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岡山大、玉ねぎ含有成分がアルコールの毒から体を守ってくれる可能性を発見

マイナビニュース / 2024年9月27日 16時44分

次に、ケルセチンのアセトアルデヒド細胞毒性への影響が評価されると、どの細胞株においてもケルセチンは毒性を有意に抑制したが、細胞2ではその抑制効果が減弱することが見出された。一方、ケルセチンは野生株や細胞1の総ALDH活性を増強したが、細胞2ではまったく変化がなかったという。これらの結果から、ALDH1A1という分子種がALDH2の機能が低下した肝細胞において、ケルセチンの細胞保護作用に重要な役割を果たしていることが示唆されたとした。

続いて、ケルセチンはアセトアルデヒドが誘導する酸化ストレスを抑制するだけでなく、抗酸化物質合成酵素である「ヘムオキシゲナーゼ-1」(HO-1)の発現レベルを上昇させることも見出された。さらに、HO-1酵素活性阻害剤がケルセチンの酸化ストレス抑制作用と共に細胞保護作用を著しく低下させたことから、ケルセチンの保護作用には、総ALDH活性だけでなく、抗酸化物質合成酵素HO-1の酵素活性が重要な役割を果たしていることが示唆されたとした。

今回の研究成果の解釈には、どちらも培養細胞モデルを用いた実験であるため、実際のヒトの生体内での効果として直接反映できないという欠点があるとする。したがって、動物実験モデルや介入試験でのケルセチンの有効性評価が、今後の課題だという。しかし今回の成果は、ケルセチンが東アジア人特有のALDH2遺伝子多型による二日酔いの症状の軽減や、アルコール性肝疾患のリスク低減などに貢献することを期待させる実験結果といえるとした。

今回の研究により明らかとなった、ケルセチンの肝細胞保護効果は、近年注目されているポリフェノールの健康増進作用に関して、新たな科学的根拠を提供するもの。そのため、食品成分の持つ機能性や安全性の科学的理解に大きく貢献することが期待されるとする。また、今回明らかにされたアセトアルデヒド毒性に対する細胞保護作用に基づいた、新規機能性食品やサプリメントの開発に貢献することが期待されるとしている。
(波留久泉)



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