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Cigarettes After Sex『Cigarettes After Sex』Interview

NeoL / 2017年6月2日 22時1分

写真

Cigarettes After Sex『Cigarettes After Sex』Interview

[caption id="attachment_57784" align="alignnone" width="620"] Photo : Riku Ikeya | Edit : Ryoko Kuwahara[/caption]


2012年に発表したEP『I.』が4年越しに突如オンライン上で話題となり、無名の新人ながらYouTube上にてEP収録曲“Nothing's Gonna Hurt You Baby”が4千万ビューを記録。フランシス・ビーン・コバーンがファンを公言し、Marc JacobsのADやRaf Simonsのショーでも楽曲が使用されるなど、女性のように柔らかで甘美な歌声と浮遊感のあるメロディーは世界中を魅了している。来日公演の先行チケットは3分で完売、はやくもHOSTESS CLUB ALL-NIGHTERでの再来日が決定するなど、日本でも高い注目を集めているCigarettes After Sexのフロントマンであるグレッグの音楽遍歴やバンドやライヴへのこだわりなどを聞いた。



——いきなりですが、4年前に出したEPが突然注目を浴びるというのは、結構珍しいことだと思うのですが、ブレイクポイントや理由をどう考えていますか?


グレッグ「リリースした当初は反応がよくなかったんだ。でも自分では素晴らしい楽曲ができたという手応えがあった。時間が経ってようやくそれがわかってもらえたのかな。これがあったから注目を浴び始めたというのは特になくて、ネットにはたくさんの音楽が溢れているから、そこから見つけてもらうには時間がかかったんじゃないかと思っている。特に僕らは小さい街の出身だし、周りにビッグなアーティストがいるような環境じゃないからね。それがこうやって多くの人に聴いてもらえるようになったというのはすごく嬉しいし、いつも感動してるよ(笑)」


——初の日本単独公演を終えたばかりですが、日本のオーディエンスの反応はいかがでした?


グレッグ「すごくポジティブなエネルギーを感じたよ。あと、他ではあまりないんだけど、ファンがお酒やお菓子などのプレゼントをくれたり(笑)、手紙をくれたりして、僕たちのことを気にかけてくれてるのが目に見えてわかるのも嬉しかったな」



——ライヴでは、単純なスローコアというよりドリームポップやアンビエントからの導きも感じました。音数は多くはないけれど、シンプルの中に様々な音楽要素がしっかり組み込まれている。それは技術が必要でもあると思うんですが、どういうバックグラウンドがあってこういうことができているのか知りたいです。


グレッグ「10歳からギターを始めて、ガレージバンドにいたこともあればデスメタルバンドにいたこともある(笑)。曲を書いて友だちに披露したり、一緒に演奏したりというのをずっとやっていたよ。その流れで2008年にCigarettes After Sexを始めて、いまここにいるんだ(笑)。
影響を受けたのは、Maggy Starの”Fade Into”やRed House Painters。ドリーミーな感じでいうと、Cocteau Twins、フランスのFrançoise Hardy。エリック・サティやマイルス・デイヴィスもよく聴く。とにかく音楽が好きなんだ。デスメタルをやりながらもポップもアバンギャルドもジャズも好きだし、全部を表現したかった。それでそういういろんなものが混ざっていって、自分のアイデンティティが確立されていったって感じかな」


——ああ、マイルス・デイヴィスを好きな理由がわかります。様々なものを恐れず取り入れていった人ですから。


グレッグ「そう、彼はエクスペリメンタルだったからね。そういう意味では僕たちもそうかもしれない」





[caption id="attachment_57783" align="alignnone" width="536"]

Photo : Riku Ikeya | Edit : Ryoko Kuwahara[/caption]


——モノクロームのマン・レイの写真を使ったり、アートワークへも強いこだわりがありますよね。


グレッグ「アートワークは僕にとって大切な要素。いまの時代は、ただ音楽をリリーすするだけでアートワークに力を入れてない人も多いかもしれないけど、強いイメージを持っていて、一目でこれがCigarettes After Sexなんだとわかってもらえるような一貫したアートワークにしたかったんだ。EPも今回のアルバムもそう。わかりやすくもパワフルなものということを意識している。音楽もパッケージも含めて存在としてパワフルでなくてはいけないというのが僕の考えなんだ。アートワークからフィーリングを感じることができるというのはすごく大切だと思うよ」


——ぶっちゃけ、マン・レイの写真を使う許諾をとるのは大変でした?


