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OKAMOTO’Sのアドレス帳 Vol.45 TENDRE & オカモトコウキ

NeoL / 2021年12月20日 17時0分

OKAMOTO’Sのアドレス帳 Vol.45 TENDRE & オカモトコウキ



OKAMOTO’Sのメンバーが友人はもちろん、憧れのアーティストなどをゲストに迎える対談企画。オカモトコウキがホストを務める第45回目は、SSW/マルチプレイヤー河原太朗が登場。ソロプロジェクトであるTENDREとして9月にメジャー1stアルバム『IMAGINE』をリリース。様々なアーティストとコラボレーションし、オカモトショウのソロツアーにも盟友Ryohuとともに参加するなど、リスナーのみならず作り手からの支持も厚い。オカモトコウキが励まされたと語るTENDREの音楽はどのように生み出されているのか。


――お二人ともツアーを行われていましたが、久しぶりのライヴはいかがでしたか。(取材は11月末に実施)


コウキ「レコーディングも楽しくなってきたし、デビューして12年の間で膨大な数のライヴをやってきたこともあって本数が減ってもそんなに辛くないんじゃないかと思ってたんですけど、久々にやってみるとこれは不可欠な要素なんだなと思うことが多かったです。できた曲を人前で演奏して届いてると目撃するのはやはりミュージシャンにとっては大事なプロセスの一つなんだなと思ったし、バンド内の雰囲気もすごく良くなりました。それまでちょっと淀んだりしてたけど、みんなが仲良くなった。ライヴはすごくシンプルで明確なものじゃないですか。その場所に行って演奏して、良かったか悪かったかという。創作のプロセスはこれが正解というものがないから、ライヴのシンプルさが循環として必要なんだなと思った」


TENDRE「実感というのはデカいんだろうなと思います。ライヴの頻度が減ってしまった時に、自分の活動にそれなりに何かを見出していろんなアクションを起こせたのはその時代ならではのすごくいい経験だと思うけど、一方でツアーのありがたみというのはコウキくんと同じように感じています。あと、去年は全然ライヴができなかったから筋力が落ちるんじゃないかという心配はありました。ライヴは演者も来てくれる人も膨大なエネルギーを使うから、それを今回のツアーでみんなで取り戻すという感覚が一番強かったです。ぶつけ合うじゃないですけど、顔を見ながらという、ライヴならではの価値観を色々思い出せて良かった。ファンの人たちがどれだけ自分を大切してくれているかということを噛み締められるものでもあるし、今回のツアーではこういう層の方も来るようになったんだという発見もありました。うちは年齢も性別もいろんな人が集うけど、そういう人たちが一つの音楽で疎通をとってるというのはすごく面白いなと改めて思いました」


コウキ「地域で客層も違って面白いよね。うちはバンドやってるんだろうなという集団をよく見るんだけど、『OKAMOTO’Sってどんなものか観てみよう』って感じで来てくれてるのかなと思うとすごく嬉しい」







――お互いのライブは観てますか?


TENDRE「一昨年の武道館に行きました」


コウキ「僕は太朗くんのライヴは昔のものしか観てなくて、どちらかというと音源をずっと聴いてたんです。太朗くんが(下北沢)Garageによく出てたこともあって、他のメンバーはそこで会ったりしてたけど、僕が一番接点がなくて。ショウさんとRyohuくんとのツアーの時に若干話もしたけど、長時間話したことはなかったよね」


TENDRE「こんなにゆっくりはないよね。コウキさんとは音楽やソングライティング的な面においてずっと話したかったんですけど、いい意味で緊張もなく、今は嬉しいなという気持ちだけで話せてます」


コウキ「久しぶりですって、前からの地続きの感じで」


TENDRE「そう」


コウキ「僕も太朗くんの音楽がすごく好きだからちゃんと話してみたかった。元々ベーシストだから、ベースラインの作り方が凄くて。メロディアスな曲でもちゃんとファンキーに踊れるし、軽妙だし、メッセージや歌詞も好きなんです。1st アルバム(『NOT IN ALMIGHTY』)が出た時には音楽誌でレビューも書いたくらい。スティーヴィー・ワンダーのモードな感じのコード進行とか、ああいう70年代の自分の好きな上質なファンクやR&Bの要素がある。格好いいリズムとベースラインの上に軽妙なコード進行と言葉を乗せるという、僕の中での一個の理想型なんですよ。こんなことを自分もやりたいなと思う」


