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名大など、自動車の軽量化につながる耐衝撃性が高い構造用接着剤を開発

マイナビニュース / 2024年9月25日 19時48分

そこで研究チームは今回、室温でゴムのように機能し、一方でプラスチックのような加工性も併せ持つスチレン系熱可塑性エラストマーの一種である「ポリスチレン-b-ポリイソプレン-b-ポリスチレン」(SIS)ブロックポリマーを使用した添加剤の開発を試みることにしたとする。

熱可塑性エラストマーとは、プラスチック成分とエラストマー(ゴムのような弾性挙動を示す材料)成分の両方を化学結合でつないだポリマーからなる、熱可塑性(加熱時に物体を変形させ、その後力を除いてももとの形に戻らない性質)を示すエラストマー材料のこと。その中でスチレン系とは、プラスチック成分である「ポリスチレン」を含有したもののことをいう。SISは、そのポリスチレンと、ゴム成分の「ポリイソプレン」という異なるポリマー成分を、共有結合でABA型でつないだブロック型のポリマー(ブロック共重合体)。

SISが添加されたエポキシ樹脂系接着剤が開発され、その衝撃強度と剥離強度が調べられると、ゴム成分未添加のエポキシ樹脂系接着剤と比較して、衝撃強度で約11倍、剥離強度で約1.3倍の向上が実現したという。さらに、名大で独自開発された「水素結合性SIS」が添加されたところ、衝撃強度は約22倍、剥離強度は約2.1倍にまで向上。ゴム成分添加のないエポキシ樹脂系接着剤と比べ、大幅な性能向上が確認されたとした。

今回開発された、SISもしくは水素結合性SISが添加されたエポキシ樹脂系接着剤は、衝撃強度や剥離強度などの接着性能で大きく上回りながら、従来のエポキシ樹脂系構造用接着剤と同様に異種材料接合も問題なく可能だとする。そして、同接着材を適切に車両に適用していくことで、軽量化や走行安定性の向上、燃費改善や排出ガス削減に大きく寄与できるはずとしている。研究チームは今後も、同技術の社会実装を目指し、研究開発を進めていくとしている。
(波留久泉)



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