「観光地ではなくて、実在するインナーシティや、サンフランシスコを構成するすべての美しい個性を映し出したかった」『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』 ジョー・タルボット監督＆ジミー・フェイルズ インタビュー／Interview with Joe Talbot and Jimmie Fails on “The Last Black Man in San Francisco”

サンフランシスコで生まれ育った2人の幼なじみが、監督と主演俳優として初めて手がけた長編映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』が10月9日より全国で公開される。気鋭のスタジオA24が放つ本作の舞台は、ジェントリフィケーション※により目まぐるしく変化するサンフランシスコ。主人公のジミーはかつて家族で暮らしていたヴィクトリアン様式の美しい家に想いを馳せながら、親友のモントの部屋に居候している。ある日、思い出の家が売りに出されたことを知ったジミーは、何とかして取り戻そうと奔走するのだが…。

主演を務めたジミー・フェイルズの私的な体験にインスパイアされた作品だが、そこに描かれるのは街への愛や大切な家を失ったことによる喪失感といった普遍的な感情だ。ジョー・タルボット監督は変わりゆくサンフランシスコを必死で繋ぎとめるかのように、美しく詩的な映像を通して溢れ出す想いを丁寧に描写し、2019年サンダンス映画祭で監督賞と審査員特別賞に輝いた。NeoLでは日本公開を前に、監督と主演のジミー・フェイルズにリモートインタビューを行い、サンフランシスコへの想いや製作秘話を聞いた。（→ in English)



＊ジェントリフィケーション：経済発展や都市開発によって低所得層の居住地域に高所得層や富裕層が流入する現象。都市の高級化。地価の高騰により、長年暮らしてきたコミュニティが転出を余儀なくされたり、地域特有の文化が失われたりする弊害がある。



——サンフランシスコへの愛に溢れた美しい詩的な作品ですね。すべてのシーンに釘付けでした。本作はジミーの私的な経験に基づいているそうですが、なぜこの物語を映画化しようと思ったのですか？


ジミー・フェイルズ（ジミー役）「ありがとう。僕自身のライフストーリーを語りたかったというよりも、この街のために撮った映画なんだ。そうは思わない人もいるかもしれないけど、最近は自分のライフストーリーを世界中に伝えたがる人が多いだろう？（笑） 本作はそれよりもサンフランシスコのために、そして、あの家から感じたことのために作り始めた。時間が経つにつれて、人々に共感してもらえそうな自分の人生経験を描きたいと思うようになったんじゃないかな。でも、最初は街のために始めたことだったんだ」


——お二人は幼なじみだそうですが、このプロジェクトはいつ頃スタートしたのですか？


ジョー・タルボット監督「非公式だけど、最初にスタートしたのは今から10年ぐらい前かな？ 僕たちはジミーの人生について話していたんだ。そして最終的に、彼の人生とともに始まったストーリーから伝えるべき物語を作り上げた。僕らは子どもの頃から一緒に短編映画を作っていたんだけど、長編映画を作ったことはなかったから、進行しながらたくさんのことを学んでいった。でもラッキーなことに、ジミーと僕は本作の構想を始めてから良い出会いに恵まれて、最終的に多くの人たちが映画製作をする上でのファミリーになってくれたんだ。彼らは本作やジミーの物語について耳にして、参加したい、サポートしたい、理にかなった形で協力したいと言ってくれた。あの人たちがいなかったら、僕らは今ここにいないだろうね」　　












——本作はサンフランシスコに宛てた美しいラブレターのような作品ですね。映画を通して、サンフランシスコの特にどのようなところを伝えたいと思いましたか？


ジミー・フェイルズ「僕は絵葉書に描かれているようなサンフランシスコではなく、自分たちが育ったサンフランシスコという街のリアルな一面を見せたかったんだと思う。観光地ではなくて、実在するインナーシティや、サンフランシスコを構成するすべての美しい個性を映し出したかったんだ」