TENDRE「自分はOKAMOTO’Sのライヴを観た時に、コウキさんメインで歌ってる曲の言葉選びの適度なポップさや洗練のされ方を感じて。OKAMOTO’Sはロックのイメージが強かったけど、近年のアルバムは本当にヴァリエーションが豊かになってきていて、その中で日本語を届ける大切な部分をおそらくコウキさんが担っているんだろうなという勝手な印象を持っていました。従来の意味でのシティポップを彷彿とさせるようなものだったし、コウキさんの匂いがする曲は全部好きで聴いてましたね。そこからコウキさんのソロ(『GIRL』)が出てきたときは、同時にまたOKAMOTO’Sのいろんな可能性が広がったような印象もあった。聴いていて、フォーキーなものも好きだろうし、意外とこういうビートミュージックも好きなんだとか発見も多かったのでそれも面白かったです」


コウキ「嬉しいなあ。僕は昔はフォーキーな弾き語りみたいな作り方が多かったんですけど、最近はわりとリズムを組むような作り方が多くなってきたんですね。太朗くんはどういうところから曲を作るんですか?」


TENDRE「ストックを常に作っています。ビートをできれば一日一個は作っておいて、思いついた言葉もメモも残しておくんですね。例えば『愛してる』という言葉がなにか引っかかったとしたら、とりあえずメモには書いておく。翌日それを見た時にまた別のミーニングなどが乗っかってきたらそこから曲がスタートする」


コウキ「そこから広げていく」


TENDRE「そういう場合もあれば、レコーディングスタジオに入ってその場でゼロから作ることもあります。ビートだけあって、その場でエレピを弾いて、ベースを乗せて、色々乗せながら、眉間に皺を寄せながら歌詞を書いて歌うという(笑)」


コウキ「凄いな。マルチプレイヤーですもんね」


TENDRE「そうですね、基本的に全部やっちゃう」







――基本的にはビートが先行してあるんですか。


TENDRE「初めはそれが軸にあったんですが、今はそうでないといけないというルールもなく、基本はビートからなんとなく着想を得て作ってます。ミュージシャンは常日頃色々と試してみるわけですが、去年から図らずも悪しき事態に陥って、自分はもっと言葉に向き合うことを考えたんです。リリックに生き様が浸みていくからそこに向き合おうと思って去年から作っていて。だからやることは変わらないけど、スタートは毎回変わってきた気がします」


コウキ「今回のアルバムもすごく歌詞が良いですよね。『やってみたら?』という感じのサジェスチョンの仕方で押しつけがましくないし、それでいて自分の可能性を広げてくれるような言葉で、その温度感がすごく良かった。曲を作ってる身として色々できそうだなと励まされるような歌詞が多かったんです」


TENDRE「今は時代を象徴する言葉を散りばめた歌詞や『こんな世界なんか』というようなヘイトな歌詞が多いけど、自分はあれが得意じゃないんですよ。それは個々の観点でいいと思いますけど、どちらかというと想像力を広げて一緒に考えられたらいいよなというところが根源としてあるので、この2年間は特にそこに向き合いながらトラックの可能性を広げたいという思いはあった」


コウキ「いいですね。元々俺らは、このアルバムのレコーディング時はどういう感じで録ったんだろうとか、どういうマインドでこの歌詞を書いたんだろうという想像力を掻き立てられる作品に憧れてやってきたから、一から十まで説明するものって粋(いき)じゃないなとも思ってしまう」


TENDRE「人の探究心はそこから湧いてくるものだよね。それは広告やアートなどにも言えますけど、中に滲んでるものをいかに汲みとっていくか。傾向などを知ることも大事だけど、人の心はもっと純粋なはずだからそこを丁寧に汲みとっていきたい。それで言うと、コウキさんが書く曲はすごく柔軟性に溢れていると思います」


コウキ「僕は今まで自分のことしか書けなかったんですよ。自分の身の回りでこんなことがあったんですという内容だった。最近になって初めて第三者目線というか、物語を書き始めていて。あんなところに不思議な家があるというような自分と全く関係ない物語性のあるものを書き始めてみたら、こんなに書けることがあるんだと広がっていってる最中です。想像をして、制限かけずに書くのは面白いなと思いました」







