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人間の感覚を"拡張"し、乗り物を安全に楽しくするデバイスとは? -ヤマハ発動機「感覚拡張HMI」開発者に聞くその仕組みと秘密

マイナビニュース / 2024年11月29日 17時0分

――「人間研究」とはどういう概念なのでしょう?

今我々が「人間研究」で取り組んでいることは、“感動”に関する研究です。そもそも感動とは何か、ヤマハ発動機が目指す感動とはどんな感動なのか、ヤマハ発動機の感動を実現するために必要なエッセンスは何なのか……そういったテーマに対して、人文社会科学的、いわゆる文系的なアプローチとエンジニアリング的アプローチの両方から研究を行っています。

ヤマハ発動機は昔から感覚・感性を重視し、「感動創造企業」を謳ってきました。オートバイやウォータービークル、車椅子などのパーソナルモビリティって、人とサイズ感が近いですし、物理的にも心理的にも距離感が近いのりものです。自分の体のように操れる身体的な一体感と、唯一無二のパートナーのような心理的な一体感の両立とバランスが大切だと考えて研究を進めています。

――これまでも人間研究の研究結果に基づいてサービスや製品などを展開してきたんですか?

例えば、2024年に発売したスポーツバイク「MT-09」のハンドルスイッチのデザインには、人間研究チームに所属するデザイナーも参加しています。バイクには様々なスイッチ類がありますが、そのデザインや配置、形状などを人間の視点で開発しているので、運転しながら直感的に操作できるデザインになっています。

――今後の製品開発にあたり、「人間研究」や「感覚拡張HMI」をどのように活かされるのでしょうか。これからの展望を教えてください。

「感覚拡張HMI」は、実際に搭載できるかどうかオートバイや四輪車、自転車などいくつかの乗り物で検討している段階ですが、歩行者など乗り物以外のなど様々な可能性も考えています。この技術を世の中に普及させ、安全に貢献しながらそれでいて楽しさと安全も両立する。そういったヤマハ発動機らしい安全を追求する姿勢が広まることで、結果的に世界中で事故が減るといいですよね。

まだまだ研究段階なので、実際のサービスになるのは少し先になりますが、逆に言うと流行りに流されない本質的なことを理解して、この先10年20年、30年先の「価値のコア」を定義し、世の中の方に訴えていきたいです。

人間が持つ本来の感覚を拡張する「感覚拡張HMI」は、バイクにとどまらず応用の可能性があるという。ヤマハ発動機の技術が叶える、より安全で楽しい運転のできる未来に期待したい。
(猿川佑)



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