孤独と愛情、内と外。精神的・地理的な境界をテーマにした6名のファイナリストが集合
NeoL / 2017年3月13日 7時13分
孤独と愛情、内と外。精神的・地理的な境界をテーマにした6名のファイナリストが集合
ガーディアン・ガーデンでは、個展開催の権利をかけた公募展、第16 回写真「1_WALL」展を開催。ポートフォリオ審査による一次審査と、一対一で審査員と対話をする二次審査を通過したファイナリスト6名が、一人一壁面を使って作品を発表するグループ展だ。
今回の「1_WALL」は、前景の対象物を越えて、光がつくる奥行きや広がりをモノクロームで定着させた阿部直樹、絶滅した部族 から着想を得て、正体不明の何者かとその物語を構成する白井晴幸、インドが抱えるカースト制度と学歴社会の問題をドキュメントした千賀健史、メモをとり記憶に残すように身近な物にレンズを向けた富澤大輔、5 年ぶりに帰った故郷の変化に驚き、改めて故郷を撮り下ろした藤澤洸平、孤独と愛情、内と外など、精神的・地理的な境界をテーマにした姚遠の 6 名によるグループ展。 写真を通して、自らと世界の関わりを問う作品が多く集まった。
会期中の 3 月 23 日(木)には、一般見学者にも公開される最終審査会を開催。ファイナリストによるプレゼンテーションの後、審査員による議論を経て、グランプリが決定する。グランプリ受賞者には 1年後の個展開催と個展制作費 10 万円、パンフレット制作の権利が贈られる。
第16回写真「1_WALL」展
2017年3月22日(水)~ 4月14日(金)日曜休館 11:00a.m.~7:00p.m. 入場無料
公開最終審査会 2017年3月23日(木)6:00~9:00p.m.
※予約制 2月23日(木)から受付開始 TEL:03-5568-8818 gginfo@waku-2.com
(当日5:30~5:50p.m.は審査のため、ギャラリーにはお入りいただけません。)
阿部直樹 Naoki Abe 1983年生まれ。東京造形大学大学院造形研究科修了。
「Endpoint #3」
目には見えない、壁のような存在を感じ、写真を撮る。世界と私自身との接点とも思えるその壁が示すのは限界か、それとも延々と続く境界か。
千賀健史 Kenji Chiga 1982年生まれ。大阪大学基礎工学部電子物理科学科卒業。
「Bird, Night, and then」
インドで暮らす少年を取り巻く超学歴社会とカースト問題、若者の自殺、夢や希望を失った時に彼らがとる選択について、生き続ける事の可能性について。
白井晴幸 Haruyuki Shirai 1981年生まれ。
「Invisible man」
正体不明な何かとの遭遇を描いた、不可視の物語を巡る冒険譚。
富澤大輔 Daisuke Tomizawa 1993年生まれ。東京藝術大学美術学部先端芸術表現科在籍。
「アンダンテ」
自分は、その周りは、一体何がどうなっているのだろう。記念写真
はそれらに対するヒントと興奮を僕にもたらしてくれる。
藤澤洸平 Kohei Fujisawa 1992年生まれ。
「CLIMAX OITA USUKI」
それらは概念の力を借りないただ一枚一枚の写真。それに気づいた 瞬間から、今この瞬間まで、何が撮りたいのか分からなくなってい る。故郷になんて滅多に帰るもんじゃない。
姚遠 Yao Yuan 1988年生まれ。桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン専攻在籍。
「SAKAIME」
真冬の中に揺るぎない夏が潜む。矛盾の地平に絶えず眩い夢が走る。
審査員 五十音順・敬称略
飯沢耕太郎 (写真評論家)
1954 年宮城県生まれ。1984 年筑波大学大学院芸術学研究科修了。1990~94 年季刊写真誌『デジャ=ヴュ』の編集長をつとめる。近著に『写真集が時代をつくる!』(シーエムエス)『、現代日本写真アーカイブ 2011~2013』(青弓社)など。
菊地敦己 (アートディレクター)
1974年東京生まれ。武蔵野美術大学彫刻科中退。2000 年ブルーマーク設立、 2011 年より個人事務所。ブランド計画、ロゴデザイン、サイン計画、エディ トリアルデザインなどを手掛ける。とくに美術、ファッション、建築に関わる 仕事が多い。また、「BOOK PEAK」を主宰し、アートブックの企画・出版を行う。
鈴木理策 (写真家) 1963年和歌山県新宮市生まれ。2000年に写真集『PILES OF TIME』で第 25回木村伊兵衛写真賞受賞。近著に『意識の流れ』(edition nord)、『海と山のあいだ』(amanasalto)、『Atelier of Cézanne』(Nazraeli Press)、
『White』(edition nord)、『TORII』(SUPER LABO)、『写真分離派宣言』(青 幻舎・共著)等。
高橋朗 (PGI ギャラリーディレクター) 千葉県生まれ。早稲田大学第二文学部にて平木収氏に師事。1998 年、東川町国際写真フェスティバルにボランティアとして参加。2003 年から 2010 年まで同 フェスティバル現場制作指導、またアシスタントディレクターを務める。1998 年冬より、PGI にて写真の保存・展示に関する業務に携わる。現在 PGI のディレクターとして展覧会の企画運営を担当。
百々新 (写真家)
1974 年大阪生まれ、奈良育ち。1995 年コニカ新しい写真家登場グランプリ。 1999 年写真集『上海の流儀』(Mole)。2000年日本写真協会新人賞。2004 年ニューヨーク ADC 賞審査員特別賞。2009 年 APA 広告賞特選賞。2012 年 写真集『対岸』(赤々舎)。2013 年第 38 回木村伊兵衛写真賞。
関連記事のまとめはこちら
http://www.neol.jp/art-2/
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