――太朗さんは自分ベースで歌詞を書いていくんですか。


TENDRE「自分は歌詞に視野や観点の話を入れちゃいがちなんですよ。TENDREという一つの生命体が現れた時から、アートワークも含めてなんとなく歩み方を考えてるというか。だから最初は自分がTENDREを始める前に見てきたものをまず入れ込み、次は始めてみたら意外と大変なこともあるということを曲にし、その次のアルバムは意外と開き直ってもいいんじゃないかという内容で、長期的な流れがあるんです。TENDREという物語をずっと書き足していってるような感じ。その歩みを映像的に捉えて、主人公の背景を音楽的に表現してみたり、別の人物が出てきたとなったらフィーチャリングの曲があったり、その観点を曲ごとに変えるようなことをやっています。そこには自分のリアルな部分もあるにはあるし、基本は自分から出てくるものが前提になりますけど、人に渡すことによってその人のものにもなってほしいし、いわゆる“みんなの歌”になればいいなと思っているので、一人称でも『僕』ではなく『私』を使ってみたりしていますね」


コウキ「視点のバランスってすごく難しいですよね。例えばショウくんの歌詞は『ショウくん!』って感じじゃないですか」


TENDRE「それも凄いと思うし、面白い。『ダブチー』は入れられない(笑)。Pecoriとやったあたりからラッパーライクなところも出てきた」


コウキ「すごくいいですよね。最初の頃はおそらくショウくんなりのみんなに届けようとする歌を書いてたんだけど、ある時点でそれを止めて、生身の自分を知ってもらおうと書いたら、その方がみんなも感情移入できた。だから必ずしも広い視野でみんなに届けようと思って書いたことがそうなるとは限らなくて、やっぱり人それぞれの乗せ方があるんだなって。OKAMOTO’Sでいえば余白があったりとか自分がやりたくてやったという時の方が反応も良いことの方が多いけど、その温度感は難しいし、本当に人それぞれで」


TENDRE「OKAMOTO’Sはちゃんと盾と剣の両方を持ってますよね。守るだけではなく突き通す力もある」


コウキ「ありがとうございます。TENDREは風のように軽やかだと思う」


TENDRE「時には罵声みたいなものだったり、荒げてしまう部分はもちろんあるけど、自分はとりあえず一旦落ち着こうみたいな存在になりたくて。深呼吸担当というか」


コウキ「俺にとってはまさにそういう存在です。未来はこうかもしれないとか、ナーバスになって凝り固まるみたいなことではなく、想像力を広げて軽妙に励ますのがミュージシャンとしての自分の理想だなと改めて気づかされた。やることはずっとこれだよねと確信できる」



――『IMAGINE』は特にそういう要素が強いですね。


TENDRE「特にそこを意識して作りました。この状況が明けるのか明けないのか、今年のムードって誰もわからなかったじゃないですか。俺はそれに対してあまり無責任にはいられなかったので、そっと肩を組むような感じのものができたらいいなと思って。それは自分に対して投げかけるものでもあったので、逆に来年はより開けたものを作りたい気持ちにもなっています。この2年間はコアを伝えたので、今はファズを踏みたくなっていて、自分の化学反応を楽しんでみようというムードになっている」







コウキ「楽しみです。俺らの場合はメンバー同士でジャッジメントしてるけど、太朗くんの場合は一人じゃないですか。自分の中にこれを曲にするかどうかというジャッジメントの基準はある?」


TENDRE「ボツにすることがあまりないんだよね。家でパッと作ってそのままのものもあるけど、最近はレコーディングにもゲストミュージシャンを呼んだり、ストリングスのアレンジは周りの仲間にふってみたり、ホーンのアレンジを自分で考えながらもライヴメンバーにもちょっと吹いてもらってアイデアをもらったり、ちょっとずついろんな人を巻き込んでいて。常に可能性を探しているし、その方法もすごく柔軟に楽しくなってきてるなと思う」


コウキ「俺も昔は人見知りだったんだけど、最近は段々開けてきて、繋がりも作っていきたいと思うようになってきてやり方も変わりました」


TENDRE「この人とは今が一番好機なんだろうなという時があるのも面白いよね。RyohuもSIRUPもそうで、そういう人らとやる時にはそこまでにやってきたいろんなことの確認作業に近いというか」