グレッグ「かなりね(笑)。でもその価値は充分にあるものだから」


——確かに。マン・レイ以外にヴィジュアルでの影響を受けたアーティストはいますか?


グレッグ「ミケランジェロ・アントニオーニという監督の『情事(L'avventura)』という作品があるんだけど、とても美しく、ミステリアスでロマンティックで、これを音楽で表現したらどうなるんだろうと思って曲を作っているところがあるんだ」


——映像を呼び起こすような音楽だからか、ファッションシーンからもあなたの音楽はとても愛されていますよね。Marc JacobsのADでの楽曲使用も話題でしたが、先日もRaf Simonsがショーで楽曲を使ったとか?


グレッグ「そうなんだ。僕もファッションは好きだから、作品を使ってもらえるのは単純に嬉しいよ。音とヴィジュアルが呼び合うというのはとても素晴らしいことだね」


——1stアルバムの録音環境について聞かせてください。スタジオだけではおもしろくないからといろんな場所でレコーディングしてるそうですが、今回はどういうところで録ったんですか?


グレッグ「EPは階段でレコーディングしたんだけど、それがすごくしっくりきたんだ。スタジオでなんて録音したくないと思った(笑)。今回は3日間ブルックリンのリハーサルスペースでレコーディングして、1曲だけ“Each Time You Fall In Love”はNYの映画館の階段で録音したよ(笑)。僕がやっているようなタイプの音楽は、場所からスピリットやキャラクターが生まれることもあるんだ」


——おもしろい発想ですね(笑)。グレッグはギターから曲を作るんですか? PCから?


グレッグ「いろんな方法があって、ギターで歌いながら作るときもあれば、キーボードで作るときもあれば、ラップトップで歌詞を書いて作ることもある。混ざってるね」


——基本的にはひとりで作って、それをバンドメンバーにシェアするんですか?


グレッグ「そうだよ」


——つまり、ひとりでもできてしまうんですよね。でもなぜバンド形態でやるんでしょう?


グレッグ「それで言うと、実はレコーディングは全部自分でやってるんだよね。ドラムもベースも楽器も全て。でもやっぱり10歳でギターを始めたときから、自分はライヴプレイヤーだという意識があって。聴いてきた音楽もバンドのものだし、メンバーやライヴで演奏することが欠かせない要素なんだ。実を言うと、バンドでやるほうがソロでやるより難しい。でもそのぶん、特別ななにかが生まれるし、パワフルなエネルギーが生まれると思う」





[caption id="attachment_57785" align="alignnone" width="620"]

Photo : Riku Ikeya | Edit : Ryoko Kuwahara[/caption]


——特にライヴでやるは難しい音楽ですしね。この後はアジアツアーもあり、世界各国でのライヴが12月くらいまで続くそうですが。


グレッグ「そう。2ヶ月アジアをまわり、8月はHOSTESS CLUB ALL-NIGHTERのために日本に戻り、その後はUS、ヨーロッパ、カナダなどをまわる」


——そんなに何ヶ月もツアーを続けるくらい生やバンドへのこだわりがあるということですよね。


グレッグ「ライヴで演奏するのが気持ちよくて仕方ない、中毒みたいなものなんだ(笑)。しかもライヴではそれをオーディエンスと共有できるんだよ。かけがえのない体験だと思う」


——ええ、先日のライヴでもその気持ちはオーディエンスに伝わっていたと思います。日本でも好きなアーティストはいますか?