ジョー・タルボット監督「僕たちはこの街で起きていることや街の変化に怒りを感じている。なぜならこの街が大好きだし、サンフランシスコを構成している（失われつつある）ものは、僕らにとって本当に特別だから。そういったものを守るために闘いたいと思うんだ。それがどれほど重要なのかわかっているし、個人的には子どもの頃の僕らにとっても大切な存在だったからね。ある意味、そういったすべてのものが自分の一部になっている。僕の奇妙な個性としてね。それに公園で会う人たちや、家の前で一緒にたむろする人たち、スケートボードを通して出会った人たち…。変わり者でいることや多様な人々を受け入れることにはプライドを要するんだ。僕らにとってこの映画の一部は、そういった稀有な人々を称えたいという思いから生まれたものだと思う。ジミーは劇中でも実生活でもそういう人だと思うんだ。サンフランシスコ市民らしいからこそ、みんなが共感するんじゃないかな。他にも、劇中のジミーの叔母さんやバス停で出会う裸の男、そしてモントというキャラクター。僕らはそういった存在が失われることを恐れて、記録しておきたかったんだ」


——劇中のジミーとモントの関係がとてもリアルでしたが、お二人の関係に基づいている部分はあるのですか？


ジミー・フェイルズ「ジミーとモントは2人とも登場人物だけど、僕とジョナサン（・メジャース／モント役）は本当に親しいんだ。僕らはお互いのことをかなりよく知ることができた。だから（2人の仲の良さが）役柄に反映されたんだと思う。演技という感覚ではなくて、本当にお互いのことを思いやっていたんだ。彼はとにかく素晴らしい人で、僕らはすぐに意気投合したし、今でもよく話しているよ。そういった関係を映画に投影できたんじゃないかな」


——あなたと監督の関係に基づいている部分もあるのかなと思ったのですが。


ジミー・フェイルズ「ああ！それはないかな（笑）」


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Danny Glover stars as Grandpa Allen and Jonathan Majors as Montgomery Allen in THE LAST BLACK MAN IN SAN FRANCISCO, an A24 release.
Credit: Courtesy of A24[/caption]


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Jonathan Majors stars as Montgomery Allen in THE LAST BLACK MAN IN SAN FRANCISCO, an A24 release.
Credit: Peter Prato / A24[/caption]


——本作はクラウドファンディングのプロジェクトとして始まった作品だそうですが、ダニー・グローヴァーの出演はどのようにして実現したのですか？ 彼の演じるモントのおじいさん役は素晴らしかったです。


ジミー・フェイルズ「ダニー・グローヴァーには以前から連絡を取りたいと思っていたんだ。そしたらある日、一体どうやって僕の電話番号を手に入れたのか知らないけど、彼の方から僕に突然電話がかかってきたんだ（笑）」


——すごいですね。


ジミー・フェイルズ「ダニーは本作について僕に質問した後、子どもの頃のフィルモア地区がどんな雰囲気だったかを教えてくれた。フィルモアはあの家がある地区なんだ。そして、そこで観たあらゆるライブや、当時のフィルモア地区ではとても活気があった音楽やカルチャーについても話してくれた。ダニーはあの会話をきっかけに、僕とジョーがどれほどサンフランシスコを愛していて、この映画を実現したいと思っていたのか理解してくれたんだと思う。そして彼は（サンフランシスコにとって）非常に象徴的な存在だから、本作に参加したいと思ってくれたんじゃないかな。僕らはとにかくラッキーだった。ダニーは素晴らしくて最高にかっこいい人なんだ」　　


