北大、太陽系材料のカーボンダストの生成に関する微小重力実験を実施
マイナビニュース / 2024年11月29日 19時20分
今回の研究では、2024年11月26日14時(日本時間)に、スウェーデン・キルナ市のエスレンジ宇宙センターからMASERロケット16号機が打ち上げられ、高度約256kmまで到達、約375秒間の微小重力環境が実現された。
炭素の粒子が形成する時のガスの温度と濃度を同時に決定するため、屈折率変化を100万分の1以下の精度で検出できる小型の2波長レーザー干渉計が作製された。気体の屈折率は温度、濃度、レーザー波長で決まるため、異なる2波長の光を微粒子の生成環境に入射して屈折率変化を同時に得ることで、温度と濃度を同時に求めることが可能になる。実験の結果、カーボンダストの生成過程を理解するために最も重要な2つの物理量である「表面自由エネルギー」と「付着確率」の決定につながるデータを取得することに成功したという。
今回の炭素粒子の生成実験は、2019年に炭化チタンで得られた知見を拡張し、異なる宇宙ダストがどのように成長し、宇宙空間での物質循環に寄与するのかを理解するための重要なステップになるとする。またカーボンダストの生成効率がわかると、宇宙における炭素質物質の生成や成長過程を理論的に予測できるようになる。その結果、138億年の宇宙史における物質進化の理解が飛躍的に進むことが期待されるとした。また同時に、はやぶさ2などの探査機が持ち帰った地球外物質に含まれるカーボンダストを含んだ試料の分析結果の理解も進むことが期待できるといい、今回得られた実験データは、今後数か月をかけて解析を行い、論文などの形で公表する予定としている。
(波留久泉)
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