映像業界で日本と世界をつなげる架け橋に――“クリエイトベース”の雨無麻友子Pが感じる構造的問題と期待
マイナビニュース / 2024年11月30日 7時0分
こうした多くの課題が潜む中、『SHOGUN 将軍』の成功も受け、雨無Pは「日本の独自性を生かした作品作りは今後の海外マーケットへ向けての第一歩になりそうです。そもそも日本は職人気質で練り込んで作るのが得意。そうした歴史的な性質や建造物をロケーションで生かしたり、そうした文化や風景を生かす。時代劇もそうですが『ブレードランナー』的な取り扱い方(※)もあるはず。グローバルな配信プラットフォームの拡大により、世界に見られることが作品の幅も広げるのでは」と語る。
(※)…『ブレードランナー』の劇中には、日本語の看板・広告が多数登場する
過去にドメスティックに成功したがゆえにさまざまな課題を抱えてしまった日本の実写映像業界。そのメソッドに触れてこなかった雨無Pのような若手が、今の状況をどう生かしていくか。邦画、テレビドラマの今後の世界展開に期待したい。
●雨無麻友子1994年東京都生まれ。青山学院大学在学中に映画祭を主宰し、17年にLDSへ入社、映像事業部でドラマ・映画のプロデュースに携わる。退社後、スタジオねこを立ち上げ、20年11月にプロデュース作品・本広克行監督映画『ビューティフルドリーマー』が公開。その後も多くの映画・ドラマ作品を手がける。近年の作品としては、『トークサバイバー!』(Netflix)、『量産型リコ』(テレビ東京)、『旅するサンドイッチ』(同)、映画『ジャパニーズスタイル』、『生きててごめんなさい』など。12月29日には中京テレビのオリジナルドラマ『迷子のわたしは、諦めることもうまくいかない』が放送される。
衣輪晋一 きぬわ しんいち メディア研究家。インドネシアでボランティア後に帰国。雑誌「TVガイド」「メンズナックル」など、「マイナビニュース」「ORICON NEWS」「週刊女性PRIME」など、カンテレ公式HP、メルマガ「JEN」、書籍「見てしまった人の怖い話」「さすがといわせる東京選抜グルメ2014」「アジアのいかしたTシャツ」(ネタ提供)、制作会社でのドラマ企画アドバイザーなど幅広く活動中。 この著者の記事一覧はこちら
(衣輪晋一)
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