能登半島地震、船が行った災害支援とは? - 「船舶の災害支援とシーマンシップ」シンポジウムを開催
マイナビニュース / 2024年12月5日 13時47分
続いて、東ソー物流グループのコーウン・マリン 取締役・山下良一氏より、「令和6年度能登半島地震における東ソー物流グループの取組み」の発表が行われた。
コーウン・マリンは、基礎原料・石油化学・機能商品を取り扱う総合化学メーカー「東ソー」グループの物流部門・東ソー物流を親会社とする船舶管理会社だ。能登半島地震が発生した際、東ソー物流グループでは、499トン型特殊タンク船「東駿丸」を用いた災害輸送を行ったが、その際、東ソー物流がオペレーションを行い、現地調整・運用をコーウン・マリンが担当した。
「能登半島地震は陸路が寸断された半島での大規模災害で、常時からの災害イノベーションの重要さを感じました」と山下氏。災害発生後、「どこで、何が、どうなったorどうなる」の情報収集を実施。乗組員や陸上社員の安全・安否確認や、津波や海面変化など本船への影響調査などを行った後、物流への影響や航行ルートの安全性、出荷・入荷拠点の安全性など経済活動の維持確保をしたという。これに関しては、南海トラフを想定した机上訓練を行っていたことも功を奏したそう。
「会社で何かできないか」という声や乗組員からの意見も受け、海路による支援案として救援物資を輸送することを決定。船型や運航スケジュールをふまえ、通年で日本海を主たる航路としている「東駿丸」で支援を行うこととなった。
続いて、具体的な情報をもとに、国土交通省や受け入れ先の地方自治体、全国内航タンカー海運組合と調整を実施。日本内航海運組合総連合会へは輸送可能事業者としてエントリーも行った。なお港湾運送業者は被災業者でもあるため、対応の可否判断も並行して実施したが、その際、救援物資だとしても通常の荷役として扱ったそう。「被災されている状況なので作業どころではないと思っていたが、仕事を依頼することも支援のひとつです」と当時を振り返る。
こうした情報収集・状況評価により、七尾港と輪島港を選定、さらに輪島市役所は物資受け入れ施設がなく受け入れをセーブしている状況だったため、七尾港に決定したという。1月4日に「支援物資があれば運びたい」と乗組員から要望を受けたことからスタートし、5日には港湾局から入港可能箇所を確認、並行して東ソー・東ソー物流における災害備蓄の輸送を決定し、積み込みを開始。8日には積み込みを終えて山口県の徳山下松港を出港、10日に福井県の三国港に到着したのち天候調整を行い、11日に七尾港着、12日に陸揚げを行った。
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