コウキ「そこまでの間で実はずっとチューニングをしてきていて、それをただ出しただけなんだよね」


TENDRE「そう。だから出来上がるのもはやい。自分もそういうタイミングを逃さないようにやってるし、バンドメンバーはバンドメンバーで、自分の音像だったり、作りたいフィーリングを知ってくれているので、フラッと遊びに来がてらに吹いたり叩いたりして帰って行くような気軽さがある。そういう風に人と色々関わることで、自分で一人で完結させる時には逆にすごく強固なものを作れたり」


コウキ「まさに僕もソロとバンドの両方をやって、それが良かったなと思うところ」


TENDRE「コウキさんのスタジオにも遊びに行きたいです。何もしてないけど打ち上げしたい」


コウキ「対談打ち上げ、いいですね(笑)。ぜひ来てください。僕は太朗くんとなにか一緒にやりたいです」


TENDRE「オカモトコウキのソロツアーやらないの? その時に呼んでほしい。叩いたりとか、なにかやるよ」


コウキ「マジですか! 僕も太朗くんのライヴで弾きたい」


TENDRE「本当に? ギターがいなくて、たまに自分で弾くくらいなんだけど、本当はめちゃくちゃ欲しいと思ってて」


コウキ「おお! ぜひ呼んでください。スタジオで相談しましょう」 







photography Yudai Kusano(IG)
text & edit Ryoko Kuwaharam(TW / IG)





TENDRE
『IMAGINE』
Now On Sale
(EMI Records / UNIVERSAL MUSIC)





OKAMOTO’S
『KNO WHERE』
Now On Sale
(Sony Music Labels)



TENDRE
ベースに加え、ギターや鍵盤、サックスなども演奏するマルチプレイヤー、河原太朗のソロ・プロジェクト。2017年12⽉にTENDRE名義での6曲⼊りデビューEP『Red Focus』をリリース。2018年10⽉には、tofubeatsによるリミックスも話題となった配信シングル『RIDE』を含む1stフル・アルバム『NOT IN ALMIGHTY』をリリース。2019年4⽉・5⽉と連続して配信シングル『SIGN』『CHOICE』をリリース。前者はオーストリアのスポーツサンダル・ブランドTevaとコラボ レーションしたMVも話題を集め、Hondaが⼿がける旅とバイクの新プロジェクト「Honda GO」のテーマソングとして新曲『ANYWAY』が起⽤。Charaや堀込泰⾏、三浦透⼦、坂本真綾といったアーティストへの楽曲提供・プロデュース、SIRUPやベニー・シングスとのコラボレーションなどを⾏う他、J-WAVE “TOKYO MORNING RADIO”では別所哲也⽒の代打としてナビゲーターを務めるなど、その活動は多岐に渡る。2020年9⽉、フル・アルバム『LIFE LESS LONELY』をリリース。 4⽉7⽇、EMI Records / UNIVERSAL MUSICよりメジャーデビュー。
https://tendre-jpn.com/news


オカモトコウキ
1990年11月5日東京都練馬生まれ。中学在学時、同級生とともに現在のOKAMOTO’Sの原型となるバンドを結成。2010年、OKAMOTO’Sのギタリストとしてデビュー、アメリカSXSWやイギリス、アジア各国などでもライブを成功させ、日本国内では日比谷野外音楽堂、中野サンプラザなどでもライブを開催、結成10周年となった2019年には初めて日本武道館で単独ワンマンライブを成功させ、初ソロアルバム「GIRL」をリリース。アグレッシブなギタープレイとソングライティング力は評価が高く、菅田将暉、関ジャニ∞、PUFFY、Negicco、小池美由など多くのアーティストに楽曲を提供。またPUFFY、YO-KING、ドレスコーズ、トミタ栞、堂島孝平、ナナヲアカリなどのライブでのギターサポートも行なっている。ソングライティング力を生かしバンドの中心的なコンポーザーとしても活躍。OKAMOTO’Sとしては2021年、1月に配信シングル「Young Japanese」を皮切りに、「Complication」「M」「Band Music」「Picasso」と怒涛の勢いで新曲を発表、その活動の勢いは止まることを知らない。9月29日に9枚目のオリジナルアルバム「KNO WHERE」をリリース。10月8日のKT Zepp Yokohama公演を皮切りに全国16か所18公演をまわるライブハウスツアー「OKAMOTO'S LIVE TOUR 2021"KNO WHERE"」を開催。
https://www.okamotos.net

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https://www.neol.jp/music-2/

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