グレッグ「冨田勲の『月の光(Snowflakes Are Dancing)』が好きだよ。いい意味で奇妙な世界観を持っていて、異次元に連れて行かれるようなサウンドだよね。コーネリアスの『Fantasma』は言うまでもないよね。林原めぐみなどのアニメーションの音楽も好きだった。彼女の曲は単純なのにメロディアスだったり、一風変わっていてそれがいい。ベイビーメタルなんかも好きだよ(笑)」


——幅広いなあ。でも坂本龍一じゃなくベイビーメタルなんですね(笑)。


グレッグ「うわっ! YMOは本当に好きで、大ファンだよ。あまりに好きすぎて忘れてたよ(笑)。いまでもよく聴いてるんだ」


——では最後に日本のファンに一言御願いします。


グレッグ「本当に聴いてもらえるだけで嬉しいし、僕たちにとっては意味があること。次回また日本で会えることを楽しみにしてるよ」





photo RikuIkeya
interview NaotoOkutomi(BOY)
text&editRyokoKuwahara







Cigarettes After Sex
『Cigarettes After Sex』
2017年6月9日(金)世界同時発売
(Partisan Records / Hostess)


※日本盤は歌詞対訳、ライナーノーツ(黒田隆憲)、「Apocalypse」と「K」のアートワーク・ステッカーシート付


1. K.
2. Each Time You Fall In Love
3. Sunsetz
4. Apocalypse
5. Flash
6. Sweet
7. Opera House
8. Truly
9. John Wayne
10. Young & Dumb



※新曲「 Each Time You Fall In Love」「Apocalypse」「K.」iTunes配信スタート&アルバム予約受付中
https://itunes.apple.com/jp/album/cigarettes-after-sex/id1224500433?app=itunes&ls=1&at=11lwRX


Cigarettes After Sex
2008年、フロントマンのグレッグ・ゴンザレスを中心に米テキサスのエル・パッソにて結成されたドリーム・ポップ/アンビエント・ポップ・バンド。2012年に発表したEP『I.』が昨年突如話題となり、YouTube上にてEP収録曲「Nothing's Gonna Hurt You Baby」が47,000,000のビューを記録し、無名の新人ながら驚異的な数値を記録。ローリング・ストーン誌の「2016年知っておくべき10のアーティスト」に選出され、ライブはアメリカやヨーロッパで即完売に。2017年6月、全世界待望のデビュー・アルバム『シガレッツ・アフター・セックス』をリリースする。アルバムリリースに先駆けて原宿Astro Hallにて行われた初来日公演はソールドアウトとなった。


HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER
出演: Mogwai / Ride / The Horrors / BEAK> / Cigarettes After Sex / Blanck Mass / Matthew Herbert (DJ) and more
日程:2017年8月19日(土)<サマーソニック2017 ミッドナイトソニック>
会場:幕張メッセ
Open / Start:22:30 / 23:30


チケット:
発売中
・一般価格 9,500円(税込)
・SUMMER SONIC・SONICMANIA購入者限定特別価格 5,000円(税込)
※SUMMER SONIC東京各券種またはSONICMANIAのいずれかを購入されている場合は特別価格にてご購入いただけます。
※予定枚数に達し次第特別価格での販売は終了いたします。
※SUMMER SONIC各種入場券、SONICMANIAの入場券ではHOSTESS CLUB ALL-NIGHTERへはご入場頂けません。
※一般先行・一般発売での購入後の差額の払い戻しは致しません。
※SUMMER SONIC・SONICMANIAの入場券を購入せずに特別価格のチケットを購入された場合は、当日一般価格との差額をお支払いいただきます。


<注意事項>
※HOSTESS CLUB
ALL-NIGHTER入場券のご利用有効期限は8月19日(土)午後22:30~8月20日(日)午前5:00までとなります。
※出演アーティスト変更による払戻しは致しません。
※オールナイト公演のため20歳未満入場不可。
※写真付IDチェック有
※各ステージの入場制限を行う場合がございます。

企画・制作・招聘:Hostess Entertainment / Creativeman


<Hostess Clubとは>
数々の素晴らしいアーティスト作品をリリースしてきた独立系音楽会社Hostess Entertainmentが、音楽出版やライブ制作、マーチャンダイズを手掛ける Ynos(イーノス)とタッグを組み、2011年からスタートさせたライブ公演シリー ズ「Hostess Club」。
2012年から開催したイベント「Weekender」シリーズでは、新人から大御所まで 独自の視点でセレクトした刺激的なアーティストを多数フィーチャー。2015年 夏より新たな試みとしてサマーソニック内ミッドナイトソニックでHOSTESS CLUB ALL-NIGHTERを開催。

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http://www.neol.jp/culture/

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