局の承認が得られず、2018年に破談となった過去がある。最近でもNVIDIAによるArmの買収提案が各国の規制当局からの承認が得られず挫折した経緯がある。
QualcommとIntelのシナジー効果はあるのか?
Qualcommは、スマートフォン(スマホ)用のアプリケーションプロセッサ(AP)で成長してきた企業である。
しかしスマホ向けSoCはAppleを筆頭に、Samsung Electronics、Huaweiなどの大手各社が内製化を進めているうえに、MediaTekを中心に競合企業も台頭してきたこともあり、受注が減少するリスクを抱えている。
しかもスマホ市場自体、将来的に右肩上がりが続くかというとこれまでのような市場拡大は難しいと見られ、Qualcommとしても、現状打破に向けて他分野への進出を目指した取り組みを進めている。NXPへの買収提案も車載分野の強化を目指したもので、最近も同社はスマホ依存からの脱却に向けて、PC向けSoCとして「Snapdragon Xシリーズ」を発表。「Performance Reborn(パフォーマンスの復活)」を標ぼうし、CPUのみならず、GPU、NPUなども強化することで、IntelおよびAMDというx86勢に先駆ける形でMicrosoftのCopilot+ PCの認証を取得するなど、話題を集めている。
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