——彼は今でもサンフランシスコに住んでいるのですか？


ジミー・フェイルズ「確か今でもヘイト・アシュベリーに住んでいるはず。だよね？」


ジョー・タルボット監督「ああ、ダニーはずっとサンフランシスコに住んでいる。だからこそ彼は素晴らしいんだ。大スターになっても変わることなく、生涯を通してずっとここに住んでいるんだから。それに彼は役者の枠を超えて、サンフランシスコのために様々な活動をしてきた勇敢で英雄的な活動家でもある。そういう意味でも僕らはサンフランシスコ市民なんだ。僕たちの誰もがダニー・グローヴァーを尊敬している。なぜなら彼は素晴らしいアーティストであり、素晴らしい政治活動家だから。僕にはその2つが合わさって、この街の心と魂のように感じられるんだ」


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Jimmie Fails stars as Jimmie Fails in THE LAST BLACK MAN IN SAN FRANCISCO, an A24 release.
Credit: Courtesy of A24[/caption]







——本作のテーマの一つであるジェントリフィケーション（地域の高級化、都市の富裕化）は、ここ東京でも起きています。街の大きな変化については親の世代からも聞きますし、私たちが子どもの頃と比較しても違いは明らかです。本作はサンフランシスコについての物語ですが、幅広い観客の心に触れられる作品だと感じました。


ジミー・フェイルズ「この映画が世界中の様々な場所に届いているなんて光栄だよ。サンフランシスコ以外で受け入れられるなんて、僕らはまったく考えていなかったから。もし映画を作ることができたとしても、せいぜい友人たちに観てもらって、『すごいね、映画作ったんだ！』と言われるだけだと思っていた。だから、これは光栄なことだよ。本作を通して、サンフランシスコに対する僕らの愛を感じてもらえるといいな。映画を観た人たちも、自分たちの住む街への愛と関連づけて共感できるかもしれないね」


ジョー・タルボット監督「君のジェントリフィケーションの話を聞いて、黒澤明監督の『酔いどれ天使』を観たときのことを思い出したよ。確か1940年代後半の作品で、ミフネ（三船敏郎）がギャングスター役で出演しているんだ。舞台は東京なんだけど、今の僕らが目にする東京とは全然違っていた。まるで小さな発展途上の街みたいだったんだ。君が言ったように、本作はサンフランシスコについて描いた非常に私的な作品だ。にもかかわらず、サンフランシスコ以外の人にも響くことを願っているんだからおかしいよね。日本の人たちにも共感してもらえるなんて、いまだにすごいことだと思うよ。でもそれと同時に、ジェントリフィケーションはサンフランシスコだけでなく世界中で起きていることだから、それは当然のことなんだよね。東京でもヨーロッパでも起きているわけだから。このような形でお互いの心が通じ合うなんて、何だか残念だけどさ」


——今後の予定は？


ジョー・タルボット監督「僕らは常に作品を作っているんだ。僕は今、サンフランシスコで別の長編映画に取り掛かっている。あとはテレビ番組も手がけていて、すごく楽しみにしているんだ。1840年代のヨーロッパにある城を舞台にした作品になる予定だよ。『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』の製作を通して、生涯のコラボレーターと呼べるたくさんの仲間ができた。その一人が作曲家のエミール（・モセリ）なんだけど、エミールはすでに僕の次作のために作曲してくれている。まだ脚本は完成していないんだけど、僕はできれば音楽を聴きながら脚本を書きたいんだ。彼と一緒にまったく新しい作品を作ることができて、とても楽しんでいるよ」


——今日はありがとうございました。次回は東京で会えることを願っています。


ジミー・フェイルズ「ありがとう」


ジョー・タルボット監督「僕も日本に行きたかったよ。映画が日本で公開されるのは素晴らしいことだけど、来日できなくて本当に残念だったな」







text Nao Machida





『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』
10月9日（金）より、新宿シネカリテ、渋谷シネクイント他全国ロードショー
http://phantom-film.com/lastblackman-movie/
サンフランシスコで生まれ育ったジミー（ジミー・フェイルズ)は、祖父が建て、かつて家族と暮らした記憶の宿るヴィクトリアン様式の美しい家を愛していた。変わりゆく街の中にあって、観光名所になっていたその家は、ある日現 在の家主が手放すことになり売りに出される。 この家に再び住みたいと願い奔走するジミーの思いを、親友モント(ジョナサン・メジャース)は、いつも静かに支えていた。今や”最もお金のかかる街”となったサンフランシスコで、彼は自分の心の在り処であるこの家を取り戻すことができるのだろうか。
多くの財産をもたなくても、かけがえのない友がいて、心の中には小さいけれど守りたい大切なものをもってい る。それだけで、人生はそう悪くないはずだ──。そんなジミーの生き方が、今の時代を生きる私たちに温かい抱擁 のような余韻を残す、忘れがたい物語。



監督・脚本:ジョー・タルボット
共同脚本:ロブ・リチャート 原案: ジョー・タルボット、ジミー・フェイルズ、 音楽:エミール・モセリ 出演:ジジミー・フェイルズ、ジジョナサン・メジャース、ロブ・モーガン、ダニー・グローヴァー
配給:ファントム・フィルム 提供:ファントム・フィルム/TCエンタテインメント
©2019 A24 DISTRIBUTION LLC.ALL RIGHTS RESERVED.
原題 The Last Black Man in San Francisco/2019 年/アメリカ/英語/ビスタサイズ/120 分/PG12】 字幕翻訳:稲田嵯裕里







——It was such a beautiful and poetic film and I felt so much of your love for San Francisco. I loved every second of it. I read that the film is based on Jimmie's personal experience. Why did you decide to tell this story on screen?


Jimmie Fails [Jimmie]: Thanks. It really was for the city more than wanting to tell my own life story. Some people may feel different, but now a lot of people want to just tell their life stories to the world, you know what I mean? [laughs] So it was more for the city into this and how that house felt. Over time, I guess it got to be more of wanting to show certain things in my life that felt like people could relate to, but it started out for the city.


——I heard that you guys have been friends for a long time. When did this project first start?


Joe Talbot [Director]: We started working on it, kind of unofficially, maybe over ten years ago now? We were talking about his life and eventually from those stories that started with his life, we created a narrative. We made movies together as kids, like short films, but we never made a feature film so we were learning a lot as we went. But we were lucky because as Jimmie and I started dreaming it up, eventually we met all these people that became our film family. They are people who just heard about the movie and heard about Jimmie's story and they wanted to be a part of it, and they wanted to help support. They wanted to plug in in the ways that made sense. So we wouldn't be here without those people.












——The film felt like a beautiful love letter to the city. What about San Francisco did you want to convey the most through this film?


Jimmie Fails: I think just more of the real side of San Francisco that we grew up in that's not the San Francisco they have on the postcards. Not just like the tourist attractions, but the actual inner city and all the beautiful characters that make up San Francisco what it is.


Joe Talbot: We are angry about what's happening in the city and how it’s changing, because of how much we love it and how special those things feel for us that make San Francisco. You want to fight to preserve those things. Because we know how important they are and even on a personal level, how important they were when we grew up. They all become part of you in a way, all these strange characters in me. And people you hang out with in the park, people that you sit on the stoop with, people you meet skateboarding... It takes a lot of pride being strange and different and embracing all different kinds of people. So when you feel that's been threatened,
now for us, I think a part of the movie came from wanting to celebrate those kinds of rare individuals. And I think Jimmie, both in the movie and in real life, is that way. That's part of why I imagine we are connecting with him because he feels like a San Franciscan. Also, people like Jimmie's aunt in the movie, the naked guy at the bus stop and the character of Montgomery. So we wanted to capture that before we fear it would be lost.


——The relationship between Jimmie and Mont seemed so genuine in the film. Is it based on your relationship in any way?


Jimmie Fails: They are both characters but me and Jonathan [Majors who played Mont] are really close. We got to know each other pretty well. So I think that's what added to the characters. It wasn't really like acting, we actually cared about each other, you know? He's just a great guy and we just hit it off. We still talk today. I think that was able to show in the film.


——I thought maybe it was based on you and Joe's relationship?


Jimmie Fails: Oh! Not really [laughs.]


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Danny Glover stars as Grandpa Allen and Jonathan Majors as Montgomery Allen in THE LAST BLACK MAN IN SAN FRANCISCO, an A24 release.
Credit: Courtesy of A24[/caption]


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Jonathan Majors stars as Montgomery Allen in THE LAST BLACK MAN IN SAN FRANCISCO, an A24 release.
Credit: Peter Prato / A24[/caption]


——This film is pretty DIY as it was born as a Kickstarter project. How did you get Danny Glover on board? He was amazing in the film as Mont’s grandpa.


Jimmie Fails: Danny Glover, we were trying to reach him for a while. I'm not sure how he got my phone number, but he just called me on a random day [laughs.]


——Wow.


Jimmie Fails: Yeah, he was just asking me about the movie and started telling me about how the Fillmore was when he was growing up, that's the neighborhood that the house is in. He told me about all the live acts he saw there, all the music, the culture that was so vibrant there. I think from that conversation, he just got to see how much me and Joe love the city and how much we wanted to make this happen. And I think he wanted to be a part of it because he's such an icon, and we were just lucky. Danny is great, he's the coolest guy.


——Does he still live in San Francisco?


Jimmie Fails: I think he still lives here, in Haight-Ashbury I think, right?


Joe Talbot: Yeah. He's always been living in San Francisco. That's why Danny is amazing because he's lived there his whole life even when he became this big star. And Danny is also a really brave and heroic activist for all the work he's done in San Francisco beyond just his art. In that way, we are really San Franciscans. We all look up to Danny Glover because he is both a great artist and great political activist. I feel like those two things together really feel like the heart and soul of the city.


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Jimmie Fails stars as Jimmie Fails in THE LAST BLACK MAN IN SAN FRANCISCO, an A24 release.
Credit: Courtesy of A24[/caption]







——Gentrification is happening here in Tokyo as well. My parents talk about how it changed so much over time and the city is even different from how it was when we were kids. This movie is about San Francisco, but I felt that it touches wider audience.


Jimmie Fails: I feel honored that it's reaching all these different parts of the world. For us, we never thought it would get passed San Francisco. If we were to get the movie made, we thought we show it to all of our friends and everybody would be like, "Oh, hey, great guys! You guys made a movie!" We never thought it would reach as far as it did, so that's an honor. I hope they just feel all the love for our city that was in the movie. Maybe they can relate to the love that they have for their own city.


Joe Talbot: What you were saying about gentrification, I remember watching "Drunken Angel" by Akira Kurosawa. I think it’s a late 40’s film and [Toshiro] Mifune was in it as a gangster. It was all set in Tokyo, but it's like a very different Tokyo from what we see now. It feels like a small, in some ways like not as developed city. It's strange that as you said that the movie is so personal for us and so much about San Francisco, but you hope it will resonate with people outside the city. I think it’s still amazing to us to imagine that it resonates with people in somewhere like Japan, yet at the same time, it makes sense because like you were saying, gentrification is not just in San Francisco, but it’s happening everywhere. It’s happening there, happening in Europe. So it's an unfortunate way we all connect with each other.


——What's next for you?


Joe Talbot: We are always creating things. I'm working on another feature right now in San Francisco. I'm also working on a TV show that I'm really excited about. It's going to be set in a castle in Europe in 1840’s. We made a lot of life long collaborators making "the Last Black Man in San Francisco," and one of them is my composer Emile [Mosseri.] Emile is already writing music for my next movie and we haven't finished the script yet. Because I like to write the script with music if I can. So that's been really fun to get to create a whole new process with him.


——Thank you so much. I hope to see you in Tokyo next time.


Jimmie Fails: Thank you, thank you.


Joe Talbot: I wish I could be there with you guys. It's wonderful the film is going there, but it's also heartbreaking because I really wish I could be there.








text Nao Machida

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